ナチス台頭から統一の作中タイムラインで第二次世界大戦直前のドイツが舞台。
でも、英語音声。

鉄鋼業で財を成した貴族の勢力争いを軸に、戦争に向けて一気に加速する時勢と、軍事化兵器量産の為ナチスの介入と駆け引きを織り込んだ、栄枯盛衰、一族凋落の人道的道徳心が堕落していく様を描く、どこぞの家系ラーメンの様に 濃厚ドロドロ真っ黒スープな山崎豊子原作系 退廃的物語。🍜

戦争に向かって世が歪んで行く様や権力と利権絡み等で徐々に人間性を失って行く狂喜を孕んだ世界観はなかなか観応え有り☝️
…けど、「長いナイフの夜」クーデター等、所々解らない状況もあったので、勉強してからもう一度観直したい作品でした(^^)

「 Damned」の１st.アルバムタイトルは上手い事名付けたなぁ～と感心しつつ、物語を象徴したジャケはお見事～👏

関係無いけど シャーロット・ランプリングが超絶綺麗過ぎました～😍

ヘルムートバーガーいつも怪演してるけど今回はバブみのさきがけ的役柄を完璧に演じ切ってて良い。激動の時代すらも個人的な欲望に利用する怪物たちの戦いにどきどきする。そんな彼らも結局は時代に翻弄された個人にすぎなくてフリードリヒなんか特に悪の凡庸さの1類型って感じ。特典映像で言いたいことがあるから映画を撮る忘れてはいけないことがあるって言ってる割にある種矮小な主軸で描かれる。時代の変化の中で表出する人間性。ヴィスコンティの興味はやはり大きな歴史の中で生きる個人に対してより強くあって、彼の哲学は人間を描くことで表現されるんだろうしヴィスコンティという一個人の美学が作品全体を貫いているからこそ人間の描写に成功するんだろうな。結婚式終わった後めっちゃおっぱいしゃぶってる客がいるの一体どういうこと

ドキュメンタリー映画「ヴィスコンティの肖像」を鑑賞して以来、ずっと気になっていた作品。サブスクに上がってはいなかったので、久々にゲオオンラインでDVDをレンタル。

ジャケ写と邦題がとにかく最高。ヴィスコンティ監督のドイツ三部作の第一作だが、「ベニスに死す」「ルートヴィヒ」のような耽美的な映像手法は取ってはいないものの、ナチス政権下の貴族のデカダンスを見事に描き出していて個人的には、やはりこの監督の作品は肌に合う。

「山猫」で登場する貴族の館とは対照的に日中でもほぼ日が差さない室内の、一種、舞台調のライティング、キャストの衣装やメイクへの監督の妥協を許さぬこだわりが感じられる。イングリット・チューリンの能面のような白塗りメイクなんてマクベス夫人そのもの！

キャスティングもいい。「ベニスに死す」のダーク・ボガード、スウェーデン出身の「野いちご」のイングリット・チューリン、ヘルムート・グリームに若き日のシャーロット・ランプリング。そして、今作でヴィスコンティ作品デビューとなった、監督の寵愛を受け続けたヘルムート・バーガーの艶っぽさと言ったら・・。「若者のすべて」「山猫」のアラン・ドロンを彷彿させる典型的な美男子で、監督の好みがよ～く分かる。

ナチズムに対する批判的なメッセージなどがもっと込められているかと思いきや、さすがは貴族出身の監督。その部分は作品では語らず、自分の美学を作品を通して貫いたって感じかな。

恥ずかしながら、終盤に登場する「長いナイフの夜」事件についての史実は知らなかったが、それでもヴィスコンティ監督ファンなら一見の価値は大いに有り。