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冬物語
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目次

冬物語の作品紹介

冬物語のあらすじ

フェリシーは旅先で知り合ったシャルルと運命的な恋に落ちるが、旅から戻ったあと、彼に教えた自宅の住所の間違いに気が付く。運命に弄ばれながら本物の愛を探し求める女性の信念と、やがて訪れる奇跡を描く。

冬物語の監督

冬物語の出演者

原題
CONTE D'HIVER
製作年
1992年
製作国
フランス
上映時間
114分
ジャンル
ドラマ

『冬物語』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 夏のブルターニュ地方のとある海、陽光煌めく穏やかな波に2人は吸い込まれて行く。どんなヴァカンスよりも穏やかだが、はっきりとした幸福な瞬間。2人は口づけを交わし合い、その一瞬を惜しむかのようにシャッターを切る。それら瑞々しい煌びやかなシークエンスはほんの一瞬だが、スーパー16mmで撮られた粒子の粗い映像は今回のデジタルリマスターされた4作の中で特に際立った印象を残す。フェリシー(シャルロット・ヴェリー)とシャルル(フレデリック・ヴァン・デン・ドリーシュ)は別れを惜しみ、アメリカに料理の修行に行くと言い残す彼に自分の住所を渡し、別れた。あれから5年、シャルルの姿はどこにもない。開巻早々の少女のようなフェリシーの表情とは一転し、ここでは疲れ切った彼女の姿が印象的だ。年老いた母親と暮らすアパルトマンは手狭で、娘エリーズ(アヴァ・ロラスキ)の穏やかに眠る様子を静かに見つめる。あの日から彼女はシャルルの連絡を待ったが、待てども待てども嬉しい知らせは届かない。だが彼女の美貌に周りの男は放っておかない。フェリシーが勤める美容院のオーナーのマクサンス(ミシェル・ヴォレッティ)からは妻と別れ、ヌヴェールで再出発するから一緒に来てほしいと求婚される。だがもう1人の男友達ロイック(エルヴェ・フュリク)も彼女に秘かに恋をしていて、女心は揺れるのだ。

 今作は男3人の間で揺れるフェリシーの葛藤の物語だ。5年前の運命的な恋の記憶は日を追うごとに徐々に薄まっていくが、思い出は思い出の中で美化されて行く。娘の机の上に置かれたポートレイトはあの日あの時あの瞬間を忘れないために存在する。だが言い寄る2人の男性(1人はインテリでもう1人は経営者)も互いに魅力的で捨て難い。ロメール映画に似つかわしくない教養のないヒロインは知的でないからこそ、考える前に行動に移し、違うと思えばさっと身を引く。だからこそ求愛する男たちにとってはタチが悪いとも言える。ここでは真にenfant terrible(恐るべき子供たち)な娘エリーズの振る舞いがフェリシーにとっては羅針盤ともなり得る。人と人を比べるのはあまりにも失礼だが、彼女は妥協しない。そして教養がない割にはうっかり観たシェークスピアの『冬物語』に感化され、かつての恋人との再会を天に願うのだ。『冬物語』ではなく『夢物語』じゃないかと邪推するほど、今作のクライマックスはあり得ない夢のようだ。その陶然とした奇跡のようなラストは『緑の光線』を凌ぐほどに観客の胸を鷲摑みにして離さない。エリーズの瞳は、フェリシーの身に起きた真にメルヘンな奇跡を見つめる。リチャード・リンクレイターの『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』と『ビフォア・サンセット』は間違いなく今作が無ければ存在しなかったはずだ。ロメールは作品が多すぎてどれから観たら良いのかわからないという観客にまず1本なら、間違いなく本作を推す。
maruco

marucoの感想・評価

3.9
冬物語観ました🎦

オープニング、誰もいない海辺で
素っ裸でいちゃいちゃ…、
はしゃぎまわるヤングな二人💝

これはね31年も前の映画やった。
だからあえてヤングと言わせて
もらった。

marucoはこのフェリシーという
女性がとにかく好きやった。
ジャケ写ではそれほど魅力を感じなかったけど観るほどに魅了されていった。
思惑も打算もない人。
私はそんなフェリシーのとても繊細で
真の心優しさに触れた。
そしてそれが、
ある面とても奔放な生き方にも見えてしまうフェリシーだけど決してそうではないと私は感じてた。
これら真っ正直な潔い彼女のいきざまにとても惹かれた。
そして父親を知らない5歳の娘エリーズのママでもあるフェリシーはどんなときも愛娘に想いを馳せるとても素敵な女性でありそして母だった。
私はそんな母娘に何度も何度も泣けた。

そしていよいよ、
フェリシーの、
時には娘エリーズもろとも、
3人の男達との出逢から結末までの物語を
つまびらかに紐解いてゆく。

本作そこそこ好きだった。
結末も後味も良かった。
だけど惜しい、
私が最も味わいたかった部分なのに、
急くような畳み込むような仕舞い方…、
あるいは終い方が勿体なく、
あっけない想いがした。
もっと心揺さぶられる、
そんな結末を観たかったかな。

ミナサンマタアワセテクダサイ🤝
emily

emilyの感想・評価

4.7
夏のバカンスでフェリシーは運命の男性シャルルとブルターニュ海岸で出会い、再会を誓い住所を教えるが、その住所は間違っていた。5年後、シャルルとの間にできた子供を育てる未婚の母になっていた。美容室のオーナーで彼氏の一人マクサンスは妻と離婚して、ヌヴェールで新しいお店を始めるので一緒に来てほしいと誘う。もう一人の彼氏は図書館司書のロイック。結局マクサンスについていくが、うまくいかずかえってくる。またロイックと関係を築くに見えたが、なんとパリでシャルルと再会するのだった。

バカンスのシーンから始まり、美しい夏の風景を切り取るように、写真を撮り、自転車で海岸沿いを走り、はかない夕日に二人の関係の終わりが重なる。季節はタイトル通り5年後の冬、12月。暗めの色彩の中にひときわ赤が際立つ。それはクリスマス前の華やかな色で、フェリシーの心情と対照的に美しく浮かび上がる。地下鉄に乗り、バスに乗るシーンが何度も繰り返し映像に映し込む。当然このシーンが非常に大事になってくるわけで、常に無表情で不安な表情の彼女を印象付ける。

対照的な二人の男と関係を持ち、お互いにその男の存在、そうしてシャルルの存在も承知している。フェリシーとロイック、フェリシーとマクサンス、それぞれの会話劇は質が違うもので、今回は言葉を逆手に取った、「言い間違い」が筋を引っ張っていく。それにより起こった悲劇、それによる好都合、しかし彼女には全くの駆け引きがなく、素直な気持ちを言葉にのせる。時に残酷に映る彼女の発言も、なぜか包み込むように許してしまう男たち。そこには計算された物が一切なく、いつまでも無垢な、恋する少女のままな彼女は愛おしい存在に映る。そこに交わる宗教と子供の存在、哲学的思想、一定化しないフェリシーの心は定住する家を持たずいろんな家を行き来する行動に現れている。

住所を教え間違いしたことで運命の彼に会えなかった。当然それは意図的なのか、本当に言い間違いしたのかは分からない。ただそう考える観客自身の心が歪んでるように思わせる。実際ありえないような話ではあるが、彼女はやはり単純に言い間違いしてしまったのであろう。それはその後の会話劇で見える純粋さが物語っている。彼女の言葉の一つ一つが残酷で、男の間をするっとすり抜けてくような小悪魔的に見えつつ、それが意識的ではないところが愛らしいし、男たちが虜になっていくのは理解に値する。

宗教的な暗示と、シェイクスピアの「冬物語」のお芝居が物語に深みを与えつつ、シャルルの幻想にさらに取りつかれ、他の二人の男を清算する。しかしそれは誰かに定着するのを恐れる彼女の心情の裏返しのようにみえ、シャルルとの再会を待ちつつ、それは幻想であるからこそ成り立っていたように思える。そこに皮肉にも待ち人が現れてしまう。会話劇のセンスはもちろんだが、このあたりの皮肉感もロメールらしく、心が躍る。幸せなまま終わらないのはわかっているが、それを敢えて幸せそうな家族の絵のままで終わっていくのが良い。

夢は夢のまま終わらせるほうが幸せな時もある。
しかし運命の人とはどんな形であれ再会できてしまうんだろう。そんな皮肉な運命の重なりをぶつ切りしたラスト、意味深な子供たちの表情から未来を予感させる。

『冬物語』に似ている作品

アバンチュールはパリで

製作国:

上映時間:

144分

ジャンル:

配給:

  • ギャガ
3.6

あらすじ

国選画家のソンナムは、妻をソウルに残し、憧れだったフランス・パリへとやって来る。パリ観光の案内役・ヒョンジュとともに美術館に向かったソンナムは、彼女からルームメートの画学生・ユジョンを紹介…

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