世界の涯てにの作品情報・感想・評価

世界の涯てに1936年製作の映画)

ZU NEUEN UFERN

製作国:

上映時間:103分

ジャンル:

3.9

「世界の涯てに」に投稿された感想・評価

pika

pikaの感想・評価

4.5
サーク、ドイツ時代。
脚本自体も面白いんだけど、サークのこの演出力がなければ凡庸なメロドラマになってしまっていたかも。
ドイツ人によるオーストラリアを舞台にしたイギリス人のドラマってところも興味深いんだけど、後半ではほとんど出てこなくなる前半のミュージカルシークエンスはどれもこれも素晴らしく、歌詞に意図を含ませつつ音楽だけでも感情を揺さぶる魅力が凄い。

映像的な醍醐味もありながらキャラクターの感情も深く表現していく丁寧な演出は、紙の上のキャラクターを役者が演ずることで命が吹き込まれるってこと以上に生々しく「人物」を浮かび上がらせる。
そんな魔法みたいな演出によって「このキャラクター達がどうなるのか!?」とハラハラドキドキ映画に没入させられるがゆえに、中盤のめっちゃ胸くそ展開に映画の中の出来事なんて距離じゃなくなってイライラ最高潮!なんだよこれはクソ!

全体的にヘビーなストーリーでありながらコミカルなシーンを絶妙なタイミングで入れてきて延々ずっと面白いしガツンガツンと喜怒哀楽を刺激されめちゃくちゃ楽しめる。
胸くそ展開に頭沸騰して匙投げてたら「申し訳ないけどそうなってくれると全てが丸く収まってめんどくさいことはないわね」ってなラストを迎えてくれて最高でした。
さすがサーク!わかってらっしゃる!
そうでなければ脳内暴動モノですよ!
さすが!さすが!の大満足!
ラストまで隅々隙なく見事。アッパレ!サイコー!
ソフトはサーク名義ではあるが実際には本名のデトレフ・ジールク名義。この2つの名を持つ男(ジョセフ・ロージー風)、デトレフ・ジールク作品はサーク作品への熟成期間ともいうべき作品が多い様に感じる。甘々。腐った方が美味いというか好き。
フォロワーの「星降る夜にあの場所で」さんがレビューされていたので久しぶりに再見。
1936年ダグラス・サークがデトレフ・ジールク名義でドイツのウーファ撮影所で撮ったメロドラマ。

ロンドンにある劇場の歌姫グロリア(ツァラー・レアンダー)が愛するアルバート(ヴィリー・ビルゲル)は将校としてシドニーに配属されることになったが、借金を返すために知人から受け取った小切手を改竄してしまう。グロリアは彼をかばって罪を負い、シドニーにあるパラマッタ刑務所に送られてしまうが…。

泣かせる物語ではあるが、サークはベタベタな見せ方はしない。
恋人をかばったグロリアが裁かれる法廷の、外から中へのカメラの動き、法廷から監獄へのシーンの繋ぎ、そこに載せられる唄など、後にハリウッドで名を馳せるサークの巧みさが既にあちこちに見られる。
ツァラー・レアンダーはこの作品で一躍当時のドイツで大スターになったらしいが、マレーネデートリッヒをもう少し女性っぽくしたような歌声も、その悲嘆にくれる表情も納得の素晴らしさだった。
「ママと娼婦」ツァラー・レアンダー繋がりで

【ダグラス・サーク】と改名したハリウッド時代の作品が注目されがちですが、デトレフ・ジールク時代の本作もなかなかどうして、しっかりと泣かせるメロドラマに仕上がっています。
ツァラー・レアンダーの悲壮感漂う演技を見事に引き出すサークの繊細な演出は素晴らしい。
黄金期の作品群の完成度には達していないかもしれませんが、ラッセル・メティなしでここまでやってのける手腕はやはり称賛に価すると思います。
当然、ツァラー・レアンダーの歌声も堪能できます♪
愛する人を庇って投獄されどん底に堕ちる前は大人気の歌姫という設定で、その時に歌う「Yes Sir!」のステージパフォーマンスが最高♪
https://youtu.be/XnFk11ZB1oc
そのステージシーンを切り取った動画も上がってます。
原曲のこちらをupしたのは、彼女の表現力豊かな歌声を聴いて頂きたかったので♪
この表現力は御芝居にもしっかりと反映されています。
まるでライブバージョンのようです☆彡

☆★☆ツァラー・レアンダー☆★☆
(*´з`)(*´з`)(*´з`)

このレビューはネタバレを含みます

主人公が馬車から飛び降りたあと即座に馬にムチを打つ場面が良い。

それと、出所後に元恋人の前で歌う場面の仰角ショット。
hamada

hamadaの感想・評価

3.9
これ濱口竜介はオールタイムベストに挙げてたけど、サークなら個人的には他の方が好きかな…。
とは思いつつも、前半の繋ぎ方なんかでは意地の悪さに驚くし(むしろ終盤のスムーズさこそ意地が悪いのかもしれないが)、相変わらずさりげなく魅せる鏡や窓、そして完璧に決まってる動物の動かし方!BOX買ったのは正解だと早々に確信できた
rico

ricoの感想・評価

3.8
前に見た「第九交響楽」と同じく、どこかで演奏されているような形でいたる場所で音楽が流れている。
流れるように最初から出てくる人物が不幸になっていく流れ方が美しい。
鏡、が印象的に使われていた。
tk33220

tk33220の感想・評価

4.0
同じ土地にいながら全く別の場所のように思わせる繋ぎ方。霧の中に船が消えていき、それをツァラー・レアンダーが見送るショットが美しい。機織りとピアノを対比させる繋ぎも面白い。