短い労働の日を配信している動画配信サービス

『短い労働の日』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

短い労働の日
動画配信は2025年6月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

短い労働の日が配信されているサービス一覧

短い労働の日が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『短い労働の日』に投稿された感想・評価

たむ
4.1
労働者のデモを起こされた側から描く作品です。
ポーランドの連帯運動が描かれるわけですが、労働者側からの映画はアンジェイ・ワイダ監督などがよく描いています。
キェシロフスキ監督がこの映画で書記の視点から描く事で、その上の階級の恐ろしさが強調され、共産主義構造の歪みがより深い部分で伝わってきます。

デモも起こされる側の視点で見ると、建物が囲まれていくシーンは怖いですし、上との板挟みは中間管理職的な葛藤があります。
当時、テレビ映画として製作されながら、検閲で放送禁止、キェシロフスキ監督が亡くなってから放送されたという曰く付きの作品で、そういう背景からも本作のテーマ、リアリティは伝わりますね。
adeam
3.0
既にフィクションへ進出していたキェシロフスキが架空の人物設定をしながらも実際の出来事に基づいて描く心理ドラマ。
共産党の書記を務める男が物価高騰に対する労働者たちのストとデモに直面し、その対処に苦悩と葛藤を巡らせる物語です。
通りの向こうからじわじわと押し寄せた群衆が暴徒化していく様をホラーのように演出し、そこに男の心の声がモノローグで語られることで、党員としての毅然とした態度の裏にある恐れや焦りが面白く描かれています。
結末は少し物足りない気もしますが、ドキュメンタリーで培われた生々しい迫力を画面に焼き付ける術が冴え渡っていました。
クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品。
1981年製作、「検閲により上映禁止。キェシロフスキ死後の1996年テレビ放送」(「封入ブックレット」『デカローグ Blu-ray BOX 初期作品集収録 特別版』p.32)。

こんなにも体制側のダサさと対抗勢力の“連帯”を現前するのなら上映禁止も納得である。それだけ変革を促す力があるし、体制に抗議する数千人の労働者を登場させるのは、制作面からみても凄いし、単にスペクタル性にも富んでいて素晴らしい。

以下、ネタバレを含みます。

本作は実際の出来事を元にした劇映画である。主人公はある男である。彼は体制側で順調に出世街道を歩き、県第一書記になった。しかし就任直後、党中央が食糧の値上げを発表し、労働者は不満を募らせていた。そして金属工場の労働者は、男のいる支部の前で抗議の集会をするために、就業せずに行進を始めたのだった。

体制側のダサさがなぜ映るのかと言えば、中間を撮っているからである。

男は行進の報せを受けて動揺する。本部に電話をかけて事態はどうなっているのか確認する。労働者がまだやってきていないのか窓を覗いてみる。動揺して歩き回る。けれど、日常の日課である時計のネジ巻きや魚の餌やりは変わらずやってみる。このような報せを受ける前の「平常」と労働者がやって来たから毅然と対応する「異常事態」の中間ー折衝の時間ーが劇として記録されているのである。

現実には確かにある時間。しかし一般的には、劇映画においてそこにドラマはないように判断されるから省力されるし、「異常事態」に対処している彼や時間を映した方がかっこいい。しかしキェシロフスキ監督は、その中間に、人物や出来事の「本当」が映ると確信したからこそ、カメラを向けたのだと思う。実際、男が拡声器の操作を予行する姿には、彼の周到さと臆病さ、だからこそ県第一書記になれた事情が窺える。

労働者が実際にやってきて集会する描写も素晴らしい。

彼らは支部の前で食糧の値上げを撤回するよう声を上げている。男は彼らの前に現れて、団交を始める。そして準備した拡声器を使って、党本部に電話して書記長に訴えを伝えることを提案する。彼らは受け入れるが、電話した証拠として3人の労働者を遣わすことを要請する。男はそれも受け入れて、実際に電話をする。

この駆け引きといい「本当」の団交の様子だと思わせられる。男は、食糧の値上げが党本部の決定で変えられないことは分かっているから、その手の内を明かさずに労働者もギリギリ妥協できる提案をしている。しかし労働者もその提案を完全には信用していないから、証人の派遣を要請する。このような二者の対立を折衝する「中間」に最も政治的なものが立ち現れており、「本当」を映しているのだ。

しかし、この提案が労働者を解散させることはなかった。労働者は暴徒となり、路上の車を横転させて燃やしたり、体制のスローガンを壊したり、支部に侵入することになる。男は労働者たちが絞首台をつくっていると思い込んで、いよいよ身の危険を感じる。そして押し寄せる大衆の波をかきわけて、支部から逃げるのだった。

ここまでみれば、労働者たちの勝ちである。だが本作は物語の構造上、男が1981年時点で、1976年の6月に起こった「暴動」ー本作で描出されるーについてテレビ中継する体を成している。つまり、この集会はかつて起こったこととしてあり、男は変わらずテレビ中継で映るほどには権力を保持しているのだ。このように回想として物語が展開することに、体制側の勝ちが示唆されているように思えてしまう。現に複数の労働者が治安紊乱罪で逮捕され、収監もされる。

ただなぜこの男がテレビ中継をするのかと言えば、“連帯”への説明に応じたためである。
そして1981年以降のポーランドを知っている現在にみれば、体制側が負けたと言わざるを得ない。後に“連帯”から首相が選任されたり、憲法が改正されるのだから。

本作がキェシロフスキ監督の生前に公開されなかったことは嘆かわしいことだが、自由化が起こり、鑑賞できる現在は非常に喜ばしいことだ。しかしポーランドーヨーロッパー世界はさらに混沌と化している。私たちはそんな中間に位置して映画をみている。

追記
初期作品をみるとキェシロフスキ監督は「中間・折衝」の監督だと感じる。中道左派的な印象。リベラルだけど、体制側と妥協して映画は製作したんだろうしーけれど我慢できなくて本作のように挑発的な描写もするー、物語でも主題となっている。またそれが劇と記録の二項対立を撃つことにもなっている。

蛇足
灰皿にある吸い殻をまとめる行為が、『スタッフ(下働き)』に続いてドキュメントされていて、監督の好きな行為なのかと思って面白かった。
あと拡声器を予行する描写で、「皆さん」と呼ぶ声が誰もいない道に響くのが何とも皮肉だと感じた。

前作の関連しない関連といえば、グララクが製靴工場で働いているのは面白かった。キェシロフスキ監督作品には、ロメクという男が度々登場するし、同名の他人同士という感覚の方が正しい気がするが。

驚きなのは、男が「ボーイフレンド」と発話して、男色家なのが明らかになることである。
詳しく調べていないが、同性愛は法律として禁止されているはずだから、なかなか挑戦的な細部だと思った。それもあって検閲に引っかかったのかもしれない。

『短い労働の日』に似ている作品

これがシノギや!

製作国:

上映時間:

90分
3.2

あらすじ

三流証券マンの湊真一はやくざの神竜会組長・緒方に株を売って損をさせ、補填しろと脅される。一緒に逃げようとしたOL美由紀にも裏切られ、会社の金庫に手をつけるがそれも見つかり遂には懲戒免職処分…

>>続きを読む

暴力団再武装

製作国:

ジャンル:

配給:

  • 東映
3.9

あらすじ

大工業都市化が約束された茨木県東島。菊名会は新たな資金源を確保するため、大幹部・若竹を東島に派遣する。利益の莫大さを知る舎弟頭・神崎はこれが面白くない。一方、東島を仕切る津金組らは、相手が…

>>続きを読む

プーチンより愛を込めて

上映日:

2023年04月21日

製作国:

上映時間:

102分
3.4

あらすじ

1999年12月31日、この日、ロシア連邦初代大統領ボリス・エリツィンが辞任した。彼は自身の後継者としてウラジーミル・プーチンを指名、3ヶ月後に行われる大統領選挙までの間、ロシアの新しい憲…

>>続きを読む

乱世備忘 僕らの雨傘運動

上映日:

2018年07月14日

製作国:

上映時間:

128分
3.7

あらすじ

僕が生まれる前、1984年に香港が1997年に中国に返還される事が決まった。2014年、香港にはいまだに民主主義はない。自分たちで香港の代表を選ぶ「真の普通選挙」を求めて若者が街を占拠した…

>>続きを読む

三里塚に生きる

上映日:

2014年11月22日

製作国:

上映時間:

140分
3.7

あらすじ

“空の表玄関”を称する成田国際空港の周囲では、機動隊による厳重な検問が現在もつづけられている。大型機が離発着を繰り返すA滑走路南端では、闘争遺跡“岩山要塞”が不気味な姿をさらしている。二本…

>>続きを読む