雰囲気はこのパッケージと予告編、あらすじから想像する通りのタイプの作品でした。
興味がある方は観て損しないんじゃないかと思います。

個人的には必ず映画館！という感じでもなく配信でも楽しめそうです。

◾️ホラー初心者におすすめ

ホラー映画に興味はあるけど怖くて観る勇気が出ないという人にはちょうど良い塩梅ではないでしょうか。

直接的に、過度に怖い演出や描写はほぼありません。

ホラー好きからしたら物足りないかもしれませんが、ホラー初心者の方にはオススメです。

◾️最近流行ってるタイプのホラー

ザ・ホラー映画！というよりも、アリ・アスターやヨルゴス・ランティモス系統のホラー映画という感じがしました。
人間関係の怖さが全面に押し出されていて、神経を逆撫でするような演出がある印象です。
近年流行っているホラーの系譜に則っている印象です。

◾️胸糞初心者にもオススメ

本作は胸糞要素があります。
しかし、数日間引きずるほど重くはないと思うのでライトな胸糞映画という印象でした。

◾️難解ではない

意外と構造はシンプルなスリラーです。
ヨルゴス・ランティモスやアリ・アスターのような奇怪な複雑さはありません。

この現実の世界線です。
そのため非常に観やすいです。

◾️でも退屈しない

少しホラー、軽めの胸糞、わかりやすい物語ときたら、退屈そうじゃないですか？
刺激足りなそうじゃないですか？

大丈夫です。
異常すぎるキモい姉妹のおかげで全然退屈しません。

◾️母と娘たちの話

姉妹の共依存関係の映画だと思うかもしれませんが、母親と娘たちの関係もしっかり描かれていて、密度が高かったです。

人物造形がしっかりしている印象でした。

◾️姉妹の人は胸糞度高いかも

私はひとりっ子なのでそんなに実体験と重ねる部分はありませんでしたが、姉妹の人はより解像度が高く、胸糞度が上がりそうです。

私の印象だと特に姉の人の方が胸糞悪いかもしれません。

◾️理解できないけど理解できる

この姉妹の行動は理解不能です。
しかし、観ていくうちに心理はなんとなく理解できるような気がしました。
観客を置いていくようで置いていかない人物描写です。

• #あやちまる試写会

今晩filmarksさんのからのご好意で、試写会ご招待いただき鑑賞致しました

おどろおどろしい不穏な雰囲気を醸し出す予告編から、癖強い作品がたまらなく大好きな私にとっては期待と興奮がMAX高まった状態に

10カ月差で生まれた姉妹のセプテンバーとジュライ

姉が「私が死んだらあなたも死ぬ？」と聞けば、妹は「うん！」と答える
言い聞かせるように妹を服従させる姉


もうこの舞台設定からして、とんでもない展開が始まり、メガトン級の衝撃をくらわされることは容易に感じてました

次第にエスカレートしながら進むストーリーの中、残り10分のところで明らかにされる衝撃の真実に、見事にヤラれてしまいました

ランディモス監督のパートナーでもあるアリアン・ラベスが監督を務めております
納得のランディモス臭を感じられる強烈な癖の強さとインパクト大の衝撃、ランディモス監督好きな方にはたまらない作品かもです

• #2025年AKIROCK映画館鑑賞

【第77回カンヌ映画祭　ある視点部門出品】
ヨルゴス・ランティモスのパートナーで俳優としても活躍するアリアン・ラペド監督の長編デビュー作。カンヌ映画祭ある視点部門に出品された。

姉に支配される妹、接し方が分からない母親を描いた家族ドラマ。ランティモスのパートナーと聞くとなるほどとなるホラーのような奇妙な演出が面白い傑作。

姉のセプテンバー、妹のジュライ、どちらも月の名前という設定が深みを増している。ジュライは学校でいじめにあっているが、それに対してセプテンバーがある行動を起こす。

最後の終わり方はけっこうビックリした。ままある展開ではあるが、英語圏の映画とは思えない奇妙な見せ方が鋭い。全体的にソリッドなつくりとなっていて自分好み。

虐める側が車いすの女子生徒というのが現代的な気がした。まぁそういう風に描くのに賛否両論あるだろうとは思うが、車いすの女子生徒がそういう立場に置かれるというのはあまり見たことがなかったので新鮮に映った。

タイトルの「セプテンバー・セイズ」はそういう姉妹間の遊びからきている。姉が妹に命令し、その通りに実行する。それは言わずもがな姉の妹への支配を示しているのだが、それが最後に効いてくるというスタイルが面白い。

ロケーション含め美しい撮影とは対照的な暗黒家族ドラマとしてよくできていて素晴らしい。ソリッドな演出が見ていて楽しく、そして辛い。今後成長していきそうな監督、追いかけていきたい。

• #第77回カンヌ国際映画祭