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シャドー・メーカーズの盆栽のレビュー・感想・評価

シャドー・メーカーズ(1989年製作の映画)
3.3
アメリカの罪


 もうすぐ公開の『オッペンハイマー』に備えて、「マンハッタン計画」を描いた本作を鑑賞。主人公はマンハッタン計画の指揮を執ったレズリー・グローヴス将軍(『オッペンハイマー』ではマット・デイモンが演じます)で、オッペンハイマー博士は助演的立ち位置。ですが意外とオッペンハイマーの出演時間が長いので、彼が主人公としての見方もあります。

 物語はマンハッタン計画の立案からトリニティ実験の成功までを描く。広島に落とされた"リトルボーイ"と長崎に落とされた"ファットマン"を完成させるまでの過程は、日本人としてはあまり良い気分にはなれませんが、こういう背景があって完成したのか、とちょっとした新たな発見がありました。オッペンハイマーや他の科学者も実際に戦争で使用することには反対してたんだもんな。そういう面では哀れな人物だったのかもしれない。あそこまで強要してくる軍がヤバすぎる。

 結局、本作は原子爆弾を作ったことに対する後悔を描こうとしたのか、アメリカの歴史的成功を描こうとしたのかハッキリしない作りなので伝記映画としては「どうなのかな?」と思ってしまいました。後者だったらモヤモヤしか残りませんが…

 おそらくノーラン節により、人物関係が複雑化するであろう『オッペンハイマー』に向けて、簡単な予備知識は入れることができたので難なく観れることを願います。

2024.3.26 初鑑賞
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