majiziさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ポーラー 狙われた暗殺者(2019年製作の映画)

3.5

はちゃめちゃなマッツ・ミケルセン主演作品。

といってもマッツは誰よりも落ち着いて哀愁漂う、もうすぐ定年な殺し屋のおじさまを演じてます。
それとは対照的に作品全体はポップというかコメディっぽい感じ。
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灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.0

『世代』『地下水道』に続く抵抗3部作。

負の連鎖が止まらないポーランドの悲しみが投影されています。

ドイツ敗戦が目前のポーランド。
共にナチと戦った過去を持つ、ポーランド労働者党書記シュチューカと
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地下水道(1956年製作の映画)

4.0

『世代』から続けて抵抗3部作の2作目。

ワルシャワ蜂起がテーマ。
ドイツ軍へ抵抗するもソ連からの援軍はなく、包囲されたポーランド兵たちは地下水道へと逃げ道を探る。

ずっと苦しい展開。
地下水道に移
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世代(1954年製作の映画)

3.5

アンジェイ・ワイダ抵抗3部作のひとつ。

ドイツ占領下のポーランドにおいて、レジスタンス活動にのめり込んでいく若者たち。

ストーリーはすごくシンプル。
若さゆえの愚かさ、恋、止められない衝動、戻れな
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

タイトルの通り『前途有望な若い女性』が壊されていく作品。

復讐劇と言われていますが、主人公キャシー(キャリー・マリガン)も親友だったニーナも、まさに人生を狂わされたという物語でした。

一見すると男
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.0

武士道を生きる殺し屋ゴーストドッグ。

恩義を感じ主人と決めた人間に対して忠義を尽くす。

見た目もリズムもヒップホップなゴーストドッグなのに『葉隠』に書かれた生き方を体現していて、違和感がないのがす
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

母親としての在り方。
誰かの普通も、社会の常識も全て虚構と思わせるような作り。

冒頭からサスペンス調。
何か起こりそうな雰囲気。

一人休暇を海辺で楽しむ主人公。
そこにヤンキー丸出しなうるさい大家
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この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

3.5

安心安全安定なトム・ハンクス主演。

約150年前。
入植者と南北分裂、ネイティブアメリカンとの確執による悲劇が進行形の時代に出会うふたり。

すごく予定調和だし結末までほぼ読める展開なんだけれども、
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めし(1951年製作の映画)

4.0

戦後、倦怠期をむかえた夫婦の物語。

女性の生き方って時代にもよるし、当たり前だけど何が楽で苦労なのかは人それぞれ。

家出をしてきた夫の姪がとにかく傲慢で無邪気。
若さゆえの無敵パワーがとんでもなく
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シルバー・スケート(2020年製作の映画)

4.0

Netflixオリジナルのロシア映画。

お金がたっぷりかかってそうな舞台、美術、調度品、衣装、CG。
めちゃくちゃ豪華で素敵な世界。

貴族と庶民という身分違いの恋という王道ストーリーに、1900年
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時の面影(2021年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦が始まる直前のイギリス。
遺跡発掘の物語。

私有地で発掘者がいるのに、世紀の発見と聞きつけるやいなや、ドカドカ勝手に入ってくる学者と悪名高き大英博物館。

イギリスの階級社会、権威主義
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ビースト・オブ・ノー・ネーション(2015年製作の映画)

4.0

アフリカ内戦で少年兵となったアグーの物語。

中東やアフリカでよくみる少年兵。
洗脳されていて大人たちよりも怖いもの知らず。
そんなイメージでしたが、生き延びるために選ばざるを得なかった道は心を破壊し
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消えない罪(2021年製作の映画)

4.0

途中までなんで自業自得なのにこんなに妹に執着してんの迷惑だろうがって思ってたら😭

前科者はやはりそうなるのか…とずっと辛い辛い描写が続き、最後までハラハラしました。

被害者家族、妹を養子として引き
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.5

地球滅亡しちゃうのに目先のこと、お金のことにばかり気を取られちゃうのは悲しいかな人間の習性。

コロナでもよくわかったけど、人間は過ちを繰り返す愚かな生き物。

恐竜みたいに何もわからないまま滅亡しち
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ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~(2019年製作の映画)

4.0

KKKの支部長エリスと公民権運動家のアンの友情を描く物語。

実話がベースなので結末はだいたい分かるんですが、どうやって真逆の思想の人たちが友情を築くのか、それが気になって観ました。

自分の考えを間
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.0

キングスマンの前日譚。
前2作を鑑賞してなくても問題なし。

第一次大戦を終わらすために活躍するオックスフォード公爵たちの物語。

ロシアの怪僧ラスプーチンやスパイ活動をしていたマタ・ハリなどが史実エ
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プルートで朝食を(2005年製作の映画)

4.5

捨て子でゲイの青年が自らのアイデンティティを求め、アイルランドからロンドンへ生みの母親を探す旅へ。

キリアン・マーフィといえばドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』のトミー・シェルビー役のイメージが強い
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.5

始終不穏な空気と音楽。
ラストまでどうなるか緊張感たっぷりで、とても面白かったです。

主要な登場人物は4人。
モンタナの牧場を共同経営する兄のフィンと弟ジョージ。
ジョージが結婚するローズと彼女の連
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過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道(2020年製作の映画)

-

写真家森山大道のドキュメンタリー。
なんだけど、ドキュメンタリー作品としてはうーん。

菅田将暉のオープニングがちょっとなんだっていうのと、プロフェッショナルみたいな字幕がやり過ぎてた。

やはり御本
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美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.0

出だしから不穏な空気。
姉弟がオーストラリアの砂漠でさまよいながら、アボリジニの少年と出会う物語。

60年代〜70年代のいわゆるカウンターカルチャーの影響下にある、西洋文化の見直しと東洋やネイティブ
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(1974年製作の映画)

4.5

物語らしい展開はあまりなくて、監督が投影したであろう主人公の子供時代の記憶、母親の記憶、時代の記憶が重なります。

そこに今の時間や、主人公の妻や子供の描写も入ってくるため若干わかりにくくもあり、それ
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浅草キッド(2021年製作の映画)

4.0

夢をみていたころというのは、全てがキラキラしています。

お金がなくても、仕事がなくても夢だけで生きていける瞬間がある。

成功とお金を掴んでも二度と戻らないあの時間。

振り返れば、あの頃はどれほど
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デッドマン(1995年製作の映画)

4.0

ジム・ジャームッシュが撮る西部劇。

はみ出し者が二人が出会い、死者の旅へ。

追っ手に立ち向かう中で、どんどんジョニー・デップが本物のお尋ね者のようになっていく。

同時に心ここにあらずな、魂が抜け
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乱れる(1964年製作の映画)

4.5

このオチについてどう解釈したら良いのか心臓がドキドキしました。

最後はこっちまで同じ表情になって
突然のどデカイ「終」!!

半年の結婚生活で夫は戦死。
嫁ぎ先の酒屋を一人で切り盛りしてきた礼子(高
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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年製作の映画)

3.5

死刑廃止論、冤罪にまつわる物語。

とても見応えのある作品でした。

考えれば考えるほど、どうするのがいいのか答えは簡単に出せません。

死刑が極刑とはいえ薬で一瞬で死ぬならそれは苦痛なのか?
終身刑
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

認知症という悲劇。

周りの家族たちは傷つき、心身ともに疲労するばかりだけど、きっと本人はもっと怖い世界に住んでいる。

アンソニー・ホプキンスの演技に尽きる作品。

時にチャーミングで、時に険しく、
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弱くて強い女たち(2020年製作の映画)

3.5

20年も家に帰ってこなかった父親の死によって、それぞれが向き合うことになる母と三人の娘たち。

葬式って故人のためというより、周りの生きている人たちの心に区切りとして存在するのかなと思いました。

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ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野(2021年製作の映画)

2.0

黒人たちの復讐モノ西部劇。
音楽重視、MVを観てるようでした。

前半はまだ良かったけど脚本がすっごく荒くて、この長尺に相応しくないつまらなさでした。

見せ場の銃撃戦は戦略なしの出たとこ勝負だし、全
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.0

まるで安寿と厨子王…

でもこれは決して1000年以上の昔話でも寓話でもない海の向こうの現実。

アウシュビッツ収容所での体験をヴィクトール・フランクが書いた『夜と霧』そのもの。生々しく、非情で残酷。
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

5.0

何もかもが悪の美学にあふれていて毒気にやられる作品でした。

ナチスを題材にした映画は山ほどありますが、それを単に断罪する社会派ドラマというわけではなく、それをとりまく全ての人間の業が焦点でとにかく凄
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若者のすべて(1960年製作の映画)

4.0

原題は「ロッコとその兄弟」

イタリア南部の田舎町から未亡人である母と4人兄弟が、長男の住むミラノへやってくるところから物語は始まります。

イタリアママンの愛情深さと、貧しいながらも兄弟たちの頑張る
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家族の肖像(1974年製作の映画)

3.5

序盤、教授の家がのっとられるのかとハラハラしていたがそうではなく、もっと厄介な家族がやって来る物語。

あらすじは…
ローマの豪邸にひとり静かに家族の肖像画に囲まれて暮らす老教授。そこへブルモンティ夫
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.5

バレリーナだったドミニカは怪我により将来を断念、病気の母親のためにスパイになるという物語。

戦術はハニートラップ一択!
スパイ養成学校の授業も下半身にまつわることばかりでめちゃくちゃです。

そして
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サンタクロースになった少年(2007年製作の映画)

3.5

心温まるクリスマス映画🎄

孤児のニコラスがサンタクロース🎅にいかにしてなったのか。

村の人たちがみんな優しい!
ニコラスがどんどん大人になるので話の展開が速い。

でも実際に人生はあっという間だし
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イノセント(1975年製作の映画)

3.5

なにがイノセント!!

貴族の人たちの浮気や不倫ってこんなに公然としていたんですかね。

まあそんなことはどうでもいいんですが、ラストまでなんやこの夫は、という感想にしかなれませんでした。

妻に嬉々
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流れる(1956年製作の映画)

4.0

零落する芸者置屋の内実を描いた作品。

成瀬監督は本当に女性の描き方がうまい。

たとえそれが社会や時代の荒波の中で厳しいものでも、憐憫の目でも上から目線でもなく客観的なところがいい。

置屋には通い
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