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『ファニーとアレクサンデル』に投稿された感想・評価

5.0
プロローグからエピローグまで合わせて5時間越えということで、とにかく初めての映画体験だった。
アレクサンデルの住んでいるあのエクダール家の賑やかで明るい光に取り込まれて、多分わたしはあのお屋敷のメイドの1人にでもなったような気分だったんだろう。

鎌を引きずる死神も、動く彫刻も、オスカルの亡霊もどれもわたしには薄気味悪くはなく、ホーンテッドマンションに初めて行った時のようにワクワクした。不思議な骨董品たちに溢れたイサクの迷路みたいな家と、幻想的に語られたおとぎ話にはどんどんと引き込まれて、一瞬我を失った感覚だった。

劇場で生まれ、支配人の父や女優の祖母や母のもとで自由な家風の中育ったファニーとアレクサンデルが、一転して厳格な聖職者に支配される暗黒の時間と、賑やかなエクダール家との対比が視覚でもあからさまに真っ二つに割れて、まるで別の作品のようだ。

どうしようもない暗い現実はファニーとアレクサンデルにとってはただの悪夢で、幻想的なエンターテイメントに溢れた世界だけが本物。
ベルイマンもまた、牧師の父に支配された少年時間が嘘で、自らのつくる映画や劇場の世界に自分のリアルを作り出していったのだとしたら、これはアレクサンデルと自分を合わせ鏡にした自伝的作品でもあるのかもしれない。

他のベルイマン作品にあった難解で抽象的な会話は少なく、個性豊かな登場人物のどれもが人間味溢れて魅力的だった。
お陰でたくさんいたどの登場人物もムダな存在ではなく、何ならヒール役の聖職者の事でさえも心から嫌いにはなれない絶妙な人物描写はベルイマンの後期作品だからこそ描けた、悟りのかたちだったのかもしれません。

初めて劇場で5時間越えの作品、観る前は長すぎませんか?と少し不安だったけど、これだけの時間をかけたからこそできた重厚感がたしかにありました。
観た後、そして今も作品を反芻しながら改めてたくさんの映像体験を実感しています。
スウェーデンの世界的巨匠イングマル・ベルイマン監督の5時間11分にも及ぶ大作。流石にこれほどまで長い映画ははじめて見た。

芸術性の高いアンビエントな映像美が特徴的だから集中力が最後まで持つか心配だったけど、思いのほか分かりやすいストーリー。最後まで置いていかれることはなく見れて、ひと安心しました。

構造的には1〜5章にオープニングとエピローグといった区切り方をしていて、とにかく本当に濃密な5時間。各章ごとに印象的なシーンが何個もあって、富裕なエクダール家の人間を中心に凝縮した色んな人間ドラマが堪能できる。

特に印象的だったのは、主人公のアレクサンデルという少年の存在感。射抜くような黒い眼差しは、まるで『ミツバチのささやき』のアナを彷彿とさせた。

あと哲学的な表現も結構ある。だからこそ、ただの一族の物語りとしての枠には収まってない。繁栄と衰退、自由と抑制みたいな対比の表現から、宗教と神様の存在意義についても考えさせられる内容になっている。

言わずもがな見応えは抜群で、5時間以上あるから見る覚悟はそれなりに必要だと思うけど、絵画のような美しい映画が好きなら観て損はないと思います。
一
4.3
ベルイマンが自ら“最後の映画”と表明し作りあげた5時間19分の超大作


スウェーデンの巨匠 イングマール・ベルイマン監督作品
外国語映画賞・撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞も受賞しております
因みに3時間バージョンもあるらしい

監督の故郷であるスウェーデンの地方都市ウプサラを舞台に撮りあげた自伝的作品
劇場を営む一族の2年間を2人の孫の目を通して豪華絢爛に描いた全5部構成の群像ドラマ

ベルイマン6本目にしてカラー作品は初鑑賞
時間を考慮しても、今までで最も見易いベルイマン作品と断言できる傑作

公開当時で、スウェーデン映画史上最大の制作費が掛かっているだけのことはあり、ベルイマン演出の賜物であり集大成
見せ方も上手ければ目を離させまいとする展開もお見事で、古典的な物語を心から堪能できる

かなり長い映画ですが繰り返し観たくなるような魅力に溢れており、『第七の封印』『処女の泉』などの宗教色の強い難しい作品でもなく、誰にでも楽しめる娯楽作

DVD2枚組で5時間半近くある映画ですが、5つに分かれた構成という事もあり、あっという間に観終わってしまう
特別に派手なことは起こらないが時間を一切感じさせず、長尺な事も忘れてしまうほど全く飽きずに最後まで突っ走り、一瞬たりとも退屈することはなかった

「プロローグ」
「第一部:エクダール家のクリスマス」
「第二部:亡霊」
「第三部:崩壊」
「第四部:夏の出来事」
「第五部:悪魔たち」
「エピローグ」

という構成で、各部ごとに異なる面白さがあるので見応えも抜群
壮大な愛の物語でもあれば、コメディやホラーともとれる場面も見受けられる

上品で余裕さえ見え隠れする神秘的な映像は、画面に釘付けになるほどの不思議な力がある
クリスマスの赤を基調にした絵づくりがとにかく美しい

タイトルこそ『ファニーとアレクサンデル』となっていますが、ほとんどはアレクサンデル視点になっていて、ファニー視点はごく僅か
しかしアレクサンデルにも見劣りしないファニーの存在感

映像美にしても、緻密なプロットや演出のディテールにしても、どうかこの幸せな時間が終わらないで欲しい、そしてこの幸福な空間を延々眺めていたいとさえ思わせてくれる

演出・脚本・美術・衣装・撮影・音楽、どれをとっても超ハイレベル
ベルイマン作品を難解だという先入観で敬遠してる人にも是非とも観て欲しい傑作

〈 Rotten Tomatoes 🍅100% 🍿94% 〉
〈 IMDb 8.1 / Metascore 100 / Letterboxd 4.3 〉

2020 自宅鑑賞 No.427 GEO

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