時系列無視の為、個人的にはマッティ兄貴最後の主演作品……😭

最早、語る事無し…。

最後はこの作品で良かった～…😭

合掌…🙏

隠れた名作
オシャレなラブコメだと思って鑑賞したが、想像以上に切ない話で胸を打たれた
この監督の作品に一貫してあるのは貧困というテーマだが今作は他作品と比べ、強烈に表現されていて後半なんて重すぎた

ただでさえオシャレな世界観が印象的なカウリスマキ監督だが、フランスが舞台になっているということでより一層素敵でクセになるシーンが増えた

エンドロールで流れる曲が日本語に聴こえると思っていたらちゃんと日本の歌だった

アキ・カウリスマキ作品、12作目の鑑賞。有名なプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」の原作小説、アンリ・ミュルジェールの古典文学「ボエーム」を映画化した作品。ベルリン国際映画祭で国際評論家連盟賞を受賞。

「ボエーム」とは、ボヘミアンのフランス語。パリに住むその日暮らしの若い芸術家の卵たちは、自由に生きることに憧れていた。そんなボヘミアン生活をパリでしていた貧しい3人の中年芸術家たちの物語。何もないのにプライドだけは高いが、憎めないキャラクター。愉快な場面も多く、コミカルな台詞が可笑しくて笑える。相変わらずカウリスマキ節が炸裂。その温かさに癒される作品だった。

戯曲が全く売れず3ヶ月も家賃を滞納していた作家マルセル（アンドレ・ウィルム）は、アパートを追い出されてしまう。途方に暮れた彼は、なけなしの金で入ったレストランでアルバニア出身の画家ロドルフォ（マッティ・ペロンパー）と出会う。意気投合した2人はマルセルのアパートに向かうが、そこには売れない作曲家のショナール（カリ・ヴァーナネン）が入居していて、貧しい彼らは共同生活を始める。

売れない作家、売れない画家、売れない作曲家、揃いも揃って自分の才能に酔いしれているだけで、ちっとも認められない3人。同じ境遇の3人が出会ってしまえば、助け合って友情も深まるはず。かなり悲惨な状況なのに悲壮感が全く感じられないのは、やはり映像にカウリスマキの優しさが滲み出ているからだろう。

マッティ・ペロンパーもフランス語で熱演。そのロドルフォにミミという恋人が出来るのだが、ロドルフォは不法入国が発覚して国外退去になってしまう。半年後ロドルフォが戻って来て元の鞘に収まり慎ましく暮らし始めた2人だったが、ミミの体が病魔に冒されていることがわかる。

ロドルフォがカッコ良く決めてミミをお洒落なレストランに連れて行くが、途中電車で財布をすられて代金が払えない。そんな状態でも慌てず騒がす、淡々としていているうちに代わりに払ってくれる人が現れる。その男性を監督のルイ・マルが演じ、ロドルフォの絵を気に入って購入してくれた男性を俳優ジャン＝ピエール・レオが演じ、マルセルに雑誌の編集長を任せ資金まで出してくれたのがサミュエル・フラーというその脇役の豪華さに驚く。ロドルフォの絵を描いているのは、カウリスマキの妻で画家のパウラ・オイノネン、電車で財布をすったスリの手は、カウリスマキ監督本人の手が映し出されている。カウリスマキらしいエピソードの数々が物語により深みを持たせていると感じた。

生活は困窮し、運にも恵まれていない。それでもミミのために大切なものを売ってお金を作ろうとする3人の姿。エンディングに流れる篠原敏武さんが歌う「雪の降る街を」の哀愁込めた歌い方が心に沁みるラストだった