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『縛り首の縄』に投稿された感想・評価

benno

bennoの感想・評価

4.4
『砂時計』があまりにも素晴らしかったので…ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督作品…2作目…彼のデビュー作品です…。


アルコール依存症の男クバ(グスタフ・ ホルベク)…恋人クリスティナと治療のため病院へ行く約束をし…その約束の時間までの彼の1日の行動を追います…。


冒頭から惹きつける映像…暈した被写体の手前にアップの電話機…そして彼は窓の外の時計を見詰めます…。

煩わしいコミュニケーションと孤独に耐えながら待つ時間…それらは彼にとっての強迫観念…電話、そして時計…。

クバの部屋から見える壁に描かれたこちらをじっと見つめるようなアールデコの女性画…鏡などの小道具も巧みに使いネオレアリズモに影響を受けた描写…。

一方、退廃的な室内装飾、ジャコメッティのようなアートワーク…クバの部屋は何処となく現実離れした世界…彼のモノローグもとても詩情的…まるでアルコールによる幻影の中を彷徨っているよう…。


そして鳴り止まない電話に堪らず部屋を飛び出すクバ…。

カフェでは偶然出逢った元恋人にイラつき、路上ではつまらない喧嘩をして警察へ…そして流れ着いたのは結局…バーでした…。


  〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜








ウォッカを一口…不思議と震える手も苛立ちも収まるのです…。

バーにいたハーモニストは彼に言います…

  『人生ほど悪い夢はない…酒を飲め…
        みんな消えてしまうぞ…。』

クバの気持ちを和らげるのは…パラドックス的に何あろう…やはりアルコールなのです…。

これが依存症の恐ろしさ…。

そしてバーでクバの分身とも言えるような、同じく依存症のヴワデクという男と出逢います…彼の主役を喰ったような演技も見どころ…。

  『ひとたび飲んだら止まらないんだ…
ゲームに終わりなんてないんだよ…。』

病院、医者、薬…そして思いやりのある恋人でさえ役に立たない…それらは苦しみを加算するだけ…彼はクバの最後の希望さえも踏み躙るかのように吐き捨てます…。

絶望に打ち拉がれ酔い潰れるクバ…

そして彼女との約束の時間…

コミュニケーションのラインをシャットダウンした彼は……??



タイトル、ジャケ写は如何なものか?? …とは思いますが…そこじゃない!! …ラストを含め依存症の恐怖が見事に描かれた世界観に天晴れ!!
ヴォイチェフ・イエジー・ハス、長編デビュー作。
ハスは第二次大戦後ポーランドの第三世代、所謂「ポーランド派」として知られるが、ポーランド派主流に戦争を総括した作品が多い事に比べ、普遍的なテーマを以て活動した監督である(但しウッチ映画学校出身であること、及び世代的に、ポーランド派に属する点に異論は無い)。
本作はそんなハスが、或るアル中青年の長い一日を描いた作品である。

後年鬼の様な入れ子構造の『サラゴサの写本』を表すハスであるが、本作は残念乍ら一本調子で、稍冗長な物語である。
ストーリーラインに散りばめられた「死」のモチーフからも予想される通り、予定調和な結末の作品となっている為、彼のフィルモグラフィの中でも退屈な作品に分類されよう。
…と言うか、ここ迄何も無いと、レビューも難しい。
ただ、アル中にはなるまい、と言った反面教師としての鑑賞意義は有ろうかと思う。
締まらない内容であるが、以上を以てレビューを終える。
[『失われた週末』へのアンチテーゼ] 70点

ポーランドの同年代の作家から浮きまくっているヴォイチェフ・イエジー・ハスの長編デビュー作。流石にデビュー作から後の『サラゴサの写本』や『砂時計』みたいなぶっ飛び具合ではなかったが、よく考えてみるとその二つが特異なのかもしれない。幻想的だった二作に比べ、暗いリアリズムに満ちたアル中映画の佳作。

アル中の青年クバの、恋人クリスティナが仕事から帰ってくるまでの長い一日を描いている。酒を飲みたい衝動と懸命に戦うも、雑誌の宣伝、友人たちからの呑みの誘いやら冷やかしやら、空き瓶回収など酒のイメージを脳裏にちらつかせる小物に囲まれ、たまらず家を出るクバ。常にイライラしていて、元恋人に出くわして"今結婚してるんだけど今でも好きよ"と言われたり、つまらないことで喧嘩して交番にしょっぴかれたり、しょっぴかれた先で酔っ払いに絡まれたり、色々経て結局バーに流れ着き、飲んだくれの爺さんと二人、ウォッカを飲みまくる。

『失われた週末』では恋人の存在が主人公を救った。しかし、現実はそう甘くないということを示したかったのだろうか。必ず帰ってくるわ、一緒に治しましょうとクバを励ますクリスティナの存在が、クバにとっては重荷になって、酒を飲む原因の一つとなっていたのだ。だからこそ放置せず、施設に入れるのが最善策と言えるんだろうけど、クリスティナは仕事に行って、クバを放置してしまう。

最後の自殺は邦題が重大なネタバレをしている。しかし、序盤から映画そのものも"死のイメージ"に取り憑かれて、たまたま立ち止まった場所が葬儀屋だったり、友達の乗ったバスが事故ったりしている。放置されたクバの末路は、必然的なものだったんだろうことは想像に難くない。

ポーランドの名優グスタフ・ホロウベクの初期の代表作らしい。『失われた週末』でオスカーを受けたレイ・ミランドは、その後のキャリアは鳴かず飛ばずだった(失礼)が、ホロウベクはポーランドを代表する俳優となった。これもアンチテーゼの一つのなのか。