一瞬の「E.T.」へのオマージュ。
皆さん、気づきました？　😍


オープニングのユニバーサルピクチャーズ&アンブリンの合同ロゴの登場に興奮したのは私だけでしょうか？　🥺

『世界が絶賛するほどの作品では無かったが この作品の 悪口 だけは言いたくない。』
というのが鑑賞後の正直な感想。

スピルバーグが今年6月に公開される「インディジョーンズ と運命のダイヤル」の監督を降板したというニュースに愕然としたが・・・
この作品を作るためだったのですね！

スピルバーグがどんな少年時代を過ごしていたのか？それを自ら映画化するという。
『映画』『家族』『アイデンティティ』への愛が溢れ出す静かな名作として映画史に刻んでくれました。

ただ・・・

観る前の期待が高過ぎたのか？
なんか『サザエさん』みたいな印象を受けた。
全編渡って『愛』があふれる作品だったのは認めるが劇的な出来事がほぼ起こらず ドキドキワクワク感ゼロ のまま終わってしまった。
スピルバーグ少年はこの後、大成功を収めた数少ない人物の一人だが こんな少年時代を過ごした『映画少年』って世界中に結構いるのではないか？
ユダヤ人への差別、両親の友人との関係、学園内でのいじめ、初恋の人との破局。
結構シンプルなエピソード。
自叙伝だからしょうがない。真実を曲げるワケにはいかない。
でも。
わざわざ映画化するほどの内容ではない。
むしろ ここから→
「激突！」とか「ジョーズ」を撮っている20代の頃のスピルバーグの知られざるエピソードが知りたいのだ！

ミシェル・ウィリアムズ　ポール・ダノ
セス・ローゲン　ジャド・ハーシュ。
スピルバーグは相変わらずキャスティングが上手い。
特に母親役を演じたミシェル・ウィリアムズのあの喜怒哀楽の表現の仕方！完璧！
同世代の女優の中では彼女はトップクラスの演技力だろう。
出番はめちゃくちゃ少なかったが本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされたジャド・ハーシュも圧巻の存在感。
「インデペンデンス・デイ」であの緊迫感の中 ジェフ・ゴールドブラムの陽気なお父ちゃんを演じていたジャド。
本作でも『イカれた親戚の叔父さん』を演じ作品にインパクトを与えてくれている。


スピルバーグはウクライナ系ユダヤ人なんですね？🇺🇦
現在のウクライナの状況をどう感じているのだろうか・・・
『アメリカで最も裕福なセレブ』の第２位にも選ばれたことがあるスピルバーグ。
きっとウクライナの子供たちに手を差し伸べているはずだと信じている。
『第二のフェイブルマン』たちに・・・



2023年 3月6日 9:50〜
TOHOシネマズ日比谷 PREMIUM THEATER
💺456席
客入り　半分以上埋まってた。😊

来週はアカデミー賞授賞式。
本作。どこまで健闘するか。楽しみ。

人生の出来事、そのひとつひとつが映画になった。

スティーヴン・スピルバーグ監督、共同脚本、ガブリエル・ラベル主演によるドラマ。
少年時代、映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマンの若き日を描く。
主人公となる少年サミーをラベル、母親をミシェル・ウィリアムズ、父親をポール・ダノが演じているほか、セス・ローゲン、ジャド・ハーシュ等が登場。
物語は、スピルバーグ監督が「この物語を語らずに自分のキャリアを終えるなんて、想像すらできない。」と語っているように、監督自身の自伝的作品となっており、冒頭、サミーが両親に連れられ、映画館に行くシーンからスタート。
そこで観た蒸気機関車とクルマとのクラッシュに衝撃を受け、そのシーンを模型で再現しようとする様は、何とも微笑ましく、映画が少年に与えた影響を如実に示しており、一気に本作品の世界観に惹き込まれることに。
以降、常に映画に対する思いを抱きながら少年から青年へと成長し、サミーが経験した全てのことが、監督が創り出す作品のどこかに散りばめられていることがわかるものとなっている。
とりわけ、ウィリアムズ演じる母親、ダノ演じる父親、ローゲン演じる父親の親友の間で繰り広げられるドラマは、想像していなかったものであり、その経験があったからこそ、映画の怖さや面白さを今日まで伝えることができているのではなかろうか。
私が幼少の頃にスクリーンではないもののテレビで観て、映画の面白さを初めて知った作品が、奇しくも監督の劇場用映画デビュー作となった『激突！』であり、未だにそれを上回る作品に巡り合えていないことから、本作品中の少年時代のサミーが初めて映画を観て衝撃を受けた様子は、実はまるで昔の私かのよう。
私の場合、映像作品制作に携わるような仕事に就いたことはないのだが、今日まで映画が好きでいられるのは、『激突！』があったからこそであり、そんな監督の自伝的内容に終始目が離せず、終盤登場するある人が中々のサプライズであるとともに、ラストカットに監督らしさが凝縮されている良作。

出来事には意味がある。

『フェイブルマンズ』
原題 The Fabelmans.
映倫区分 PG12
製作年 2022年。上映時間 151分。
世界中で愛される映画の数々を世に送り出してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画監督になるという夢をかなえた自身の原体験を映画にした自伝的作品。
サミー役は新鋭ガブリエル・ラベルが務め、母親はミシェル・ウィリアムズ、父親はポール・ダノが演じるなど実力派俳優が共演。
脚本はスピルバーグ自身と、スピルバーグ作品で知られるトニー・クシュナー。
そのほか撮影のヤヌス・カミンスキー、音楽のジョン・ウィリアムズら、スピルバーグ作品の常連スタッフが集結した。

初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミー・フェイブルマンは、母親から8ミリカメラをプレゼントされる。
家族や仲間たちと過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めていくサミー。
母親はそんな彼の夢を支えてくれるが、父親はその夢を単なる趣味としか見なさない。
サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく。

50年間あまり映画を作り続けてきたスティーブン・スピルバーグは、2020年代に入ってもなお、新しい筋肉を見つけることに余念がない。
彼の半自伝映画である今作品は、スタイルも、到達点も、そして目的も、これまでスピルバーグが作ってきたものとは異なってた。
映画界の究極支配者は、これほど控えめな映画を指揮したことはないんちゃうかな。
そして、彼の個人的な愛着がフィルモグラフィーのあちこちに散らばっているし、監督にとって、今作品は親密な作品であるかもしれない。
サム・ファーベルマン（ガブリエル・ラベル）の物語は、アメリカのスモールタウンに住むユダヤ人の子供、スティーブン・スピルバーグの物語であり、映画の恋人であり、後に映画製作者でもある。
サムはスティーブンと同じ3人の妹、風変わりなコンサートピアニストの母、電気技師の父を持ち、映画監督への道もほぼ同じで、名前は違っても、明らかに『ファベルマンス』はスティーブン・スピルバーグの子供時代をドラマ化したものと云える。
両親の離婚、家族との人間関係、映画製作のきっかけとなった映像や瞬間、記憶など、監督が何を考えているのかが初めてわかる作品であることは確かです。
スピルバーグはこれまで、宇宙人侵略映画、恐竜映画、SFノワール、ファミリー・ファンタジー・アドベンチャーなどなど、ジャンル映画の中でこれらのテーマを見事に大細工をしてきた。しかし、今作品では、その全貌が明らかになりました。
今作品は、直接的に家族についての映画やったし、スティーブン・スピルバーグがそのキャリアを通じて魅了してきたテーマについての最後の言葉であると考えても、決して言い過ぎじゃないと思います。
は、キッチンシンク・リアリズムです。
つまり、登場人物たちから距離を置くことはない。
また、登場するキャラは、どれもよく再現されていた。
ファブルマンの家長であるバート役のポール・ダノは、とてもいい人です。
ダノのキャラは、戯画になりかねなかったが、彼はありがたい役柄の中で、善意を持って完全に立体的に表現していた。
ミシェル・ウィリアムズは、母親ミッツィーを演じると云うよりもショーアップされた仕事をしている。
サムの両親のうち、より芸術家的な傾向の強い人物から、印象的な個性を引き出していた。
その真ん中にいるのがガブリエル・ラベルで、スピルバーグがもう何十年も探し求めてきた、四角い顎と茶色の目を持つ若い男性のミューズの最新モデル。
『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴート、『レディ・プレイヤー1』のタイ・シェリダン、ジョセフ・ゴードン＝レヴィット、ジェレミー・アーヴァイン、シャイア・ラブーフのように彼は十分な実力を備えているように感じた。
ラベルは個人的に好感の持てたし、演技には本当に重要な指標であり、彼は見事にこの映画を支えていた。
ただ、スピルバーグが若い俳優に望んでいたような、つかみどころのないスターになるような演技ができるかどうかは未知数やけど、でも今作品では巧みな演技でした。
今作品には何人かの脇役たちが、長時間のカメオ出演をしていました。
ボリスおじさんを演じたジャド・ハーシュもその一人で、ハーシュは典型的な一人芝居を2回も披露し、このような役柄に必要な尊敬の念を蓄積している。
一方、若いクロエ・イーストは、サムの高校時代のガールフレンド役でとても可愛く、映画に少しエネルギーが必要なときに、彼女は良いものを見せてくれました。
彼女の演技は、明るく生き生きとしていて、決して押し付けがましくなかった。
邦画の若い女優さんもこないな演技をして欲しいし、学んで欲しいほどやった。
セス・ローガンもいたかな。
危険な、あるいはインスピレーションを得たキャスティングやけど悪くなかった。
今作品は実質的に無構造で、時には無目的でさえある。
また、今作品が目指しているのは、合意されたテーゼでもなければ、スピルバーグが我々に体験させようとしている感覚でもないし、映画的なプロジェクトとして、今作品は監督の強みをまったく発揮していない。
しかし、我々はスティーブン・スピルバーグの回復力を以前にも見たことがある。
彼はまさに砂漠の動物であり、変化する風景や外的な課題に適応することができる。
彼の基準からすれば、これは小さな映画かもしれないが、また、静かで芸術的な青春映画の先駆けではないが（この映画の数少ない失敗のひとつに、陳腐ないじめの小ネタを持ち出し、作品の質を大きく下げているって個人的には思た）、経験豊富で多才な人の手にかかれば良い作品のひとつになるのを理解できた。
今作品は、確かにスピルバーグ作品としては興行収入を大きく伸ばすことはできないやろし、多くの人にとって、映画製作の技術に対する真摯な愛情は、まったく伝わらないかもしれない。
しかし、そのような狭い範囲にとどまるからこそ、今作品は『或い人』にとって特別な映画となるんちゃうかな。