泪橋の作品情報・感想・評価

「泪橋」に投稿された感想・評価

疲れた中年と不思議ちゃん美人の邂逅。
確かに同原作者かつ渡瀬恒彦主演の『時代屋の女房』に似ている。
『時代屋の女房』と違うのは、ヒロインのバックボーンが描かれているかそうでないか。
『時代屋の女房』の夏目雅子はどこまでも正体不明であり、徹底した渡瀬恒彦視点だからこそ、神秘性を保ったままドラマが展開されていた。
一方、『泪橋』のヒロインはがっつり過去が描かれる。ヤクザだの近親相姦だのそれはもうたっぷりと。
問題は、その過去がさほど渡瀬恒彦とのドラマに絡んでかない点だ。

瀬川新蔵や殿山泰司や原田芳雄のキャラは濃く、演技も良いし猥雑で生々しいサブストーリーも単体で観るとそれなりに面白いのだが、これも本質的には話に絡んでこない。
個々のエネルギーが全体の流れに対して傍流過ぎて、物語の推進に機能しないのだ。
原作は未読なので何とも言えないが、もしかして脚本に関わっている唐十郎の特色なのだろうか?
そういえば監督作『任侠外伝 玄界灘』も全く同じ欠陥を持っていた。
まあ「脇役」だって本来は個々の人生を生きているわけで、物語の歯車として存在してるわけじゃないし、リアルっちゃリアルだけど…
昔観て訳が分からなかったけど今観ても訳が分からず、後半は当たり前のように寝てしまいました。難解とかじゃなくて訳分からんだけ。

千石イエスなど時事ネタもぶっ込んだりして出来の悪いATG映画ような感触しかなかった。

レゲエ調の音楽が壊滅的にダサい。。特に立会川と泪橋の名前の由来を渡瀬恒彦が語るバックに流れた時は退館しようかと思ったほど。

ヒロインが80年代メイクな上に可愛くなくさらには大根過ぎなのが辛かったけど、渡瀬恒彦の妻役の藤真利子の普通な美しさを再発見。