エフィ・ブリースト デジタルリマスター版を配信している動画配信サービス

『エフィ・ブリースト デジタルリマスター版』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

エフィ・ブリースト デジタルリマスター版

エフィ・ブリースト デジタルリマスター版が配信されているサービス一覧

エフィ・ブリースト デジタルリマスター版が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『エフィ・ブリースト デジタルリマスター版』に投稿された感想・評価

3.9
 子供の頃から空想が好きだったエフィ・フォン・ブリースト(ハンナ・シグラ)は活発な女性であるが、ある日地元の名士である20歳も年上のヘルト・フォン・インシュテッテン男爵(ヴォルフガング・シェンク)に求婚され、彼の妻になる。最高の調度品しか求めないブリーストの崇高な気品。夫との生活に不安はありながらも両親は彼女を温かく送り出すのだった。だがしかし、インシュテッテン家には意地悪な家政婦ヨハンナ(イルム・ヘルマン)がいた。ビスマルク時代の閉鎖的で抑圧的なプロイセン社会を舞台に、この映画は、頑固で全く容赦のない社会的行動規範と完全に結びついた女性の運命を描いている。物語は魅力的な兵士と短い情事を結ぶことで、はるかに年上の男性との息苦しい結婚生活から逃れようとする若い女性、エフィ・ブリーストの物語である。6年後、エフィの夫は彼女の情事に気づき、悲劇的な結末を迎える。

 まだ29歳だったライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが手掛けた文芸大作は74年製作のモノクロ映画で、まるでダグラス・サークのメロドラマのようである。彼女たちはこの街で唯一の上流階級であり、他の中流の人々とは会話することすら許されない。薬剤師ギーシュブラー(ハーク・ボーム)という親友だけが頼りだ。夜寝る時に見る幽霊の恐怖はブリ―ストの不安のメタファーであり、ある種貴族が彼女を雁字搦めにするための方便だった。今作はブリーストとクランパス少佐(ウリ・ロンメル)との間に何が起きたのかを一切明らかにしようとしない。愛欲の描写はメロドラマとして巧妙にフレームから外され、それ故にかえってインシュテッテン男爵の束縛の色を強くする。ファスビンダーは19世紀の名誉の規範がいかにして人の人生を束縛し、破滅させるかをこれでもかと描いた。74年の『エフィ・ブリースト』と『自由の暴力』とは連作であり、ジェンダーの逆転はあれど、そこで起きている悲劇はほとんど同じで、正にコインの裏表のような関係にあると言える。
3.2
同名小説のテオドール・フォンターネ原作は未読。今まで観たファスビンダー作品の中では異例の文芸作品を題材にしたためなのか地味で、生真面目すぎるぐらいな内容であった。

もちろんファスビンダーが伝えようとしている抑圧された歴史の因習(女性、マイノリティ)や家長制による不条理を描いているのは理解できるが、製作当時は20代後半となると子供ながらに背伸びをして大河ドラマを作ろうとした印象も否めなかった。

この映画から思い出したのが、キューブリック「バリー・リンドン」。劇場公開時期は本作の方が若干早いが、お互いどこか意識をしている印象を感じた。

鏡を多用した絵画的な美しさと相反するかのような物語との剥離(映像とリンクしない)や、確信犯に近い古典的なナレーション、やたら長尺すぎる抑揚のない小説のトレースなどで拒否反応を示す声も公開当時からあったようであるが、文芸作品の大河ドラマとしては壮大な失敗作かもしれないが、ドイツ文芸映画としては後世に残る名作でもある微妙なラインを狙ったのではないだろうか。本作は素人、シネフィルのような玄人を問わずに人を選ぶ作品かもしれない。

〈ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選〉
[Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 16:05〜]
RIO
4.0
合理主義に生きるのであれば親元から離れないで何もしないままでいい

何も変わったことはなかった
ただ庭の形が変わるだけ

何者にもなることはない
19C後半の家父長制度の中で妥協して生きるのは自分の生き方ではない

そう言っているように聞こえました

テーオドール・フォンターネ「エフィー・ブリースト」にファスビンダーが脚本を加えナレーションが入る
言葉に合わせ淡々と人々が行き交う ほぼ動かない鏡に映る話し相手の姿やレース越しに見える相手の動きが表情を豊かにしていた

鏡 その中に映る人物の内面や真実を象徴する重要なモチーフ
自分の内面と向き合う瞬間
鏡の中の姿は彼らの内なる感情や抑圧された欲望
エフィーの顔には他者や社会に対して見せている表面的な姿だけでなく彼女の孤独や絶望あるいは逃げ場のない状況に対する無力感 彼らにとってエフィーはどのような存在であるか
鏡越しに見る彼女の心が投影する虚像であるとすれば彼女が本来の姿として存在できていないその姿は孤立している

ファスビンダーが鏡を使ってエフィーの本心や内面を映し出そうとした意図は視覚的な美しさを超えて心理的な深みを映画に与えているように感じられます

ハンナ・シグラが輝いてました

ドイツ帝国の成立後 ビスマルクによる統一国家が確立されてから数十年後の時期 厳格な社会的規範が支配的で特に女性の役割や地位に厳しい制限があるなかエフィーは自由にしていたことで周囲からは冷たくされる

エフィーの合理的に変化がないという言葉の奥から聞こえてくるもの

自身の置かれた状況に対して理性や合理性をもって対処しようと努めたい 社会の期待に応える家族の名誉を守るには合理的であることを自らに強いる
そんな葛藤から生まれた孤独や絶望
彼女の豊かな感情を満たすことのないまま過ぎていく日々に悲しみが感じられた

庭の形が変わっただけという現実
エフィーの後悔と虚無感
彼女が生きた時代について悲劇とその無意味さを強烈に描き出している監督が意図したラストシーンだった

『エフィ・ブリースト デジタルリマスター版』に似ている作品

第三世代

上映日:

2018年10月27日

製作国:

上映時間:

109分

ジャンル:

3.7

あらすじ

意志と表象としての世界―。彼らも、我々も、もはや何も理解できない。理解しようとはしない。暴力で構成された社会に曝され、支配され、共感し、欲望し、絶望する。怒りと悲しみとおかしみが横溢するこ…

>>続きを読む

左利きの女

製作国:

上映時間:

115分

ジャンル:

3.6

あらすじ

専業主婦だったマリアンヌは、夫・ブルーノと離婚し、8歳の息子・ステファンを育てていく決意をする。かつて勤めていた出版社を頼って仕事を得たものの、なかなかうまくいかないことも多い。元夫は復縁…

>>続きを読む

13回の新月のある年に

上映日:

2018年10月27日

製作国:

上映時間:

124分

ジャンル:

4.0

あらすじ

7年おきに来る「太陰年」に、新月が13回巡る年が重なると、なす術もなく破滅する者が幾人も現れる―。エルヴィラは男性から女性へと性転換をした。男装して街を彷徨い、男娼を求めるエルヴィラの「性…

>>続きを読む

女の一生

上映日:

2017年12月09日

製作国:

上映時間:

119分
3.2

あらすじ

男爵家の一人娘として生まれ、17歳まで修道院で教育を受けた清純な娘、ジャンヌが親元に戻る。親の勧める子爵ジュリアンと結婚し、希望と幸福を胸躍らせ人生を歩みだしたかにみえたジャンヌだったが、…

>>続きを読む