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蝶の渡り
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『蝶の渡り』に投稿された感想・評価

【ちょうちょちょうちょ ジョージアに留まれ】

1991年、ジョージア(当時はグルジア)のソ連からの独立。
レーニン像の破壊が連続する記録映像から始まります。
NHK「映像の世紀バタフライエフェクト」を見ているようです。

そして、将来の夢に満ち楽し気な若き芸術家たちの集まりが映ったかと思うと、
ロシアとの対立が続き、アブハジア紛争などにより国土の一部を失う、ジョージアの苦難の歴史映像が差し込まれます。

映画は、若者たちの27年後の姿が描かれます。
女優さんの一人、タマル・タバタゼが、オードリー・ヘップバーン、ナスターシャ・キンスキー、イザベラ・ロッセリーニを思わせる美しさで、すっかり魅了されます。

でも、てっきり真面目なお話かと思ってみていると、調子が狂います。
実は、時代の波に翻弄されてきたジョージア国の姿を登場人物たちに反映して、自虐的に描くコメディ映画なのです。
ジョージア映画らしい「陽気な悲劇性」が出ています。

原題は「蝶たちの強制移住」という意味です。
この蝶に関する言及は映画の中でも出てきますけど、ナナ・ジョルジャゼ監督はインタビューの中で次のように語っています。
「トゥシェティという映画にも登場する地域に特別な蝶がいます。
それは渡りをするのだけれど、風に乗ってうまく戻ってこないと死んでしまう、ということを知りました。
映画の中ではイタリア人学者がトゥシェティでその蝶を保護しなければならないと言いますよね。
国外に出るのは良いことでもありますが、帰るべき故郷があるということは非常に重要なことだと思います」

映画を見ると、絵画、衣装、音楽など、ジョージアでの芸術や文化の豊饒さを感じます。
そんな素晴らしい故郷を思いながら、内戦やディアスポラ(民族離散)の苦く暗い思い出を笑い飛ばす、ジョージア人の粋と意気。
監督から次世代に映画作りを託すようなラストシーンも感動的です。
KUBO
3.8
配給のムヴィオラさまよりご招待され『蝶の渡り』を見てきました。

ジョージア(グルジア)は、かつては独立国であったが1921年ソ連に飲み込まれ、1991年に独立した。

作品はその独立に喜ぶ1991年から始まる。

この家は様々なアーティストたちが気ままに寄り添って暮らす家。画家やミュージシャン、俳優やダンサーなど、その日暮らしでも楽観的に生きている。

作品には所々で白黒の戦争シーンが挿入される。独立後もジョージアは度々ロシアから攻撃を受け、「アブハジア紛争」ではアブハジアを失い、今もアブハジアと南オセチアはロシアに取られたままだ。(こういう成功体験があるからウクライナでもああいう停戦案になるんだろうね)

そんな戦争が繰り返される日常を経て、作品は27年後の2018年に飛ぶ。

あの頃ティーンエイジャーだった彼らも40代。人の入れ替わりはあっても変わらぬ気ままな暮らしを続けている。そこに画家のコスタの元カノのニナが帰って来たことから、一気に空気が動き出す…(このニナを演じているタマル・タバタゼさん、美し過ぎる。この瞳で見つめられたら、なんでも許しちゃいそう(笑))

この作品は、ナナ・ジョルジャゼ監督の友人たちに捧げた映画。かつてナナ監督がいろんなアーティストたちとひとつ屋根の下で暮らした経験を映画にしたものなのだ。

だから、作品内に登場するコスタが描いたことになっている絵も、実在するナナ監督の友人の画家たちが描いた絵なのだ。

「蝶たちは風が吹くのを待っている/風に乗って山に行ければ/蝶たちは生き残れる」

作品内に登場する「蝶の渡り」という絵を見てコスタが言う台詞だが、この家に集う芸術家たちは、様々な風が吹きこの家から旅立ち、新しい道を歩んでいく。

ラストシーン、フォトグラファーのナタが、新年を祝う街角でカメラを道ゆく子供に託す。

「私は撮るものは全て撮った。これからはあなたたちの時代」と。これは今年76歳、ナナ監督の気持ちなんだろうな。

実は今も情勢不安なジョージアだけど、そんなジョージアから届いた、困難でも自由な心で楽観的に生きましょうという希望ある作品。

毎日職場との往復だけの一般的日本人には、この自由な生き方、憧れます。
3.3
1991年のジョージア。ソ連が崩壊し、ジョージアは独立を宣言するが、新たな戦争によって失われた。27年後、画家のコスタは祖父母の代からの家の半地下に暮らし、そこには芸術仲間たちが集まっていた。生活は貧しくても楽しそうだった、、、。

裕福じゃないけど、楽しそうに暮らしていて、そして恋に発展して、渡米したりなどの話がフラットに進む。正直、人にお勧めしづらく、万人受けするような話ではないと思った。

だけどこれはジョージアで生まれた映画。役者が演じているのは若い時に国家が不安定な時期で、毎日が将来が不安な生活を送っていた人たち。そんか辛い経験を経て、過ごしている彼らを見るとしんみりとさせてくる。そんな映画だと感じた。

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