上海を配信している動画配信サービス

『上海』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

上海
動画配信は2025年7月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『上海』に投稿された感想・評価

kazata
4.0
爆裂大ヒット中国映画『八佰(英題:The Eight Hundred)』を見る前に、「日本視点の映画も見ておこう」と思って戦時下に作られた東宝製作の国策記録映画をウォッチ!
(あとはスピルバーグ監督作『太陽の帝国』を見ておけばいいかと…)

いや〜、映像による国威掲揚プロパガンダの典型例が随所に垣間見えて面白い!

例えば、上海にいる日本人の子どもに本土への感謝と「お陰様ですっかりここは安全になりました」と言わせたり、収容している捕虜にちゃんと食事を与えて「良い生活をさせていますよ」ってのを見せたり……まぁ当時の日本に限らずプロパガンダ演出の雛形ですよね。

そんな国策映画において、「いかに当局にバレずにリアルを表現するか」が当時の映画人の腕の見せ所だったはず!

序盤に"華やかな租界の風景"を映しておいて……からの"激しい市街戦を繰り広げて焦土と化した対岸=地元の街並み"を長々と映し出したり、上記の日本人租界の学校シーンで"校舎が攻撃されて修理しました"というカットを挿入しといて……からの「砲撃で廃墟と化した中国の女学校」を対比として見せたり。

極めつけは「中国の次は欧米が敵」と導いて共同租界への進駐を正当化する流れのシーンで、日の丸を掲げて&バンザーイと熱狂する人々よりも、黙って睨むように日本兵の行進を見つめる上海市民の方をクロースアップで見せてしまう……といった辺りでしょうか。

ソ連で映画を学び、後に"反戦映画監督"として逮捕&投獄されてしまう亀井文夫監督だからこその手腕がしれっと光る作品でした!
(まさにエイゼンシュテイン的なモンタージュ技法の産物だよね…)
(実際の撮影現場にいない亀井監督が、軍から渡された映像=意図的に撮られた素材の中から真実を見出して、軍の思惑とは明らかに異なる文脈で=言語に頼らず映像でリアルを表現してしまったのがお見事!)

"手に入れたもの"以上に"失われた何か"を描くことが大切なわけで……東京オリンピック2020の記録映画こそまさにその視点が大事だと思うから、今からでも遅くないんで河瀬直美監督はぜひ本作から学んで頂きたいっす!
(真逆なタイプっぽいから無理だろうな…諦)
日本占領下の上海の様子を伝えるプロパガンダ映画(実は反戦的な作品)。1937年12月にロケ。「戦ふ兵隊」(1939)の亀井文夫監督の出世作だが、本人は現場には行っておらず編集と構成演出を務めた。監督の撮影方針を受け現地でカメラを回したのは同作の三木茂。ナレーションは本作の企画者でもある弁士・松井翠声。

正題は「支那事変後方記録 上海」。支那事変により戦禍を被った上海の模様を中心に、街のいたるところに建てられた日本人兵士の墓が何度も差し込まれ、激戦と犠牲の大きさが強調されていた。爆弾三勇士墓標の場面をはじめ悲壮な曲調の劇伴は終戦直後の反戦映画を連想した。

一方、日本国旗の掲げられた上海都市部のビル群は明るい劇伴で紹介され観光映画のような雰囲気。テレビのない時代、上海を目にしたことがない日本の観客はさぞかし興味深く観たことだろう。フランスやイギリスの租界(外国人居留地)の様子が映像とナレーションで解説され、当時の複雑な国際事情も垣間見ることができた。

終盤にはフランス人牧師と中国の女の子を隣に日本軍への感謝を述べるインタビュー、そして中国の子供たちが「おててつないで」を合唱する。これにはあからさまなプロパガンダ色を感じた。土本典昭監督も著書「戦後映画の展開」(1987)で同様の指摘をし「何の批評の眼差しもないものだ」と書いている。

総合すると、日中両国の戦死者に追悼しつつ日本の占領を肯定するプロパガンダ作品との印象。

・・・だったのだが、千葉大学F氏による論文を読み大きく印象が変わった。亀井監督がソ連に留学しレニングラード映画技術専門学校でエイゼンシュタイン監督のモンタージュ理論を学んだことは周知だが、本作には亀井監督流のモンタージュ手法「1たす2の答えは観客が考えるものである。その答えを出すのに考える時間が必要だから、あまり意味のない余韻みたいなカットを3番目につなぐ」が随所で用いられていたのだ。論文によると、本作の中で墓標が映り込むのは計40カット、およそ10分ごとに差し込まれており、観る者に常に「死」を記憶させる意図があったと考察している。さらにラストの「おててつないで」については、この歌の本題名は「靴が鳴る」であり、次に来るラストカット“軍靴・銃を持つ兵士・犬の3S”の意味を見逃してはならないと指摘している。これには気付かなかったので唸ってしまった。本作はプロパガンダ映画の要件を満たしつつ作られた、問題提起型の反戦映画と言える。亀井監督恐るべし!
Omizu
-
【1938年キネマ旬報日本映画ベストテン 第4位】
山本薩夫との共同監督『戦争と平和』や『女の一生』などの戦後の作品も有名だが、それ以上に記録映画を多く制作した亀井文夫監督のプロパガンダ映画。ご本人の写真みると俳優?ってくらいのイケメンなんですよね。

まだ日本が優勢だった頃の上海を映した作品。紛れもないプロパガンダだが、空元気を演出するというよりは情緒に訴えるような感性が日本的な気がする。日本軍戦死者の墓碑を映したシーンが異様に多い。

子供をつかった演出があざとく、軍人たちのインタビューでは言わされている感が半端ない。

印象的だったのは日本軍のパレードのシーン。脇に並ぶ群衆を映し、彼らの大半は中国人や欧米人。ほぼ笑顔をみせている人はおらず、恨めしそうな目でにらんでいる顔を図らずも捉えてしまっている。これこそ記録映画。

戦争ドキュメンタリーというのに興味がないのであまり面白いとは思わなかったが、様々な趣向を用いた演出は上手いと感じた。プロパガンダ映画なので評価はしないでおきますが。

『上海』に似ている作品

沖縄の民

製作国:

上映時間:

97分
3.5

あらすじ

昭和十九年、沖縄に兵隊が続々送りこまれるなか、国民学校の児童たちは集団疎開としてツシマ丸で那覇から出港した。しかし船は魚雷攻撃で沈没してしまう。そして翌年米軍がついに本土上陸する。凄絶な砲…

>>続きを読む

バビ・ヤール

上映日:

2022年09月24日

製作国:

上映時間:

121分
3.9

あらすじ

大量虐殺の次に起きたのは歴史の抹殺だ 1941年6月、独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻したナチス・ドイツ軍。占領下のウクライナ各地に傀儡政権をつくりながら支配地域を拡大し、9月19日につ…

>>続きを読む

五人の斥候兵

製作国:

上映時間:

78分

ジャンル:

3.2

あらすじ

北支事変の初期。二百人の精鋭を半数まで失いつつも攻略を終えたばかりの一地点。藤本軍曹は部下四名を率いて敵軍の現状を探る任務に就いた。敵のトーチカを発見した斥候兵たちだったが、既に敵軍に四方…

>>続きを読む

中国侵攻作戦

製作国:

上映時間:

65分
3.2

あらすじ

本作のテーマは軍国主義日本の侵略に抵抗を重ねる中国の姿。名匠F・キャプラが満州国の建国から天津・北京占領、上海空襲、南京陥落、重慶空爆、そしてアメリカの援助で大反攻に転じるまでの中国と人民…

>>続きを読む