ライフ・イズ・ミラクルの作品情報・感想・評価・動画配信

「ライフ・イズ・ミラクル」に投稿された感想・評価

好みだけで言えば、『アンダーグラウンド』を超えた。
とにかく世界観の構築が圧倒的。カメラの存在を感じさせず、生き生きとした物語が画面いっぱいに広がっている。
観る中で多くの感情を味わうが、小さなラストにストンと落とされ多幸感に包まれる。
コメディ要素が『アンダーグラウンド』より強いため、多くの人にとってとっつきやすい作品でもあるように思う。
長さも気にならず、特に非の打ち所がない。
素晴らしい映画。
Kinta

Kintaの感想・評価

3.8
ずっと前に京都駅ビルシネマで観て以来の鑑賞。クストリッツァ映画の熱量には毎度魅了されるけど、もっといろんなこと知らないとその全てを楽しみきれてないような不甲斐なさが残る。また観たい。
いの

いのの感想・評価

4.3
1992年のボスニアで。
主人公、セルビア人のルカがこのようなことをさらっと言う。「これは彼らの戦争であって、我々の戦争ではない。」多民族・多言語・多宗教のユーゴスラヴィアで、憎しみが更なる憎しみを生み、WWⅡ後の欧州で最悪といわれる紛争が勃発した。でも、もしかしたら(これはただの想像に過ぎないのだけれど)、多くの人にとっては、ルカが抱くのと同じ思いだったのかもしれない。 これは誰かが始めた戦争。自分たちは隣人たちを憎んでいたわけでもない。よそで起きた紛争だと思っていたら、気がついたら、自分の暮らす場所にもそれらがやってきて、いつの間にか家族も自分も巻き込まれ、当事者になっていた。当事者という実感は、ずっと遅れてやってきたのかもしれない。絶え間ない砲撃。地響き。


エミール・クストリッツァはやっぱり本当にとても凄くて、こんな映画、クリストリッツァじゃなきゃ描けないとわたしは思う。人間以外の生き物と 人間とを 等価に描く。ユーモアも独特のセンス。まるでサーカスのようなごった煮とマジック。愛は、隠したりせず、気持ちのよいほどおおっぴろげでおおらかだ。人々は感情を表現することを抑えたりしない。ジプシー音楽が本当によく似合う。おかしみが全篇を貫いている。命は重いというよりむしろ誰もに等しく軽くて、その命の軽さがかえって命ノオモサをあらわしているような。おかしろいニンゲンと、ニンゲンよりもニンゲンらしい生き物たちを描く姿勢は、(そうと直接にはなにひとつ言わないけれども)かえって、監督の戦争に対する強い怒りを感じずにはいられない。セルビア人ルカと、ムスリム サバーハとの愛。MVPはロバにさしあげたい。失恋して絶望した挙げ句、涙して線路に立ち止まって動かないロバ。失恋してること、登場人物たちにバレちゃっているのは気の毒だけれど、好き。いつか恋が成就しますように♪あと、監督はきっとお尻フェチ。
猫背

猫背の感想・評価

3.7
いつも通りのどんちゃん騒ぎが繰り広げられる。割と悲惨な状況でもちっとも深刻さがないのはこの世が舞台だからだろう。死にたいロバの滑稽さは人間にも当てはまる。
勝沼悠

勝沼悠の感想・評価

3.8
 内戦化で敵方の捕虜と恋に落ちた中年男性の悲喜劇を実話を基に描く。
 05年のセルビア映画。

 徹底したドタバタ劇。隣人同士だった者が殺し合う泥沼の内戦を映画にするとしたらこういう風にするのが一番いいのかもしれない。戦争に翻弄される姿は確かにどこか可笑しくてとても悲しい。
 最後も本当に翻弄という言葉がぴったりくるラスト。でも生きる希望も見える。

 内戦を経験した国だからこそつくれた映画。
◎ 火炎放射した時にThe DoorsのThe Endのフレーズをちらっと口ずさんだり、エンディングの3拍子ワルツの曲だったり、笛が側にあったり、線路とトンネルが常に話の中心にあったりでミラクルワールド続きでした。
【人生がミラクルであったなら】
『パーフェクト・ワールド』『ライフ・イズ・ビューティフル』といったタイトルも思いうかぶ本作は、クストリッツア節(ぶし)と言っていい動物、音楽、郵便配達、愛する人との逃亡といったモチーフが健在だ。
ウォン・カーウァイにも似たような印象をもつけれど、クストリッツアも複数の作品を通じて一本の長い映画をずっと撮っているかのような気がします。
同監督作のなかで一番好きな作品のひとつです。
国茶

国茶の感想・評価

3.7
初めてのエミールクストリッツァ映画

画がめちゃくちゃごちゃついてるのに
とんでもない熱量で
飽きさせませんね

面白かったです

たしかにフェリーニっぽさある
【相変わらずの圧倒的エネルギー&カオス感。だが、これぞ唯一無二のクストリッツァ節!「アンダーグラウンド」に次いで好きな彼の作品です。】

私が最も愛する映画「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督の作品。「アンダーグラウンド」で彼の存在を知ってから、彼の作品は5本ほど見ていますが、本作品はTSUTAYAでも見つからず一度も見ることのないまま十数年が経ち、アマプラでレンタル(おそらく最近!?)になったことに気づき、満を持して初視聴となりました。「アンダーグラウンド」の衝撃があまりにも強すぎて、彼の他の作品を初めて見る時は、毎回物凄くワクワクするのですが、見終わるといつも「う~ん、何かが足りない」という気持ちになることが多かったなか(「アンダーグラウンド」により彼の作品への期待値が高すぎるのですが)、本作品は「これこれ!これを待ってたのよ!」と思わず終始ニヤニヤしながら見てしまいました。彼の作品では、個人的に「アンダーグラウンド」に次いで2番目に好きな作品です。

まず、オープニングから相変わらずのクストリッツァ節が全開!クセのある人物像、他の作品では味わえない画面から溢れ出すようなエネルギーと一時の静けさも許さないようなハチャメチャでカオスな物語と映像(パーティーで拳銃を打ちまくるは、奥さんのお尻をボクシンググローブで殴って興奮のあまり頭がガラス窓から突き出るは・・・そんなハチャメチャあります!?)、そのカオス感をさらに引き立たせる力強いジプシー音楽、そして忘れてはいけないのは、クストリッツァ作品に必ず登場する、時に忙しなく暴れ回る人々をあざ笑うように冷静に傍観し、時に人々のパワーに負けんばかりに自らが大暴れする数多の動物たち、、、彼の全ての作品に共通して見られるこれらの要素で相変わらず心躍ります。

が、個人的に本作が彼の他の作品より面白いのは、映画の骨格となるストーリー展開も終始テンポ良く動きがあり、先が読めず飽きさせないところだと思います。非常に散漫としていて、でも実は全てしっかり繋がっているようで、でもやっぱり散漫としていて、、、という映画の中核となる部分と混沌さのバランスが絶妙で、戦時下の悲劇の中で生き続ける人々の生き様という骨太なテーマを、このバランスの中で描き切るところは「アンダーグラウンド」のそれに近いものを感じます(逆に他のクストリッツァ作品に物足りなさを感じたのはこの部分かもしれません)。

やはりクストリッツァの作品は、暗く悲しい歴史でも、ジメジメとした雰囲気ではなく、混沌としてエネルギッシュではなくては!ちなみに、本作はクストリッツァ作品で必ず描かれる男と女の愛に加えて、それを超越する父子愛が結構ストレートに描かれているのも見どころです。クストリッツァ作品でうるっときたことはこれまでなかったのですが、本作の父子愛は少し涙腺がやられそうになりました(やられなかったですが)。このあたりの分かりやすさも、他作品よりストーリー全体をより魅力的なものにしているのかもしれません。
鉄道技師のルカは国境近くの村に引越し。オペラ歌手志望の妻は不平たらたら。サッカー好きの息子とも上手く噛み合わない。家族を愛しながらも疲弊するルカ。
しかし、息子は兵役に、妻はハンガリー音楽家と出奔。始まった戦争の影に怯えながら、ジオラマを作り孤独に暮らすルカ。そこに息子が捕虜になったという知らせが。苦悩するルカのところに敵国の娘が連れてこられる。有力者の娘だから息子と捕虜交換すればいい。そう言われて娘の面倒を見ることになったルカだが·····。

クストリッツァワールドが好きな人にはたまらない、緑と動物たちと男と女といつもの音楽。
かなりきつい話なのに彼のユーモアのセンスにかかると奇妙に明るく、透明な世界になる。
恋愛の駆け引き感がすごくリアルなのもいい。
人間であることの喜び、虚しさ、社会の不条理、個人の無力さ、そして飛翔する夢。
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