「天安門、恋人たち」などの名匠ロウ・イエ監督が、中国・武漢に近い都市を舞台に、映画制作に携わる人々の姿を通してコロナ禍の「集団的トラウマの記録」をフェイクドキュメンタリーという形式で、コロナ禍で実際に撮影されたスマホ映像を織り交ぜ、虚実を多層的に交錯させて描く。
映画監督シャオルイは10年前に中断された未完成のクィア映画を完成させる為に、キャストとスタッフを集めて説得する。
2020年1月、撮影が終わりに近づくなか、新種のウイルスに関する噂が広まり始める。
やがてホテルがロックダウンされ、スタッフたちは部屋に閉じ込められたまま、全てのコミュニケーションがスマホ画面のみに制限されてしまう。
本作はフェイクドキュメンタリーのスタイルを採りながら、コロナ禍で実際に撮影されたスマホの映像を盛り込んで多層的に描き出している。
出演は「スプリング・フィーバー」のチン・ハオ、「二重生活」のチー・シーで、2024年・第77回カンヌ国際映画祭では特別招待作品としてドキュメンタリー部門にて上映され、第61回台北金馬奨では劇映画部門の最優秀作品賞・監督賞を受賞し、第25回東京フィルメックスで観客賞を受賞した。