majiziさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

3.5

精神を病んだ娘をとりまく3人の男たち。

彼女の父、夫、弟は表面的には優しい。
でも実際は自分勝手で、ひどい人間たちのようかに映ります。

献身的に介護したり心のケアをしていれば、それが正解で理想的な
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ダニエル・クレイグ版、有終の美。

シリーズとしては、彼のちょっと陰りのある人間くさいボンド像がとても好きです。

007としての伝統を踏襲しながら、型破りな脚本に挑戦するのは賛否両論あったかと思いま
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千年女優(2001年製作の映画)

4.0

誰かを想い、全身全霊をかけて一生追いかけるのは究極の幸せ?

最後の台詞

「だってわたし…」

その思いと共に宇宙に飛び出し、時間も空間も超えていく。

女優という虚構の世界で生きた千代子。

駆け
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獅子座(1959年製作の映画)

3.5

働かないおじさんの暑い夏。

おばの遺産を相続できるとわかり、仲間たちを自宅によんで早速パーティーをしてはしゃぐピエール。

ワイは獅子座やねん
獅子座は太陽に支配されてるねん
ワイのアセンダントには
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.5

痛快娯楽時代劇の頂点に立つ傑作。

登場人物の設定、性格が素晴らしい。

雪姫の話し方と立ち方の癖!
ちょっとヘタすぎて大丈夫なの?と心配するも、最後までみると結構これで良かったと思えます。

三船敏
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M(1931年製作の映画)

4.0

サスペンスの名作。

ベルリンで連続幼女殺人事件が発生。
警察は犯人をなかなか捕まえることが出来ない。

そこで立ち上がる市民とマフィアたち。
彼らは自分たちで犯人を見つけようとする。

キーとなる盲
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しあわせの百貨店へようこそ(2018年製作の映画)

4.0

1950年代のオーストラリア。
クリスマス商戦で沸き立つ百貨店。
そこで働く女性たちの物語。

彼女たちが着る黒いドレス。
一人一人、少しずつ異なるデザインの制服が、それぞれの個性を表していて素敵でし
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(1966年製作の映画)

2.0

効果音の使い方が煩いし下手くそ。

一番腹が立ったのは
おじさんの「ふぁー」って
あくびの声。
びっくりした。

森鴎外って文豪と呼ばれているけれど
こんな辛気臭くてねちっこい
通俗的な恋愛ものを
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午後の網目(1943年製作の映画)

3.5

実験的映画。

繰り返されるは夢。

いつのまにか悪夢で、現実?

すごくアバンギャルド。

出てくる小物がとてもいい。
一輪の花、鏡、鍵、電話、レコード。

突然海へ行ったと思ったら
自分が三人に増
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カティンの森(2007年製作の映画)

4.0

ポーランドの悲劇、カティンの森事件を題材にした作品。

ポーランドは第二次世界対戦でドイツに占領され、ドイツの敗戦後はソ連の共産圏支配下に。

戦時中にソ連の捕虜となったポーランド将校たちがカティンの
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シェイクスピアの庭(2018年製作の映画)

4.0

すごく地味ですが思いのほか良作。

シェイクスピアは好きでも詳しくもありませんが、とても重厚で映像がとにかく美しい。

単にシェイクスピアが晩年、断筆後にロンドンから家族の住む町へ戻り、庭いじりするだ
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

5.0

ディレクターズカット版は初めて観ました。

熱量が圧倒的です。

まず、音楽はもちろんモーツァルトなのでこれだけで作品の全てが語られます。

それを引き出した巧みな脚本。

宮廷作曲家サリエリのモーツ
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.0

ルールや規律に疑いも持たず、ましてや自分が好んでそれらに縛られていることに気がついてしまったら…

人間にとって必要なのものとは。
自由とは。

最大多数の最大幸福って?
そんなことを考えてしまいます
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.5

スリになってしまう青年ミシェルの心理的内面を描いた作品。

貧しいことから、何やらあまり罪悪感はなくスリをはじめます。
手先が器用で家で真面目に練習もします。

そのうちプロからスカウトされ、集団での
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世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.5

じんわりと優しい作品。
美味しいものは人の心も体も救う。

フィンランドの小さな村に恩人を探しに上海からやってきたチェン親子。食堂を経営するシルカや常連客と交流が生まれます。

医食同源は日本人には馴
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女っ気なし(2011年製作の映画)

4.0

あれ?
もう少し見ていたかったと、ほどよい物足りなさがなんだか上手い。
あっという間に終わってしまった。
バカンスはそういうものか…

フランスのバカンス作品。
主人公はハゲてる冴えない中年男。

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メトロポリス(1927年製作の映画)

4.5

どれだけたくさん本を読んだり、映画を観たりしても最終的にこういう作品がいつまでも色褪せず、むしろ燦然と輝いて存在している限り、なんだか普段は焼き直しのまた焼き直しのさらに薄味を食べているのだなとしか思>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.0

主人公マルチェロの、過去を打ち消したい生き方が痛々しい作品。

少年の頃に大人の男性に襲われそうになったトラウマから、罪悪感や戸惑い、後悔と否定が人生を支配します。

ファシズムへの傾倒も、世間的に様
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はちどり(2018年製作の映画)

2.5

あまり合わなかった。

それっぽい設定や雰囲気はあるんだけど、あまり成長やカタルシスは無くてストーリー性が弱い。なのに長い。

映像だけはきらきらしてて、誤魔化されちゃう。
全部を思春期特有の言葉に出
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.5

ハリウッド業界の闇。

売れない脚本家がかつての大スターだった女優のヒモになり殺されるまで。

いきなり脚本家の死体からスタートして、どうしてこうなったかの自分語り。

コンパクトな物語なのに、皮肉に
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アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)

3.5

ドイツ占領下のフランス。
ピレネー山脈の麓にある小さな村に住む13歳の少年ジョーが経験した戦争とは。

なぜユダヤ人は嫌われているの?

大人にとって当たり前になっていること、タブーとされるようなこと
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僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

4.0

戦争を子供目線からとらえる作品は数あれど、これはとてもシビアでした。

独ソ戦、母や妹を殺されたイワンはパルチザンの偵察兵として戦争に参加。

子供だからと止める軍人たちの言うことも聞かず、ドイツへの
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.0

「もう9月ね」という台詞から始まったので、なんとなく呼応。

ロイ・アンダーソンのブレないスタイル。

例えば地球外惑星の宇宙人が図鑑を持っているとして、まるで人類の行動観察的な1ページずつ。

こい
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映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

3.5

監督はとっても大変なんだ!でも映画を愛していますというメッセージ。
映画作りの物語。

実体験を盛り込みまくりなトリュフォー。
何だって芸の肥やしにしてしまうとは、こういう人。
しかもナチュラルに、嫌
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.5

1回目では理解できず、かといって2回目でもよく分からないリンチワールド。

ただオチが分かりつつ観ると、あーそういうことか。ん?
やっぱり違うかも…の連続で、結局はよくわからないです。

ただ前回ほど
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.0

異食症という描き方が、最後に飲むものを際立たせるためだったのかと思うと、とてもやりきれない物語。

それはある種の弁解のよう。

負の連鎖を断ち切りたい、みたいな思いはわかるけど。それならいっそ諸共…
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The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅡ(2015年製作の映画)

2.5

part1のおさらいが見た場面と新たな場面が編集されており冒頭は少し混乱。

こんな尺をとるなら2部作にしない方が良かったのでは。

3組のカップルもみんな等しく不幸が降り注ぐし気の毒なんだけど、絵に
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The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅠ(2014年製作の映画)

3.0

ジョン・ウーの得意技がことごとく悪い方へ行ってしまった作品。

戦場での炎とCG、全部やり過ぎて作り物感しか無い。
もちろん緊張感も無い。
悲しみも無い。

戦争によって翻弄される3組男女のメロドラマ
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イーグル・ジャンプ(2016年製作の映画)

3.5

夢を諦めない王道ストーリー。
実話ベースというところが驚き。

オリンピックに取り憑かれてしまった主人公。

実力が全く無くても、ハンデがあってもチャンスを勇気でモノにする行動力。
大胆な心持ちやその
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

3.5

アメリカにおける黒人問題の社会派ドラマ。

主人公は幼い頃に内戦状態にあったアフリカのエリトリアからアメリカ人夫婦の養子となったルース。

ルースは高校で成績良く運動もできる優等生。ある日ルースが提出
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とうもろこしの島(2014年製作の映画)

4.0

ジョージアとアブハジアの内戦ものですが、最初と最後が繋がってあれはこういう意味だったのか、とわかる時に人間の儚さを思いました。

内戦をしようがしまいが、人は日々食べていかなければならない。

厳しい
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.5

物語よりただ美しくて比類のない映像と詩のような会話や独白を感じる作品でした。

単に自然の綺麗な映像というわけではなく、かなりの手が込んでいて相当に不自然です。

それが全て調和しているからこそ圧倒さ
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

これは暴力礼賛ではなく、反社会派ドラマでもなく、ひとりの人間が孤独や虚無感から解放されるための長い物語と感じました。

オープニングも音楽も絶妙にカッコいい。過激なブラッド・ピッドが鮮烈だけど、名もな
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誰でもない女(2012年製作の映画)

3.5

ナチスによるドイツ民族の人口増加計画「レーベンスボルン(生命の泉)」を背景に、ある女性の数奇な運命を描いた物語。

レーベンスボルンは「アーリア人」というねつ造された優生概念により、純血性を守ることを
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

4.0

B級にしては有名俳優が出演しており、SFパロディにしては元ネタを知らなくてもちゃんと面白い。

人気SFドラマの出演者たちが、本物の宇宙戦争に巻き込まれるというストーリー。

笑いと涙というセオリー通
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.5

醜さを露悪的に描写したり、くどい台詞で説明したり、いかにもな演出がつくづく惜しい作品でした。

観客はそこまでおバカさんではないでしょう?

ちょっと臭いなぁというところ、死をチラつかせるのは大衆には
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