majiziさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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静かなる決闘(1949年製作の映画)

3.5

戦時中に野戦病院で働いていた藤崎は、手術中の不注意により患者から梅毒をうつされてしまう。

戦争が終わり婚約者に真実を告げられずに結婚出来ないと突き放すも、諦めずに食い下がる彼女。

産婦人科の開業医
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透明人間(2019年製作の映画)

3.0

透明人間という題材から、どうやって透明になるのか楽しみにしてたのですが、そこは案外あっさりしていました。

透明人間要素が入ったDVから逃げる女性の物語。
ホラーというよりもサスペンス。

同棲してい
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

3.5

戦争はどこをどう切り取るか誰の視点から見るかで、はてしなく物語がある。

ドイツ軍から描いた作品。
必ずしもナチスに与しない軍人もいたり、ありがちな自軍内での内輪揉めなど。
階級差や地方の気質。
同性
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

4.0

一人っ子政策という社会制度に翻弄される家族の物語。

一人息子を事故で亡くした夫婦を中心に、80年代から現代にかけての中国における様々な瑕疵をまざまざと見せつけられます。

国営企業で働く仲間たち。
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.5

連続殺人鬼の「ゾディアック」を追う3人の男たち。

刑事、新聞記者、風刺漫画家。

犯人から新聞社に送られてくる暗号、電話でのテレビ出演、社会を挑発し翻弄しながら殺人が続いていく。

彼らはゾディアッ
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

4.0

美を追求する作曲家が出会ってしまった真実の美。
それが生身の人間で、少年という衝撃。

彼らは直接的に接触するわけではなく、ずっと主人公が美少年を眺めながら戸惑い、葛藤し、歓喜する様子をこちらが垣間見
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愛の嵐(1973年製作の映画)

3.5

愛について。

環境や条件に左右されないように思えるけれど、そんなのはきっと建前。

ただ性愛や禁忌に酔いしれているだけにも見えるけれど、お互いがそうなら幸せなのかな。

この上なくハッピーエンドにも
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ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.5

終盤までミスリードで引っ張るサスペンス。

最後まで見てその展開はさすがに予測出来ないわーと思いつつ…

真実よりも妻の毒吐きジョークが最悪レベルで(しかも何回も)

キャラ立て過ぎてストーリーもなか
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話の話(1979年製作の映画)

4.0

ノルシュテイン傑作選⑥

約30分あるものの、ストーリーは監督の幼少期の体験がベースというだけあって、記憶の断片的な作品。

家族、赤ん坊、戦争、オオカミ、ウシ、子どもたち、りんご、カラス…

どの部
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霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.5

ノルシュテイン傑作選⑤

ハリネズミのヨージックが子グマのお家に行く途中、霧の中で不思議な体験をする。

子グマのお家でお茶を飲みながら一緒に星を数えるという約束が可愛い。
ヨージックの手荷物が可愛い
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.0

ノルシュテイン傑作選④

「なんで断っちゃったんだろう!」

お互いを意識しているのに、素直になれないアオサギとツル。

とにかくタイミングが合わない。
素直になれば、相手の気はもう変わってる。
いつ
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.5

ノルシュテイン傑作選③

かわいい童話の世界。

ウサギがお家をキツネにのっとられてしまいます。

泣いてるウサギを助けようと、オオカミ、クマ、ウシが現れますがスカートをはいたキツネが思いのほか凶暴か
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ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.5

ノルシュテイン傑作選②

中世に描かれたフレスコ画が動き出す。

描いた画家は、こんなふうに見えていたのか?

戦争作品。
まるで美しく煌めく世界と破壊される世界。
音楽の力が壮大。

これは切り絵?
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25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.5

ノルシュテイン傑作選①

革命こそ正義、社会主義万歳!
ソビエトというお国のために作られた作品。

音楽の効果的な使い方。
台詞は終盤にだけ、メッセージ。

この時代に生きていたら、この理念こそが理想
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召使(1963年製作の映画)

4.0

乗っ取りなのか、共依存なのか。
主人と召使いの物語。

先が読めない展開でした。

貴族である主人の婚約者もいけ好かない女だし、召使いの妹もアバズレビッチ炸裂だし、とにかく登場人物はみなおかしい。
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残菊物語(1939年製作の映画)

4.5

明治初期を舞台にした身分差のある男女の悲恋。

長回しのシーンが多用され役者のアップはほぼ無く、陰影の濃い画面が続きます。

歌舞伎の表舞台や楽屋の様子、家屋や汽車の空間の切り取り方などが素晴らしく、
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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.5

神の意志への問いかけ。
普遍的なテーマにアメリカの無意味な戦争、環境問題を盛り込んで主人公トラー牧師の苦悩を描く。

画角は小さめでオープニングのクレジットのフォントなど、どこか古さを感じさせる作り。
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独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)

4.0

架空の国を舞台にした独裁者と孫の逃亡劇。

ある日クーデターが起き、彼は孫と国内に取り残されてしまう。

どこか寓話的なのに、始終シビアな展開。

独裁者一人を殺すことで全てが解決するほど世界は単純で
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噂の女(1954年製作の映画)

4.0

溝口監督お得意の花街に生きる女たちの物語。

最後の帳尻合わせが、これは男が望む世界だなと感じる。

結局は可哀想な女たちを上から目線で(しかしそれは無意識に)気の毒なふうに描くことに長けている監督な
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誰かの幸せ(2020年製作の映画)

3.5

フランスの会話劇。

レアは恋人のマルク、幼なじみのカリーヌとその夫フランシスの四人組で仲がいい。
ある日レアが小説家デビュー、著書が売れて成功。彼女の成功で4人のバランスが変わっていく…という物語。
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バッド・エデュケーション(2019年製作の映画)

3.5

ニューヨーク州のロズリン学区を全米4位の学区に導いた功績を持つ教育長には裏の顔があった、というストーリー。

表の顔は有能で善良な教育長のフランク。
同僚や保護者、生徒たちからも信頼が厚い絵に描いたよ
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テルマ(2017年製作の映画)

4.0

少女から大人へ。
自我の目覚めがテーマの作品。

あらすじは
ノルウェーの田舎町で厳格な両親のもとで育った少女テルマには、なぜか幼い頃の記憶がない。オスロの大学に通うため一人暮らしをはじめ、同級生アン
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

3.0

とても美しい映像作品。

ただ全てが清潔で、ひたすら綺麗で何もかもが21世紀過ぎました。

脚本はちょっと散漫で、群像劇特有の登場人物たちの個性が弱く、人間ドラマもどこか薄め。

歴史的に観て大惨事の
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ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

3.5

ゾンビ禍映画。

ストーリー展開が早く、ゾンビは敏捷性と凶暴性が高くおびただしい数で迫り来る。

ゾンビに対抗するため、ほぼ無敵で不死身なお父さんのブラピは大車輪の活躍を見せます。全知全能たる神のよう
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コーラス(2004年製作の映画)

4.0

純粋な美しさを感じる作品。

素質を見抜き、それを伸ばしてくれる恩師に出会えるという幸福。

冴えない中年男性マチューは、親を失くしたり素行が悪く親元を離れた子供たちが暮らす寄宿舎に舎監として赴任する
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

うーんこれはとても難しい…

反政府組織が拠点としていたアレッポの惨状は筆舌に尽くしがたく、そこで生きる人々の生活は生活ではない。

主人公がアレッポで伴侶を見つけ子供を産み育て、トルコに逃げる選択を
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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

3.5

シリア内戦の混乱に乗じてイスラム過激派組織IS(イスラム国)がシリアの都市ラッカを制圧。

ラッカ在住の若き青年たちが匿名のジャーナリスト集団(RBSS)を結成。

彼らが故郷を取り戻すため、ISに対
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地下室のメロディー(1963年製作の映画)

3.5

オープニングから聴きなじみのある有名な音楽と、スタイリッシュなクレジット。

とにかく渋い作品でした。

刑務所から出たばかりの老ギャングのシャルル(ジャン・ギャバン)が、青年フランシス(アラン・ドロ
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.0

わたしはあなたで、あなたはわたし。

グロテスクな生と死の宗教観のショットから始まります。

失語症の女優エリザベートと、彼女を世話する看護婦アルマ。

海辺の別荘で療養生活、ふたりきり。

話さない
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あの胸にもういちど(1968年製作の映画)

3.5

ビジュアルがひたすらに効いてる、その分中身はスカスカ!

マリアンヌ・フェイスフルの全裸にライダースーツ。
もうこれだけで全ての元を取れるので余計なものは要らないのです。

新婚なのに結婚前に関係をも
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安珍と清姫(1960年製作の映画)

3.0

『安珍と清姫伝説』の映画化。

気が強くて傲慢な清姫(若尾文子)が、美しい僧侶の安珍(市川雷蔵)をずっとストーカーする物語。

私になびかないとは気に入らない!と、清姫は当初そんな気持ちで安珍を誘惑す
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.0

87分という短さで、争いの虚しさと歩み寄りの大切さがギュッと凝縮されている秀作。
一切の無駄が無いシンプルな作品でした。

あらすじは…
アブハジア自治共和国でみかんの栽培をするエストニア人の集落。
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白い朝(1965年製作の映画)

3.5

カナダの国立フィルム・ボードが企画した、4ケ国合作オムニバス『思春期』の中の日本篇。

製パン工場の女子寮に住む16歳の少女・アコの日常を描いた、ドキュメンタリー・タッチの短編」


戦後生まれの若者
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かもめ(2018年製作の映画)

3.5

嫉妬は人生を狂わす。

チェーホフの戯曲が原作。

文化と芸術に傾倒し、常に無い物ねだりな人々の憂鬱。

幸せの定義のハードルが高くて、誰もが不満そう。イジイジ…卑屈。

恋愛はきっと一時的な感情の昂
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.5

始終不気味なサイコサスペンス。

幼稚園の初日に、預けた娘が消えてしまった。

登場人物はみんなどこか怪しげで気難しそう。
母親もずっと情緒不安定。
警察もなんだか不親切。

娘は一体どこへ行ってしま
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燃えつきた地図(1968年製作の映画)

4.0

勅使河原宏×安部公房の失踪3部作のトリは、勝プロ製作・大映配給のカラー作品。

主役はもちろん勝新太郎。

ここまでくると『砂の女』『他人の顔』と毛色は変わるのかと思いきや、オープニングのサイケデリッ
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