命のビザの作品情報・感想・評価

命のビザ1992年製作の映画)

製作国:

上映時間:129分

3.7

「命のビザ」に投稿された感想・評価

百合

百合の感想・評価

4.8
加藤剛さんが杉原千畝さんを演じるという、もはや配役だけで説得力を感じさせる作品です。

有名なエピソードはもちろん、外務省を辞めさせられてからの人生も描かれていて、本当の勇気とは、人間性とは何かを考えさせられます。

唐沢寿明さんの「杉原千畝」では列車から身を乗り出してビザにサインをされていたエピソードが欠けていたりして、ちょっと物足りなく感じた方にはこちらをオススメします。
るみる

るみるの感想・評価

3.4
唐沢寿明主演の『杉原千畝』を以前鑑賞し、さらに知りたくなって、こちらも鑑賞。

原作は、奥様である杉原幸子さん。

ビザ発行について詳しく描かれていた『杉原千畝』に対し、こちらは家族や帰国後の生活について等、女性視点の内容が多く、杉原千畝をまた違った視点で知れる。

戦争の経緯やビザ発行までの政府対応について、説明ナレーションや実際の映像があるドキュメンタリー映画で、わかりやすい。
その反面、エンタメ性は少なく、映像は安っぽい…。

幸子さんがドイツ軍と共に過ごすことになり、爆撃を受け、さらには幸子さんを守った将兵が命を落としてしまうことに…。
外交官の奥様がこんな経験をされてたなんてビックリ!

日本に帰還してからは、奥様の実家沼津での生活。
命を救ったユダヤ人がイスラエル共和国を建国した頃、白血病で息子さんを、義妹さんも亡くなるという悲しみも。

センポスギハラを探し続けたユダヤ人の方との28年ぶりの再会は、想いが溢れて…感動!
そして、ユダヤ人の方に息子のヘブライ大学留学を熱望され、
病床の晩年、イスラエルで「ヤドバシム (正義の人賞)」を受賞したことを息子からの手紙により知る。

外交官としてではなく、
「人」として素晴らしい決断をされた方だとしみじみ実感。


走り出づる
列車の窓に縋りくる
手に渡さるる命のビザは
無

無の感想・評価

3.5
杉原千畝の妻である杉原幸子の著書を原作とする色んな国に領事官として(間諜も兼任)赴任していた夫や自分を含む家族のまわりに起こった出来事や見聞きした話を詳細に記した激動の戦争体験記。

ずっと観たかった作品だけど鑑賞するのは無理だろうなと諦めてたらまさかの図書館の視聴用DVDのリストの中から発見。
図書館に置いてあるような作品と言えば、毒にも薬にもならないような万人受けするようなベタな映画ばかりのラインナップだと思ってたのにまさかこんな激レア作品まで入荷してたとは恐れ入った…!
唐沢寿明版は千畝としては人物が軽すぎるという評判だったが、加藤剛が演じる事でとにかく誠実で情に熱い頑固で温良な人物に仕上がっている。
妻幸子役の秋吉久美子に知性が感じられないというレビューもあるし確かに棒演技だけど、堅物で真面目すぎる夫の隣にいる妻であり緩和剤としては天真爛漫で好奇心旺盛で肝が座った幸子役として彼女はこれ以上ない適役のような気もする。
戦闘に巻き込まれ自分を盾にして命を救ってくれたドイツ人将校の優しさもきちんと描かれていて決してユダヤ人だけを善人にする事なく個人単位では明確な悪人はそんなに居たわけでは無いのだという事実を冷静な目で伝えているがこのエピソードはこれ以降の同名映画では何かしらのご都合上カットされる事が多いようなので非常に残念。
加藤剛が主演という事もあり、エンタメ性に乏しく決して面白い作品ではないし勿論杉原千畝だけではないがこういう人物もいたのだという事を知れる良質な伝記映画。

鑑賞者が少なすぎてさみしいがそういう作品だからこそ駄文でも何でも書き散らして広めたい!