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罪と罰
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『罪と罰』に投稿された感想・評価

アキ・カウリスマキが26歳での初長編作品を鑑賞。

ロシアの古典文学『罪と罰』をモチーフに、物語を現代社会に置き換え、至極正統法なカットと構成に、既に確立された必要最小限のセリフ廻し、徹底的な虚無感とほんの少しのセンチメタリズム…。

……と、映画制作に携わっていた友達が熱く語っておりました…😅

…難しい事は良く解りませんが、確かに後年のカウリマスキ作品の作風と比べると、ラストで結実する主人公の圧倒的なニヒリズムは、ポツコンな自分にも強く感じて記憶に残る作品でした…。
7月13日は44歳の若さでこの世を去ったフィンランドの俳優マッティ・ペロンパーの命日。
生きていれば今年で66歳に。

カウリスマキ監督がドストエフスキー不朽の名作「罪と罰」を長編デビュー作として映画化し、
その初期時代から約10年間、カウリスマキ作品にて圧倒的な異彩を放ち続けたペロンパー。

ちなみに7月13日という日付は何の因果か、本編の主人公ラヒカイネンが凶行に及んだ日でもあります。

若干26歳のカウリスマキが現代のヘルシンキを舞台に「罪と罰」を描いた本作は、
孤独な主人公、貧困と犯罪、下層社会で芽生える愛、無表情で無機質な人々、色彩、音楽など、まさしく以後のスタイルを確立する原点に相当し、フィンランドにおける現代社会のプロレタリアート作品とも云えます。

かつてフランスの監督ロベール・ブレッソンも「罪と罰」を現代に置き換え「スリ」を制作したように、
シネマトグラフとしての可能性を大いに携えている「罪と罰」。

また本編の前半のプロットは、原作以上にメルヴィル「サムライ」へのオマージュとも取れる酷似性が見てとれます。

そんな「罪と罰」という普通に考えたら辛気臭くなっちゃう雰囲気を打開してくれる人物こそ、我らがペロンパーなわけです!
ラヒカイネンの仕事仲間として登場し、スープのくだりや英語のくだりや三輪車のくだりなど、とにかくペロンパーは毎度ツボ!

ペロンパーが醸し出す緩衝材のような独特の空気はやはり唯一無二であり、彼の魅力は今もなお色褪せることがありません。
それ故、彼の喪失は以後のカウリスマキ作品の印象を大きく左右するほど重要な存在になっていたのでした。
4.1
 異様な臭いの立ち込める食肉加工場、血の匂いに導かれやって来た下等な虫を、男は表情一つ変えることなく、ナタを振り下ろし真っ二つにする。無表情な男の毎日のルーティン。牛肉を切り落としながら、血抜きしていく。彼の白いエプロンは牛の血に染まり、赤黒い色に変色している。最後に床に流れ出た真っ赤な血を排水溝に流して男の仕事は終わる。だが先ほど血抜きしたはずのぶら下げられた牛の死体から、いつまでも血が流れ続けている。その日の帰り道、食肉処理場で働くラヒカイネン(マルック・トイッカ)は、実業家のホンカネン(オッリ・トゥオミネン)という男を射殺する。家に帰るはずがいつの間にか彼の姿はホンカネンの家の前にあった。ラヒカイネンが銃口を向けると、被害者の男は一瞬ギョッとしたような表情を見せるが、次の瞬間、胸から血を流しながら床に倒れる。即死だった。ラヒカイネンは茫然とした様子で被害者の椅子に腰かけているが、そこに若い女が買い物袋を下げて入って来る。ケータリング店の店員の女エヴァ(アイノ・セッポ)はこの日、パーティのために被害者の部屋へとやって来て、犯人と偶然鉢合わせてしまった。だが女はなぜか悲鳴の一つも上げることなく、「逃げて」という言葉を残して、男を逃してしまう。

 男は何かに導かれるようにやって来て、衝動的に罪を犯す。女は死体の転がった殺人現場で茫然と立ち尽くしながらも、犯人の男を逃がす。そこにあるのは男と女の視線の交差である。ラヒカイネンの目を一瞬見た瞬間、彼女は青年が根っからの悪には思えず、咄嗟に逃がしてしまう。そんなことをすれば、自身も警察に嘘を付かねばならず、犯人に後で殺される面倒なことにもなり兼ねないのだが、女には彼が殺人を犯すようにはとても見えない。案の定、ラヒカイネンは翌日からエヴァの働く姿を不安げな眼差しで見つめる。そのギョッとするような目を見て、女はますます彼のことが真人間にしか思えず、彼のアリバイ作りに加担して行く。刑事側も真っ当な刑事のペンナネン(エスコ・ニッカリ)で、彼をことさら問い詰めることもなく、状況証拠を集めながらラヒカイネンの懺悔の自白を辛抱強くじっと待つばかりだ。容疑者と被害者は3年前の事件で奇妙なつながりがあることが明かされ、他にミスリードを引き起こすような容疑者たる人物もいない。映画は専ら、寡黙で無表情なラヒカイネンの心の動きにじわりじわりとフォーカスして行く。逃げるだけの人生から脱却しようとした男を救うのは女の目線に他ならない。ドストエフスキーの古典文学『罪と罰』を現代劇に大胆に翻案したアキ・カウリスマキの堂々たる処女作である。

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