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世界で一番ゴッホを描いた男

世界で一番ゴッホを描いた男の作品紹介

世界で一番ゴッホを描いた男のあらすじ

複製画制作で世界の半分以上のシェアを誇る油絵の街、中国大芬(ダーフェン)。出稼ぎでこの街にやって来た趙小勇(チャオ・シャオヨン)は独学で油絵を学び、20年もの間ゴッホの複製画を描き続けている。絵を描くのも食事も寝るのも工房の中。いつしか趙小勇はゴッホ美術館へ行くという夢ができた。本物のゴッホの絵画からゴッホの心に触れて何か気づきを得たい、今後の人生の目標を明確にしたいという思いと共に。 どうしても本物のゴッホの絵画を見たいという想いは日増しに募り、ついに夢を叶えるためにアムステルダムを訪れるのだが・・・。

世界で一番ゴッホを描いた男の監督

ユイ・ハイポー

キキ・ティエンチー・ユウ

原題
China's Van Goghs
製作年
2016年
製作国
オランダ中国
上映時間
84分
ジャンル
ドキュメンタリー

『世界で一番ゴッホを描いた男』に投稿された感想・評価

生活のため20年間ゴッホの複製画を書き続けた中国人のドキュメンタリー。

ゴッホ自身と向き合う。

彼を通して観ると言葉に重みが出ますね。
中々、示唆に富むドキュメンタリーだった。

20数年、真作を生で鑑賞したことが無いまま、ゴッホの模造品を描き続けて生計を立ててきた中国の男。彼なりのプライドと自信を持っていたが、初めて行った取引先のオランダで、自分の描いたものが画廊ではなく土産物屋で無造作に並べられているのを見てしまい、自分は「芸術家」ではなく「職工」扱いだったという現実を突きつけられて、酒におぼれ…。

ほとんどすべての芸術は何かの模倣から始まる。だから「偽造」は罪だが、「模倣」はそうではない。ただ、この男が行っているのは、「偽造」でも「模倣」でもない「模造」。では、「模造」とはアート活動か単なる作業か。この疑問は男の自分の人間としての存在意義そのものへの問いかけとなっていく。

ゴッホ自身が生前、まったく売れず困窮していたことを考えれば、今、美術館で何重もの扉に厳重に守られている真作が、中国の地方の町で、多くの人間たちの生活を支えているというのは、皮肉と言えば皮肉。しかし、それが、時空間を飛び越える芸術というものの得体の知れないパワーなのかもしれない。

ドキュメンタリー映画としては、多少、演出過多のように思った。彼はわかりやすく苦悩し、わかりやすい結論に至る。戸籍のことなど社会問題も少し採り上げているが、一方で渡欧のためのビザ取得が容易だったりと、全体としては綺麗ごとに収まっている。そこに、中国の言論・表現統制への気配りを感じた、と言えば穿ち過ぎだろうか。

もちろん最後の彼の決意は麗しい。
ただ、彼はあるレベル以上のアーティストにはなれないだろう。

生活よりアート。家族より本能。その選択をためらわずに完遂できるのは、人類全体のうちのほんの一握りの天才か異常者しかいない。もし、両立させたとしたら、それは、知らず知らずのうちにでも何かを諦めたか、失ったからだと思うし、少なくとも映画を観る限りでは、彼はそういうタイプではなく、手先の器用なごく普通の家庭人だったからだ。
3.7
中国の湖南省出身のチャオ・シャオヨンは、1996年大芬に出稼ぎにやって来る。有名画家の複製画を作ることが産業として成り立っていた大芬で、彼は、初めてゴッホの絵画と出会い、独学で油絵の描き方を勉強し、およそ20年の間工房でゴッホの複製画を描き続けてきた。
しかし、彼は生まれて一度もゴッホの絵を見たことがない。

彼の住む村でのでの制作風景は決して恵まれてるとは言えず、その膨大な数の絵を、家族総出で狭い部屋で寝る間も惜しんで描いている。
驚くのはシャオヨンならまだしも親族が彼の指導のもと、同じ複製画を油絵で描けること。
そりゃきっと寸分の狂いもなくとはいかないだろうが、絵画が好きかどうかも分からない家族がこのように生産し続けることに驚愕します。

そんなシャオヨンの仕事にはいくつかの太客が居て、その中の1人がアムステルダムの画商。
「いつか遊びに来てくれ」と言われてんだって得意げに話すシャオヨンの気持ちの中に、ゴッホの故郷であるオランダのアムステルダムで認められたのだという自慢のような気持ちもあったのかもしれません。
そしてついに、念願のアムステルダムに行くチャンスが訪れる。
自分たちの絵が一体どんなところで売られているのだろうかとワクワクしてその太客に会いに行く。
しかしそこは、思っていたのとは少し違う、お土産屋さんでの販売で、しかも値段が元値の10倍で販売されていて・・
アムステルダムの太客に悪気がないのは見て取れます。
自分達から呼んでいるわけだし、、しかししかし、シャオヨンからしたら(くそーもっと高くして販売すりゃあよかったー)と後悔の念がある。
あのときの空気感が独特で、あれ以降の彼らの取引がどうなったのか、気になります。

そしてこの後にシャオヨンは目的となる、ゴッホの本当の絵を観ることに。

彼は呆然とします。自分が描いていたのはなんだったのか?模写にもならないと。

シャオヨンは独学で絵と向き合ってきたからこそ、ゴッホがなぜ素晴らしいのかを知り、自分の無力さに打ちひしがれる。

自分の絵が小綺麗なアートサロンで販売されていないことに愕然としたのも束の間、、、自分達の絵は所詮模写もどきであり、スーベニアショップで大量販売されるに等しいものだという事を知り、彼の中で何か新しい感情が揺さぶられたに違いない。

彼のスタイルが今後も変わらなかったとしても、『生活のため』に動かし続けていた筆をゴッホへの『尊敬の念』で筆を動かす職人になることは間違いないのだから・・・

いずれにせよ画面の中で始終彼のひたむきで純粋な魂に心が揺さぶられるこちらのドキュメンタリー。絵が好きな人はもちろんそうでない人にも心の琴線触れる作品となっているはずです。

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