ライフ・イズ・ミラクルの作品情報・感想・評価

「ライフ・イズ・ミラクル」に投稿された感想・評価

MTGSZK

MTGSZKの感想・評価

4.2
紛争が激化するボスニア。主人公はセルビア人鉄道員ルカ。息子は徴兵、妻は浮気相手と駆け落ち。そんなボロボロのルカの元に捕虜として敵国の美人女性サバーハが置いていかれ、奇妙な同棲生活が始まる。

息子を思う一心で過ごす日々の中、いつしかサバーハとも恋が芽生える。背景に絶えず「戦争」がありながら暗さ、重さはほとんどなく終始飄々とした雰囲気。クストリッツァ監督の「戦争ってこんなに馬鹿馬鹿しいものなんだよ」というメッセージのようだ。時折差し挟まれるドリフな笑いがたまらないのだけど、妻ヤドランカが最高に無茶なキャラで爆笑。

映像は相変わらずどこを切ってもこの上ない美しさで目を奪われますが、監督自らがギタリストとして参加するザ・ノン・スモーキング・オーケストラによるジプシーテイスト満載な音楽がやたら素晴らしく、耳も奪われます。つい音楽の方に気を取られ物語を追えなくなるときがあって困るぐらい。劇中で演奏される音楽がそのままBGMとなる場面がもう最高です。

それから重要なのが犬、馬、ロバ、猫、鳥といった動物たち。絶妙の間を演出する馬くんも、両手猫パンチ炸裂の猫くんも、無意味に負ぶさる犬くんも最高だったけど、なんといってもロバくん。たくさん映画は観てきたけどもロバに泣かされるのは初めて。助演ロバ賞受賞。生きているということ、それこそがミラクル。
ミロシュの送迎会とかサッカーとかの、人がいっぱいいるシーンの楽しさはクストリッツァが一番だと思う。説得力のあるラストが素敵。
ああ、やっぱり大好き
クストリッツァ❣️

相変わらずの
ガチョウの群れに
熊に猫にロバ
絶望で自殺しようとするロバ

そして血が騒ぐ♬ウンザウンザ♬

妻と息子と
鉄道と
サッカーと
動物たちと
友人と
賑やかな日常と
ロマンスと
そしてボスニア紛争の始まり

クストリッツァの描く戦争は
悲惨さや深刻さでは無く
生き生きとしたエネルギッシュな
日常と
それが壊れていく様子の対比で
戦争の理不尽さへの怒りに
気付かされる

ガチョウも熊も猫も犬も羊も
そしてヒトも
凄い熱量で存在する
クストリッツァの映画が
好き過ぎて
また
一人クストリッツァ祭りをしようかと思案中😍✌️

*3/13
Kyohei

Kyoheiの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます


映画全編にわたって様々な動物たちがマンガみたいな動きを見せてくれる。

たとえ世間が戦争真っ只中だろうが、
夫をのこして知らない男と逃げてったもう到底若いとはいえない妻より、
若くて綺麗な一つ屋根の下のムスリムの女性の捕虜を選んでしまうのは、
男ならしょうがないんじゃないでしょうか。
ただただ愛おしい映画だ。
人間は単純で馬鹿で間違ってばかり。紛争地帯でも現代日本社会でも同じ。真実なんてどこにもない。
生きている事生き延びる事生き残っている事が、奇跡なのだ。
クストリッツァの映画はいつもどう感想を書けばよいやら悩む。演出コテコテで大抵は終盤胃もたれ気味になるし、それを超えた先にめくるめくカタルシスがあるというのとも違う。ただパワフルで笑えてせつなくて画面や音楽が素敵なだけじゃない何か。
今作は(慣れもあるのか)いつも以上に響いたからつらつら考えてみて、この監督の作品には愛と無慈悲がまさしく自然のそれみたいに自然なバランスで注がれているところに惹かれるのかもしれないと思っている。このタイトルだと余計にかな。
もちろん彼らも大活躍。「動物」ってやたら素っ気ない言葉に感じられてきてあんまり使いたくなくなる。まさか君で泣くとは。
生きていることだけが祭だ。愛が抱き合うように線路の上をトロッコが、コロコロ転がっていく。騒ぐ人間割れるグラス、泣く母親ぶっ放す息子乳揉む父親。土地をどこまでもつなぐ鉄道、国を隔てる国境、あちらとこちらをつなぐトンネルはそのところどころで神聖な暗闇を保って、男女はそこをくぐり抜ける。
「速さも感覚も両方大事だ どちらがかけてもだめなんだ」
そんなのは逆噴射ランチャーの方便やと思いたい、民族より人柄さ。ここはヒロシマじゃない。速度ゼロで抱き合うのが愛、或いは光より速く。
戦争の速度は鏡におそらく映らない。サッカーで済ませればよいものを。ならば間抜けなほどに焦らないルカのように、ひとを殺める苦しみを知り愛す喜びを謳いゆっくりとロバに乗る。トンネルを抜けていくスローな後ろ姿に、向こうの明るさとこちらの暗さを知る。
あぺ

あぺの感想・評価

4.6
[バルタザールどこへ行く]を見た後だろうか、ロバの重みがいつもとは違う

ロバ映画は何本も見てきたけど、それらの作品の想いが集結したかのような一本だった

移動手段としてもレースとしてもペットとしても微妙だけど絶妙な可愛さが残されていて こんなに映画で使われるのかもわかる気がする
naoshi

naoshiの感想・評価

-
衣食住を生き物共でともにし、ベッドの上で「戦争」をおっぱじめる。
こんな生き物映画を作れてしまうのが奇跡。
ラストで涙が止まらなかった。
無

無の感想・評価

2.8
鉄道技師のルカは親子三人と沢山の動物たちと共に幸せに暮らしていたがボスニア紛争が勃発!その間オペラ歌手の妻は不倫相手と駆け落ちし、大事な一人息子は戦争に徴兵され寂しいルカは捕虜として預かったムスリム人のサバーハと恋仲になるがフラれて戻ってきた妻と鉢合わせし大喧嘩になるが…

楽しそうな始まり方で「黒猫・白猫」みたいなカオスでハチャメチャな展開を期待したけど俳優はちゃんとした人達ばかりでストーリーが戦争・ラブストーリー・サッカー・ファンタジー等色々と詰め込みすぎてて結局何が伝えたかったのか良く分からず尺も長いので観てる間に2度ほど気絶してた…w
失恋したせいで絶望した自殺志願者のロバや自由に暮らす犬や猫は良かったのに鳥の扱いが乱暴すぎて死んでるガチョウの姿が痛々しくてあまり笑えず。
同じような題材(ジプシー)を扱う監督の作風はひたすらエネルギッシュなエミール・クストリッツァよりもトニー・ガトリフの温かくて優しい感じの方が好きかも。
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