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Samsara(原題)
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『Samsara(原題)』に投稿された感想・評価

TS
4.5
【贅沢すぎる100分間】95点
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監督:ロン・フリック
製作国:アメリカ/インドネシアなど
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:102分
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『バラカ』が20世紀を代表する非言語型ドキュメンタリー映画とするならば、今作は21世紀を代表するそれにあたるでしょう。世界25カ国、100以上のロケ地で撮影された今作はまさに奇跡の作品。宇宙人に向けて送る宇宙船に、一本だけ映画を持ち込めるのならば今作を推奨したいと思います。何故なら、言葉がわからなくてもこれを見れば地球ってどんなところなのかなとわかるからです。(再生できひんから意味ないやんけ。というツッコミはなしでお願いします(笑))『バラカ』同様ナレーションは一切なし。圧倒的な映像と音楽で見る者を異次元の世界に誘ってくれます。

サンサラとはサンスクリット語で「輪廻」を表すようです。輪廻とは人は死んでも何度でも生まれ変わるという思想のことでして、つまり終わりがないということです。それを形にしたものが「円」であり、実際今作ではその「円」がかなり強調されています。パッケージになっている千手観音もそうですし、カアバ神殿のまわりの巡回、マニ車など、本編のいたるところに「円」が強調されています。

今作においては予習は不要。と言いたいところですが、これまで培ってきた様々な知見を照らし合わせるにはうってつけの作品です。例えば先述したマニ車には、回すだけでその回した数だけお経を唱えたという効果がありますし、冒頭に映される世界で一番美しいミイラとされるロザリア・ロンバルドはわずか2歳で肺炎で亡くなってしまいました。また、夜空に照らされる顔だけの巨石はネムルト・ダーというコンマゲネ王国の遺跡ですし、一瞬映される青い建物と兵士は韓国と北朝鮮の国境線にあたる板門店であるなど、知っておいたら得をする映像が多々映されます。説明や字幕も一切ないので、知っているかどうかで見方が変わってくる作品であります。僕もまだまだでありますが、そのあたりは予習なしで理解できたので嬉しかったです。

構成はおおよそ『バラカ』と同じでして、自然と文明、先進国と発展途上国を対比させるような形で映されています。ただし、『バラカ』が撮影された当時では恐らく撮れなかった要素も追加されています。例えばこの十数年で急激的な成長を遂げたドバイの映像がその筆頭でしょう。その中でブルジュアルアラブやパームジュメイラなどはやはり見ていて美しいですが、このドバイという美しい都市も、実は奴隷のような身分の人が日々働いてきたから生み出されたというドロドロとした部分があることを忘れてはなりません。また、現存する世界最大の室内スキー場であるスキー・ドバイを見れたのも貴重でした。このように、21世紀になってから見られる要素も今作には含まれています。

また、『バラカ』より優れているなと思った点は、勿論映像美の進化という点もありますが、何かを皮肉めくという要素が入ったという点であると思います。例えば、消費社会になりすぎた先進国の食に焦点をあてるシークエンスがあります。鶏や豚が見るも無惨に解体され、それらが消費者の元に「食品」として届くのです。このあたりを存分に描いた映画としては『いのちのたべかた』などが挙げられますが、今作はしっかりその鶏や豚の末路までを描いています。そして食べすぎた結果、人間はどういう体型になってしまうのか。。皮肉以外の何者でもないでしょう。また銃社会を批判するようなシークエンスもあります。

このように、地球のあらゆる事象をまるで宇宙人の目線から見れる作品になっています。しかもわずか100分で。恐らくとんでもない制作費がかかっているでしょう。わずか数十秒のその映像を撮るためにそこに赴いたこともあるのでしょう。製作陣の苦労が伝わるまさに至極のドキュメンタリー映画。日本未公開でして、日本版のBlu-rayも今の所ない模様。海外輸入版として鑑賞出来るので興味のある方は是非。今のところ、ドキュメンタリー映画の最高峰としたいです。
[] 50点

5年かけて25カ国の美しい映像を撮って繋ぎました!という生命の神秘&地球の神秘ゴリ押し系インスタ映え映画で、基本的に私はこういう映画が好きではないのだが、序盤にコールマンスコップ(らしき場所)から廃墟が続いたのが良かったのでご報告まで。あと、ショットガン型の棺はヤバい。こういう映画を観ると旅行に行きたくなるが、コロナが憎いなあ。一緒に『Baraka』も観たが特にピンと来ず。ボーッと調べてたら『コヤニスカッツィ』の脚本家か、道理で…

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