地獄に堕ちた勇者どもの作品情報・感想・評価

「地獄に堕ちた勇者ども」に投稿された感想・評価

ooospem

ooospemの感想・評価

5.0
ナチズムとデカダンというテーマでは今作も究極だった。どんどん大人の男らしくなっていくヘルムート・バーガーの怪演は流石としか言いようがない。人間どもが欲深さをあらわにしてゆく中、様々な駆け引きと愛の形が交錯する。中でも極め付けの母親を強姦するシーンでの叫びは究極の求愛でもあったし、やり手の女であったゾフィに眠っていた母性の目覚めという一種の敗北でもあった、濃密なのに冷徹、人間臭いのに高尚な空気をまとうヴィスコンティの映画でしかこんなシーンは描き切れなかったと思う。
《長いナイフの夜事件》という歴史を初めて知った。
lun

lunの感想・評価

-
かなり前に観てあんまり覚えてないからスコアはまた今度観た時にしようと思うけど
ヘルムート・バーガーに出会ってしまったことだけは覚えてる…
しびれる…*:.。.*
華麗なる貴族一族の愛憎劇。ヴィスコンティ作品の中ではかなりエンターテインメント性に富んでいると思う。

打楽器が鳴り響く不吉な音楽と炎の映像で幕を開ける。ビッと震えが…。国会議事堂焼き討ちの画だとその後わかる。

製鉄工場としてナチス政権に同調せざるを得ないエッシェンバッハ家。しかし一族の中でも意見が割れ、権力争いによる足の引っ張り合いや裏切りがこれでもかと続く。

そしてなんといってもヴィスコンティの寵児、ヘルムート・バーガーの頭のネジの飛んだ、超越した美青年ぶりが見どころ〜〜😆やっぱりこの人はどこか浮世から外れた、いかれた役を演じると素晴らしい。女装ありナチス党員の軍服姿あり…

ただ人物相関図が分かりづらく、顔と名前がなかなか一致しないのが辛い。私は解説を読んで再度観て、ようやく理解しました。

「あなたの罪がいちばん重い
この怒りはあなたには想像もできまい
破滅させてやる」

あぁ、怖い…この後復讐に向かうのです…
1980年9月26日、大塚名画座で鑑賞。(ヴィスコンティの2本立て、400円)

ヴィスコンティ監督作品の中でも異色。
ナチスが出てきて暴力的。

この映画をずっと覆い続けるデカダンスの雰囲気が、当時学生の自分には、何とも面白くなかった。若者が観る映画ではなかったかも…。

しかし、『ベニスに死す』との二本立てだったので、なおさら辛かった。
久々の鑑賞。
この画力の凄さ、主演の人々の演技力に圧倒され続け、この長さがあっという間に過ぎ去る。
役者、豪華過ぎ。

ああ、ヴィスコンティってこうだったんだ…
たけむ

たけむの感想・評価

4.0
他で見ない観点でのナチ映画だった。
勢力争いのドロドロ具合が面白いんだけどいかんせん顔を覚えるのが苦手なので顔を完全に把握した今もう一度見返したい
movko

movkoの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

安定のヴィスコンティ。 部屋やテーブルセッティング全てが美しい。ドイツ貴族、製鉄所経営の絢爛たるご一家が、政権交代と時代の流れに飲み込まれて没落し、時代の地獄に落ちていく退廃美。斜陽。

時代の節目の香りプンプンのJPなので臨場感を持って鑑賞。乱世をチャンスとばかりに既得権益者に集まる輩たち、憎悪を仕掛けられて、とりつかれ、増幅。あの清廉な弟くんまでもが墜ちてゆくー。冒頭の貴族のお爺様の見識が一番まともぽく見えたけど、あはれなり。

何より、ヘルムートバーガーさんがすべてのシーンで邪悪に美しい地獄の貴公子状態で、目が釘付け。アンモラル(十分変態)だけど気品ある美しさという魅力が、たまりません。

当時のドイツの軍部のあれこれも視覚イメージとしてわかって興味深い。お酒を飲んだドイツの皆さんの羽目のはずし方が激しすぎて衝撃でした。
恍惚とその直後の破滅。

ヴィスさまの没落貴族シリーズ美しすぎる。
Scriabin

Scriabinの感想・評価

5.0
ヴィスコンティはホントに家族をいっぱい描いてる。どれも素晴らしいけどこれが一番好きです!内容はズバリそのものデカダンスだけど、重要なメッセージを含んでるし、なんといっても俳優たちが…ヘルムートバーガーにシャーロットランプリング!!見どころもどっさり。そして安定の映像美もう最高でした!
ami

amiの感想・評価

3.6
ウィキペディアの中で、本作品を「デカダンス的に描いている」というような表現がありましたが、まさにそう。製鉄会社の権力争い、それに絡んでくるナチス。
あらすじとしては、もうドロッドロですが、見せ方はまさにデカダンス的!!
実際の事件をなぞらえて作っても、それなりに面白い作品になると思いますが、ここにヴィスコンティは芸術性を巧みに詰め込んでます。こういう所が天才と呼ばれるなのでしょうか。
haruka

harukaの感想・評価

3.9
なにも調べずに観始め、はじめはいつの時代のなんの話なのか戸惑ったけど、徐々にそれが見えてくるのでどんどん引き込まれる。
狂乱の宴のあと、静かにやってくる彼らの姿に、「ああ、これはあの事件か!!」と思い至ったときの鳥肌。
母の言いなりで、クズだけど権力に興味のなかった青年が目をぎらつかせて保身と立場を求め、チェロを愛し、穏やかさを知っていた別の青年もかわった。大人たちもそれぞれ、みんな操られて、気がついたら地獄にいる。でも、時代的に、きっと本当の地獄はここから始まる。
>|