記録

人生に絶望した4人の初老の男たちが、古い屋敷に集まり娼婦と遊び、錦衣玉食、食べ続けて死んでいく姿だけを描いた風刺ドラマである。

豪勢な食事と汚い咀嚼音、長すぎるオナラ、無分別な姦淫、便器から飛び散る糞尿など下品かつ貧相極まりない描写のオンパレードで、中には眉をひそめる人たちもいたかもしれないが、マルチェロ・マストロヤンニは中年とはいえども何処かしらダンディズムは残っていた。

食事中のおならやゲップは満足のサインであり、そして古代ローマでは、過剰な食事をお腹一杯に入れた後に、嘔吐して再び食べ続けるという風習があり、ヴォミトリウムと呼ばれており、食事を続けるための手段として使われていたが、本作はその退廃的な晩餐風景をアッパークラス（上流階級）に対してのブラックユーモアとして描いている。

ウーゴ・トニャリッツィのヴィトー・コルレオーネの物真似は劇場内にもクスクスと笑いが起きたが、彼の十八番（おはこ）とする芸事なのだろう。プライベートとして仕事以外の宴席でもやってそうで、マーロン・ブランドに似ている事は芸として認めるが、やり過ぎは飽きられるので禁物である。

ところで生きることを諦めたのならば、過度の食欲や性欲のようなリビドーが出るものだろうか？ もしも自分がそのような状況に置かれたのならば、食事も喉には通らないだろうし、異性、他人よりも自分のことで手一杯になるのではないか。もしくは今まで通りに平々凡々の日々を過ごすぐらいだとは思うが。そこはお国柄や文化の違い云々よりも個人的な問題でもあるが。そしてどちらかと言えば彼らは、生きることに絶望したよりも、死ぬことに悲観をしたようでもあり、皮肉を交えた前向きな描き方にしている点には些か好感は持てる。

マルコ・フェレーリの代表作はDVD化（本作も）されているが、他に「バイバイ・モンキー／コーネリアスの夢」「猿女 La donna scimmia」等の隠れた迷？作が国内ではソフト化（VHSはあったかな？）されておらず、あまり知られていないので、彼のビザールな世界をこれを機会に知って頂ければと思う。

「奇想天外映画祭2024〈Vol.6〉」
［K's cinema 16：20〜］

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◼️”食欲”と”性欲”を満たしに満たした結果は？？◼️
　
毎年、この時期に開催されるケイズシネマさん（@新宿）の「奇想天外映画祭2024年」〜😳
　
今年は、この時期に見たい映画が重なっていたので、本作『最後の晩餐』(1973)だけを選びました〜
　
　
パリの由緒ある大邸宅に、四人の中年男が集まる。
　
☑︎料理家のウーゴ（Ｕ・トニャッツィ）
☑︎俳優のミシェル（Ｍ・ピッコリ）
☑︎裁判官のフィリップ（Ｐ・ノワレ）
☑︎国際線の機長マルチェロ（Ｍ・マストロヤンニ）
　
上記のフランス、イタリアの有名俳優たち、豪華キャストなのに、内容がとてもやばい…😅
　
　
生き続けることに絶望した4人の中年男が、食べまくって食べまくって死んでいく映画〜
　
”食欲”と”性欲”を満たしに満たし、それに排泄物などが入り混じる、奇想天外な映画〜😅
　
　
死んだ人たちが透明の冷蔵庫内に吊り下げられた横で、続けてお料理を作って食べ続ける様子が、気持ち悪く印象的だったな〜
　
　
マルコ・フェレーリ監督作品、
退廃した現代文明への強烈な風刺だそう〜
　
　
ところで、私の最後の晩餐は、こんなたくさんのお料理じゃなくていい〜
少量で美味しいものが食べたい〜✨
　
美味しいお寿司とかね〜🍣
　
　

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