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動物誌、植物誌、鉱物誌
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目次

動物誌、植物誌、鉱物誌の作品紹介

動物誌、植物誌、鉱物誌のあらすじ

ユニークな視点で自然界を探求し、神秘と詩的な映像美に満ちあふれた珠玉のドキュメンタリー大作。動物、植物、鉱物に焦点を当てた3部構成で描かれ、自然と人間、それらの関係について見つめ直す。第1部では、アーカイブや個人のフッテージを通じて、映画における動物の描かれ方を探る。第2部は、世界最古のパドヴァ植物園内を観察する。第3部は、石がどのように人間の歴史や文化に結びついてきたのかを追究する。

原題
Bestiari, erbari, lapidari/Bestiaries, Herbaria, Lapidaries
製作年
2024年
製作国
イタリアスイス
上映時間
206分
ジャンル
ドキュメンタリー

『動物誌、植物誌、鉱物誌』に投稿された感想・評価

3.5
【《鉱物誌》の本質はとは?】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=BS8Kp2l7gZE&t=485s

イタリア映画祭2025にて物議を醸した『動物誌、植物誌、鉱物誌』を観た。オリヴェイラ『アブラハム渓谷』と同等の長さで、時に実験映画、時にフレデリック・ワイズマンのタッチで人類と自然との関係性に眼差しを向けた一本である。洞窟さんの星評では驚異の0.9点の低評価を叩き出す圧倒的不評っぷりだった。確かに困った構成の作品であり、特に第三部の《鉱物誌》は邦題の翻訳に限界があり、《コンクリート誌》に思えるのは致し方がないのだが、アプローチ自体は興味深いものがあった。

本作は3部構成で描かれる。『動物誌』では動物が手術される光景やウサギがヘビに捕食されるショッキングな映像を畳みかけて来る内容で、昨年公開された『人体の構造について』に近い内容となっている。第二部『植物誌』は世界遺産にもなっているパドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)での活動をワイズマン的なショットにナレーションを重ねて描く。第三部『鉱物誌』では、コンクリートの素材が採られる様子をフッテージで挿入し、実際にコンクリートが作られるまでの過程を工場ドキュメンタリーのように編集している。

まず『鉱物誌』に関しては『植物誌』との対比で考えるとわかりやすい。『植物誌』では、地球全体の99.7%を占めると言われる植物、あらゆるワールドレコードを占有する植物に対して、ちっぽけな人間が知ろうとする眼差しが描かれる。舞台となるパドヴァの植物園は世界最古の植物園として知られ、イタリアで初めてジャガイモやヒマワリが栽培され、植物学や生態学に影響をもたらしており、現在ではイタリアで2番目に充実した植物標本館として機能している。ありのままの植物をアーカイブして知ろうとする人類が描かれているのだ。

一方で『鉱物誌』はどうだろうか?原題は"Lapidary"となっており、鉱物そのものよりも鉱物を加工する様に焦点があてられている。副題も「未来の化石」となっている。つまり、人類が過去の自然を掘り起こし加工し役割を与える様を描いているのである。そのため、アリストテレスの理論を借りるなら、『植物誌』はデュナミス(可能態)、『鉱物誌』はエネルゲイア(現実態)の話となっているのだ。そして、広島に原爆が落とされて3年後にイチョウがたくましく生えたエピソードがこの両者を繋ぐ接着剤的な機能を果たす。人類が自然と対峙する中で生まれる暴力性が浮かび上がり、『動物誌』と円環を結ぶのである。

しかしながら、『動物誌』が『人体の構造について』に近い露悪的に留まったものを感じてしまい、映画としてはそこまで良い構成ではなかったように思える。
八日
4.0
最初は映像で見る博物学だと思っていた。淡々と記録映像が流れる。ナレーションもごく限られていて、例えば動物誌であれば、19世紀から20世紀初頭にかけて動物の動きや体内の様子がどう記録され、残されてきたかが、現代の動物病院での治療(手術)の様子と交互に映される。植物誌であれば、イタリアの歴史ある植物園での様子、水やりから間伐などの育成に関するものから、種や標本の保管とかの資料化に関するものが、第一次世界大戦の戦地で収集された標本の映像をさしはさみながら、美しい映像で見せられる(楽園を思わせる花園のイメージも多い)。
でも動物、植物、鉱物と進むにつれて、だんだんと印象が変わってくる。戦争の、第一次大戦と第二次大戦、特に強制収容所の話がよく持ち出されることに気づき始めるからだ。「キツネの収容所」と表現される、広大な土地に一匹ずつの檻がズラッと並び、彼らは出られず、人間の管理下に置かれる。または戦地での犬や馬の扱い。現代の植物園の、徹底した管理の様子。重要なヤシの木は外界から隔離され、ガラスの塔に入れられている。植物を温室から屋外へ戻す時期はもちろん、放つ虫の個数やタイミングまできちんと決められている。そして鉱物誌で、コンクリの製造過程と共に、なぜかユダヤや政治犯、反分子として戦時下で収監された人々の写真が見せられる。
ここにきて、もはや単なる博物学的な映像では無く、戦争を通底音に、どういう(不均衡な)力が働いてきて/いて、人間含む自然界の特定の集団にどういう扱いをしてきたか、がテーマではないかと気付く。
前世紀、動物を知るために、どんな扱いをしてきたか(動物園での収集を含む)。地球のほぼ全ては植物で覆われているというナレーションとは裏腹に、完全な管理下に置かれる植物園。そして戦時中、輸送の汽車に乗せられる人々。鉱物誌まで見終わって(ここが結構肝、途中で心折れそうになる)最後に俯瞰してみて初めて、これは記録ではない。「力を使うということ」に関するドキュメントではないかと思った。
長かったけど見きれたのは、そこの吸引力、訴求力の強さだとも思った。素晴らしかった。
もっとサイエンスな内容かと思ったら意外と社会派な映画でした。
一章、動物が酷い目に遭う映像が苦手な人は注意!(モル飼いには動物実験シーンがキツすぎて号泣)犬の手術映像も多め。
二章の植物の話が一番好き。人間には理解できない時間を生きる木。地球は植物の星。
三章は戦争映画?セメントの原料の石灰石は生物の死骸、そしてセメントで死者を弔う。ここにきて一章の「檻」や二章の広島の話で出てきた「虐殺」というワードが繋がってくる感じ。

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