移民としてスウェーデンに来たルーマニア人の少女と、彼女が出会う地元の少女との友情、そして彼らを取り巻く移民や人種に関する残酷な状況を描く。

監督はスウェーデン人のヴィクトル・リンドグレーン。

スウェーデンの港町ホルムスンド。
ルーマニアから父と兄と移り住んできたサビーナは、彼らの車整備の手伝いをさせてもらえず、ゴミを集めてお金に変え、生活の足しにしていた。
あるときゴミ集めをしていた時、地元の少女エーリンと出会う。
精神的に病んだ父と暮らすエーリンは、どこか力強く自由なサビーナに惹かれ、二人は共に過ごすようになる。
しかし、町はサビーナや彼女の家族を快く思わない。面倒を持ち込む移民に対し、厳しい目そして嫌悪感を示すのだった。。

少女たちの友情は痛みと共に描かれながらも、その中で互いに影響しあいはぐくまれる絆がとても美しい。

難民問題、人種差別のテーマもあげつつ、2人の少女の心の交流が心を打つ、内容の濃い青春映画だった。
北欧の美しい風景も胸を打つ。

昨年の東京国際映画祭で監督のQA付きで観賞。

🎬ユース🎬
🇸🇪『約束の地のかなた』
《絆は貧富の差を越えることができるのか》

十代の少女サビーナは兄弟たちとルーマニアからスウェーデンの小さな町、ホルムスンドに移住してきた。ホルムスンド出身のエーリンと夏のはじめで知り合い、たちまち親友になる。しかし、移民や貧富の差、さまざまな不安が国を覆っており、それが2人の仲にも暗い影響を与えてしまう。

Q&Aでは監督とプロデューサーがご登壇。何故この作品を作ろうと思ったのかという質問に対し、「子供たちについてをテーマにした映画はこれまでにも撮ってきた。大人へ成る過程、つまり成長を撮りたかった」という正に「ユース」にピッタリな作品。しかし、テーマはとても重い。美しい国ではあるがそこには貧富の差・移民問題などがきっかけの「恐怖」が蔓延っている。日本に住んでいる我々も、人ごとでは済まされないはず。しっかりと受け止めねばなるまい。
そして、一年をかけて探した主演の2人の女優さんが素晴らしい。どのように2人が成長していくのか、ユース部門・若い人にこそ観て頂くことで、監督の想いは叶うはず。

鑑賞者:たけ

次回上映:11/04 [MON] 18:45- （本編87分） ✕

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スウェーデンのHolmsund（ホルムスンド）という町を舞台にした少女2人の物語。思春期を迎えた少女たちの危なっかしい感じ、片言の英語でのコミュニケーション、地元に感じる閉塞感、そういうのも含めて美しいと思った。
ラストがちょっと意外だったけど…

Q&Aで監督が言っていたが、「世界はグローバル化していて、知らない人に対する不安が生まれている。差別はひどいことだ」と。問題意識を感じる作品だった。

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