のんさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

4.0

散りゆく花の切なさ


あまりに過剰な色彩と特殊な演出に最初の20分で本気で映画館を出ようかと思ったが、この奇妙な映画が終わるころには慣れてくるのだから人間の脳は怖い。



予備知識なしのため何の映
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.2

カントリーロード♪

キレッキレのアクションと悪ノリが完璧な調和を生み出した前作はリアル路線が主流のスパイ映画に新風を巻き起こしスマッシュヒットを記録した。


その続編ということで、ハードルは高めの
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8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)

3.5

タイトル出るタイミングが完璧



どんな作品にも自然に溶け込む佐藤健の役者としての力は凄い。

対する土屋太鳳は持ち前の明るさを活かしながら難病に倒れるヒロインを熱演。



泣かせようとするポイン
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伊藤くん A to E(2017年製作の映画)

3.8

傷ついても前に進み続ける勇気

木村文乃、志田未来、佐々木希、夏帆、池田イライザと観ているだけで幸せな気分になれる点でいえば「海街diary」に近いともいえるが、不快指数は「彼女がその名を知らない鳥た
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

4.0

古典的だがテーマは現代的


「オリエント急行殺人事件」の結末は広く知られているためか、本作は犯人探しに重点をあまり置いていない。



監督兼主役のケネス・ブラナーはじめ、ペネロペ・クルス、ウィレム
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.9

煮え滾る魂の慟哭


ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品は、表面上はとても静かで詩的な世界だ。

が、キャラクターの内面は燃え上がる炎のように激しく、暴力的なまでの感情の噴出が観客の心をゆさぶる。
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

5.0


永遠の名作。


初めて観たのは10年前。

その時「10年後にもう一度観たい」と思った。



幸運にも劇場で観られる機会があり久しぶりの鑑賞。


青春の映画だとずっと思っていた。

でもそれだ
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GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)

3.8

圧倒的な絶望感


原案脚本を担当をした虚淵玄のストーリーはゴジラという存在がなくても普通のSFアニメとして機能している優れたものであるが、逆にいうとゴジラを登場させる必要性が薄い。原液を80倍くらい
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.4


ユーモアとスピードによるシリーズの継承と解体


「フォースの覚醒」に課せられた使命は、旧作のキャストを集結させ、ストーリーもビジュアルもそっくりそのまま受け継ぐことだった。


出来上がった作品の
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DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

4.2


映画の世界に浸れる幸せ



日常を忘れて映画の世界にどっぷり浸かりたい、というのが私が映画館で映画を観るひとつの理由だ。


山崎貴監督はそんな願いを本作で叶えてくれた。


一色夫妻のほのぼの不
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鋼の錬金術師(2017年製作の映画)

3.6

何かがおかしい


キャスティングはいい。CGと音響も悪くない。けれどもこれは決定的に何かを欠いている。


「ジョジョ」「銀魂」と熱烈な原作ファンを挑発し続けるワーナーの実写化ラインナップは、意外に
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.9


DCのマーベル化

「バットマンvsスーパーマン」は端的にいえば、全てがボリューム過多で、おまけにザック・スナイダーの作風がそれに拍車をかけ、結果的にとても重たい作品となった。


DCのクロスオー
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無限の住人(2017年製作の映画)

3.5

ぐちゃぐちゃ

サドスティックな趣味嗜好が高まれば高まるほど三池監督の映画は魅力が増す。

その面ではこの作品はかなり魅力的言えるが、肝心要の脚本が良くない。


とにかく場面のぶつ切りが2時間20分
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氷菓(2017年製作の映画)

3.7

原作を忠実に再現したコント



山崎賢人主演でアニメもされたヒット作を実写化となれば、それだけで多くの映画ファンにそっぽをむかれているのは想像に難くない。


くわえてヒロインを演じた広瀬アリスの逞
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

4.2

キング要素を全部乗せ


スティーブン・キング原作のホラー作品が全米で3億ドルを超える爆発的ヒットをしていると聞き絶対何かの間違いだと思った。


そもそもキングの映画で興行的に成功を収めた作品はほぼ
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.9


浮気する男なんて死ねばいいのよ


イヤミスの代表格である湊かなえが文章の構成やトリックで人を不快にさせるのに対し、沼田まほかるの小説は人間のじめっとした情念の様なものがまずあってそこにミステリとし
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.9

記憶と魂を巡る深淵への旅路


ストーリーやキャラクターについて何をどう書いてもネタバレになってしまうので、書くことは何もないのだが期待値を遥かに上回る傑作であることだけは疑いない。



オリジナル
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ミックス。(2017年製作の映画)

4.1

立てぇゴミ共!!倒れる時は死ぬ時よ!!


壊滅的な不器用さという点でいえば、私も本作の主人公と同じで、自分はガッキーではないという点を除けば非常に感情移入できる良いキャラクターだと思った。



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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.1

至高のゾンビエンタメ


日本では「アイアムアヒーロー」という秀作が誕生したが、時を同じくして韓国では「新感染 ファイナルエクスプレス」が生まれた。




両作ともアジア発のゾンビ映画、というだけで
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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

3.9


第一作へと繋がる本作は創世記、新世紀に続く前日譚の最終章となるが、冒頭から悲壮感しか漂っていない。



人類は絶滅寸前、シーザー率いる猿も森に籠っているという登場人物みなが満身創痍状態で、この物語
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亜人(2017年製作の映画)

4.3

アニメーション的スタイリッシュアクション


国産のアクションエンターテイメントと呼ばれるものはとかく野暮ったいイメージがあるが、本広克行監督がメガホンを撮った「亜人」は、明らかに世界水準を見据えた娯
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.8


ごちゃごちゃ言わずに観ろ


先日アメリカで封切りされた「ブレードランナー 2049」が大コケしたというニュースを観て私は心底げんなりした。


明らかに映画に対する愛が欠落した記者が書いた記事だっ
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.8

打ち上げ花火、下から燃やすか?口から爆破?


なんだかんだで一作目から順番にリアルタイムで観ている身としては、「ビヨンドが完結編では?」という疑問はさておき、バカヤローこのヤローが飛び交うあの世界を
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ザ・トライブ(2014年製作の映画)

4.1

鮮烈なる性と暴力のグラフィティ


台詞なし、音楽なし、吹替なし。

言語は手話のみという相当斬新な試みで作られている本作品は、そうした制約から中身としては少々退屈なアート系の作品だろうと踏んでいた。
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

4.2


楊貴妃、小野小町、クレオパトラ、オタサーの姫


いくら天下の東宝とはいえ、これだけ際どい内容の作品をメジャー作品として封切るというのは相当リスキーだったと思う。



後半の展開などはほとんどホラ
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.4

万華鏡サスペンス



ぼんやりとしたものが像を結び、やがて形が見えてくる。だが触れようとすると形は崩れ、実体のない別のものに変容する。




是枝裕和監督の「三度目の殺人」は極めて質の高いサスペン
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.9

些細な日常の異物感

宇宙人や侵略ものは巨大な生命体が都市を破壊する、みたいなパターンが定番な気がするが、本作「概念を奪う」宇宙人という設定が面白く、最後まで飽きずに観られる。


黒沢清監督は作品に
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ダンケルク(2017年製作の映画)

5.0

リアリティの極限

私の人生はクリストファー・ノーランによって完全に狂わされた。

あの時、「ダークナイト」を観ていなければ、きっと私は今ほど映画に対して熱い気持ちを抱いてはいないし、「インセプション
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.5


旅行先で映画を観るのが好きだ。



「旅行先まで行ってわざわざ映画を観る必要あるのか」と色んな人に言われるが、自分の生活圏内では観れる作品が限られているから、普段観ることのない映画を観れる大チャン
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トリガール!(2017年製作の映画)

4.3


興行的には空を飛ぶどころか2度と浮上できなそうな大爆死を遂げている本作だが、土屋太鳳のコメディエンヌとしての真価が発揮されていて予想以上の掘り出し作品だった。




個人的には土屋太鳳ちゃんを大ス
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関ヶ原(2017年製作の映画)

4.2

ハイテンポ時代劇

原田眞人監督の真価はスリリングな駆け引きにこそある。


「日本のいちばん長い日」然り、「クライマーズ・ハイ」然り、災害級の危機に直面した人間の手に汗握るドラマを演出するのが抜群に
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

4.2


DCの救いの女神

並み居る対策を蹴散らし、アメリカでは今年最高のヒットを記録している「ワンダーウーマン」はマーベル一強に傾きつつあるヒーロー映画の風穴をぶちあけるDC作品の起爆剤となるのかもしれな
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劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女(2016年製作の映画)

3.6


主人公のスーツがとてもダサい


いくらアニメ作品の公開が増えたからといって、テレビシリーズの予習なしに劇場版を観るのはあまりに無謀ではないのか。



そんなことを思いつつもSAOを同じく予備知識
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

4.0


人生とは「もしもあの時」の連続である。

1つ1つの選択肢に意味があり、可能性が無限に広がっている。




岩井俊二監督が1993年に発表した「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、テレ
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.9

メイおばさんが若い


果てしなく広がる様相を見せるマーベルシネマティックユニバースに、遂に大本命といえるスパイダーマンが参戦。


サム・ライミ版で3度、マーク・ウェブ版で2度の実写化を経て、3回目
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ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017年製作の映画)

3.8


実に奇妙な原作リスペクト


映画化の発表から既に原作ファンの怒りを買いまくっていた「ジョジョの奇妙な冒険」は、ビジュアル発表から公開に至るまで全てを叩かれているなかなか可哀想な作品である。


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