majiziさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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あなたと私の合言葉 さようなら、今日は(1959年製作の映画)

3.0

市川崑の小津作品へのオマージュ?
母を亡くして残された父と娘たち。
嫁にいく、いかないという物語。

一方通行の恋がたくさんあって、何でそうなるの?というスピード感。
友達に大事なことの代弁を頼むのは
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.0

些細な言い争いがきっかけで自分たちのコントロールを超えてしまい、国家問題にまで発展する物語。

舞台はレバノンのベイルート。

キリスト教徒のトニーと、パレスチナ人のヤーセルがアパートのバルコニーでの
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おとし穴(1962年製作の映画)

4.0

死人が幽霊になってうろちょろする作品。

間違えて殺される男。
なぜ自分が殺されたのか。

真相に迫ろうとするも、死してなお真実にはたどり着けないという不条理。

1960年代の社会的背景、過酷な労働
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もうひとりの息子(2012年製作の映画)

4.0

湾岸戦争の混乱期、赤ん坊の頃に取り違えられた息子たち。それぞれの家庭はイスラエルとパレスチナだった…

どうするの?
どうなるの?

ずっとそう思って観ていました。

ただでさえ肉親では無い家庭で育っ
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他人の顔(1966年製作の映画)

4.0

アイデンティティとは。

事故で顔を大火傷してしまい、精巧なプラスチックの仮面をつけることで「他人」になりすます男の物語。

そのまま他人として妻を口説いたり、行動も言動もどんどん変化していく。

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彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

4.0

とても切ない恋愛作品。

あらすじは
ベルリンのカフェで働くケーキ職人のトーマスはイスラエルから出張でやってくる常連のオーレンと恋仲に。
オーレンには妻子がおり、また来月と言い残してイスラエルに戻った
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あらくれ(1957年製作の映画)

4.0

大正時代、女性の地位が低い社会情勢において、自分に正直な気性が荒い女性・お島をデコちゃんが演じています。

男によって変化する生き様。

でも男に翻弄されるのではなく、自分で道を選んでいく。

なんと
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エイブのキッチンストーリー(2019年製作の映画)

3.5

すごくライトに作っているけども、複雑極まりない話。

イスラエル系の母とパレスチナ系の父を持つブルックリンで生まれた12歳の少年エイブ。
ある日、世界各地の味を掛け合わせて「フュージョン料理」を作るブ
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.5

前半は海兵隊の過酷な訓練。

有名な鬼軍曹ハートマンと、ほほえみデブ。彼らの演技力に脱帽。

後半はベトナムでの実戦。

だいたいみんな狂ってるけど、
ミッキーマウスマーチの合唱と
ローリング・ストー
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オルフェ(1950年製作の映画)

3.5

ギリシャ神話のオルフェウス伝説を現代を舞台にした作品。

死の世界から帰る途中、決して妻を見てはいけないという日本の神話にもある物語。

人間も死の世界の住人も恋に翻弄されるという顚末。

それにして
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エデンの東(1954年製作の映画)

4.5

ジェームズ・ディーンの演技力と存在感が作品の全て。

何回みてもどうしてそんなに早く逝ってしまったの?と何度も何度も思う…

物語は旧約聖書のカインとアベルをもとにした小説で1910年代が舞台。

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東京おにぎり娘(1961年製作の映画)

3.0

けっこうしんみりとする人情物語。

でも世の中のおじさんが夢見る

“どこまでも可愛くて爽やかで良い娘”

という設定がちょっと…ツマンネ。

こんな子は現実にはいないし、あややには全然似合わないんだ
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ホワイト・ストーム(2019年製作の映画)

3.5

香港映画に細かいところを求めてはいけない。

ルイス・クーの顔が私の知ってるルイス・クーでは無かったり、裏社会のおとしまえがいつのまにか日本流になっていたり、でも中華包丁🔪でやるので指は…

叔父貴役
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.0

老いや死に直面すると、自分でもびっくりするような行動に出たり
もろくて弱く、過去を偲ばずにはいられないのだと思う。
しかもまだ乗り越えられていない、くすぶっている事柄ならば・・・

作品内はとにかくオ
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

4.0

古典ホラー作品。

旅まわりの見世物小屋(サーカス一団)を舞台にした物語。

実際に見世物小屋のスターだった身体障害者の方たちも配役されており、彼らの演技力にはびっくり。

そして悪女クレオパトラ役の
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

1960年代という世界が革命に揺れていた時代、日本も御多分に洩れずインテリは左翼化。

というよりも、左翼こそがインテリなのだという自負があったのでしょう。


学生運動は安田講堂事件で多数の逮捕者が
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ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

1.0

悪趣味レベルを超えたドキュメンタリーという体をとったタチの悪いヤラセ。

少し前にニュースを騒がせた、あおり運転で逮捕された危険人物の横暴かつ意味不明なドラレコを見ているかのようでした。


奥崎も戦
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大地のうた(1955年製作の映画)

4.0

心になんとも言えない辛さが残りました。

あるインド人一家の物語。
息子オプーの目線で進みます。

貧しさゆえの、貧しさからの…
という非常にシビアなストーリー。

淡々としてどこかドキュメンタリーの
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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

4.0

映画に愛を込めて、すべての映画を愛する人に捧げたかのような作品。

スクリーンから憧れの映画俳優が飛び出して、現実の世界と入り乱れだしてしまうというラブコメがどんなふうに着地するのかと思えば…


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情婦(1957年製作の映画)

4.0

原作アガサ・クリスティ
脚本・監督ビリー・ワイルダー

もうこれだけで面白いのはわかるのですけど、それに加えて俳優たちの演技が素晴らしい。

テンポの良さと、洒落た会話が進み怒涛のラスト。

シンプル
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私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

3.5

SNSで若い女性になりすまし、元カレの友達に近づくクレール。

最初の思惑とは異なり、その世界にどんどんハマっていき…というありがちなストーリーかなと思ってたら、後半から急展開。

ミステリーともサス
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ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

3.0

すごく綺麗な人たちが、とても美しい情景の中でずっとよくわかんない恋愛模様。

時系列もちょっとぐるぐるしたり、有名人がたくさん出てきて思わせぶりなセリフを残していく。

ストーリーは無いから、わたしの
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砂の女(1964年製作の映画)

4.5

たぶん多くの人が漠然と抱えているような不安を
安部公房という作家は明確に文章化できて
しかもそれが読み手にはとても気まずくて
後ろめたい気持ちになるような表現で
わかるようでわからない、
でもわかる・
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早春(1956年製作の映画)

4.0

倦怠期の夫婦。
夫が不倫する物語。

ドロドロするわけではないので、やけにリアル…

戦争で生き延びても、サラリーマンとして働くことや夫婦の生活はどこまでも現実。

そこに可愛い女の子が慕ってきたらと
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イーダ(2013年製作の映画)

5.0

美しい作品でした。
1960年代のポーランドが舞台。

若い修道女アンナが、叔母と共に出生の秘密を巡り「イーダ」としての自分のルーツを探す旅。

モノクロでスタンダードの4:3
完璧なまでの構図。
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カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.0

デコちゃんがストリッパーとして成功し、故郷に帰るリリィカルメンを演じます。
そりゃ村は大騒ぎです。

日本映画の初カラー作品。
大自然の豊かな風景と色彩。
すごく空気が美味しそう。
とても画面がきれい
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稲妻(1952年製作の映画)

4.0

デコちゃんの清楚さが全開。

こんなに迷惑ばかりかけてくる家族に囲まれつつ、自立して頑張るお嬢さん。

兄姉たち、みんなオトンが違うって…笑
オカンの生命力を感じます。

でもそうやって当時女性は誰か
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カップルズ(1996年製作の映画)

3.5

原題は「麻将」日本語の漢字だと麻雀。

4人の青年を中心とした物語。
同じところに住んで、大人を騙してお金も自由も手にしてなんでも共有する彼らは、寝る女の子までそう。

でもいつまでもこの関係が続くか
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東京物語(1953年製作の映画)

4.5

紀子3部作のトリはご存知、東京物語。

こんな時代から社会はすっかり変わってしまっていたことを描く。

子供たちが東京という都会で基盤を作って必死に生きていくうちに、親とはズレていく時間。

嫌いでも
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

3.5

人間に善悪はあるようで、そんな目に見えてわかる程の単純な人はいなくて、たぶんそれぞれがそれなりに幸せや悩みと一緒に生きている。

緻密に計画して動いたはずなのに、あれよあれよと人生が傾いていく。

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怪談(1965年製作の映画)

4.5

小林正樹監督、小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)原作。

四つのオムニバス作品。

「黒髪」「雪女」「耳無芳一の話」「茶碗の中」

物語はおなじみの古典なので、特に目新しさはありません。
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第七の封印(1956年製作の映画)

3.0

眉毛のない死神にストーカーされる騎士。

10年も十字軍遠征に行って帰ってきたら故郷ではペストが流行し、魔女狩りが横行していた。

神の存在意義への問いかける中世が舞台。

チェスを挑んで時間稼ぎをす
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スキャンダル(2019年製作の映画)

4.0

ルッキズムな世界でのセクハラ、パワハラ問題。

男女問わず、被害者に対しては同情的な人もいれば攻撃的な人もいるという構図。

「どうして声をあげなかったの?」

「私は拒んだのに、彼は使い続けてくれた
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処刑の部屋(1956年製作の映画)

2.5

石原慎太郎原作、市川崑監督。

当時は太陽族などという言葉が流行したとか。

これはまさに若い作者が描いた若者も衝動。

でもご本人といえば、インテリな高学歴で長身のイケメン、実家は裕福で才能ある人と
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.5

思っていたよりもずっと深いお話でした。

生きることの自由と不自由。
勇気と素直さ。

思い出にしたいもの、したくないもの。

地球の美しい奇跡を見て
例えばツバメのねぐらへ帰る様子など
もう十分よ、
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活きる(1994年製作の映画)

4.0

中国の国共内戦1940年代から共産党による建国、大躍進運動、文革と激動の時代を生きるある家族の物語。

社会の変化に悲劇も喜劇もないまぜであり、友情も家族もかき回され、とにかく何があっても活きろ、が信
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