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ドナルド・リチー作品集
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『ドナルド・リチー作品集』に投稿された感想・評価

菩薩
5.0
①、戦争ごっこ

ノーマン・マクラーレン『隣人』の子供@砂浜with山羊みたいな作品。山羊を囲み対峙する14人の少年、生き絶える山羊、波打ち際に砂の山、波で崩され露出する死骸、見つめる1人の少年。振り付け:土方巽とあるが、暗黒舞踏感は皆無、むしろ細江英公感はMAX。

②、熱海ブルース
62年熱海、賑わう街、追う男、追われる女。お風呂の覗き見から始まり、最後は一緒に入ってフル勃起、恋なんて謂わばエゴとエゴのシーソーゲーム。音楽:武満徹、pure jazz。

③、猫と少年
黒猫や、オナニー止める、蝉の声。黒猫とチンポ。

④、死んだ少年
エロスvsタナトス、墓の前でのぶっかけオナニーは流石に罰当たり、波打ち際に打ち上がる青年の遺体、何故か乳首にドアップ、要するにガチホモ。

⑤、五つの哲学的童話
三島激賞もうなづける超ブラックユーモア。大腸びょんびょん引き出すやつはもしかして『ラッパー慕情』の井口昇の元ネタ?第3章は大きな樹の下で大カニバリ大会、骨までしゃぶる。操り人間、逆立ちの世界、身ぐるみはがされ男、意味は分からずとも面白い。

⑥、シベール
前衛パフォーマンス集団ゼロ次元とのコラボ作品。これはとにかく過激。線香の束やら、ぶっとい枝やら、基本アナルに物を差し込みまくる足穂的世界観、というか葉っぱが無い葉っぱ隊みたいな。後おちんちんに紐くくりつけてお散歩、いやおちんぽ。最後は血みどろの死体の上に寝そべり恍惚の表情、堪らない。


総じて超アヴァンギャルド、超ATG臭、超変態的性癖の大暴騰かつ大暴投、俺が観たいのはこういう作品だった。
黒澤、小津、溝口監督らを欧米に初めて紹介した映画批評家で、前衛映画作家としては大林宣彦、足立正生らとフィルム・アンデパンダンを結成(1964)し活動したドナルド・リチーの作品集。

60年代日本アバンギャルド~アングラ史を語る上で、ドナルド・リチーはキーマンとして欠かせない存在と言える。そのフィルモグラフィーと人脈を追うことで多くの発見があった。

① 「戦争ごっこ」(1962)22分 振付:土方巽
海岸で14人の少年たちが一匹の山羊の死の儀式を行う。。。

同じく土方巽が振付した細江英公監督「へそと原爆」(1960)とシチュエーションが全く同じで姉妹編のように見える一本。同作の出演は大人と幼児だったが、本作は“少年”であることがリチー監督の個性なのだと後の作品を追うとわかってくる。霧がかった荒波の砂浜が幻想的で素晴らしい。どのように撮ったのか調べたら台風の合間を縫って撮影したとのこと。

② 「熱海ブルース」(1962)20分 音楽:武満徹
  熱海の旅館で出会う男女の恋の駆け引き。温泉に女が入っているのを知らずに戸を開けてしまった青年は、一目ぼれしアタックを続けるが。。。

  行きずりの恋をセリフなしで描いている。当時としては突き抜けてオシャレに見えるのは、武満徹のジャズ劇伴によるところが大きい。湯船に浸かる女性の長すぎる髪。女性の気持ちをモノにしたとたん、指の残り香を嗅いで去っていく男。男女の恋愛感情の性差をユーモラスかつ非情に描いている。二人が立ち去った風景の余韻に小津監督へのオマージュが見える。※同年の「キングコング対ゴジラ」(1962)で熱海城が破壊される。

③ 「猫と少年」(1966)5分
蝉の声が鳴り響く縁側に黒猫が一匹。黒Tシャツの青年がポルノ写真をばらまいて見つめる。青年は欲情するが黒猫が邪魔をする。聞こえてくるピアノの練習音は、うまく弾けず何度もつっかえて繰り返している。。。

  何ということは無い短編なのだが、自分が黒猫を飼っていたからなのか妙に印象深く感じた。生理的ノスタルジーを呼び覚ますような一本。

④ 「死んだ少年」(1967)13分 詩:高橋陸郎「死んだ少年」より
石仏が並ぶ墓場。海辺に横たわる全裸青年の死体。墓場を訪れる黒シャツ青年のフラッシュバック~草むらで抱き合いまさぐりあう男二人。墓前で自慰行為にふける黒シャツ。。。

卒塔婆とエロスの組み合わせは、同年「ウルトラセブン」(1967)で名作を連発していた実相寺昭雄監督のアイコンでもある。ただし実相寺監督はSM志向であり、本作は同性愛で性と死を描いている。リチー監督はバイセクシャルを公言していて、フィルモグラフィーからは特に少年愛が伝わってくる。

⑤ 「五つの哲学的童話」(1967)47分 出演:日本マイム研究会
【1】一人の女性を奪い合う二人の男が喧嘩になり、一人は落ちていた白い袋に身を隠すが出られなくなる。。。
【2】人造女性を作り上げた男は、妻にして支配しようとするが逆に支配されていく。。。
【3】のどかな林の中を男女4人がピクニックにやってくる。1人の男が横たわり、3人で男を食べ始める。。。
【4】銀座の繁華街を逆立ちで歩き続ける男。公園のベンチに逆さまに座り、隣の女性をくどこうとするが。。。
【5】白人が語らい合う屋上広場。そこにやってきた日本人の男が求められるまま衣服を一枚一枚脱いでは渡していく。最後は全裸になり東京駅苗の街並み、海、山へと歩いていく。。。

寓話的なショートコメディが5幕。【5】の最後に【1】の物語の回収がある。【3】のピクニック篇は、三島由紀夫が「黒いユーモアの極致、無法きわまるファルス」と激賞した。腹を切り内臓が出てくる描写は、三島が前年に監督主演した「憂国」(1966)の切腹シーンと表裏を成していると思う。


⑥ 「シベール」(1968)20分 出演:ゼロ次元 音楽:ラモーのバレエ曲
墓場にスーツ姿の6人の男が登場し全裸になって踊る。そこに一人の女性が現れ男たちを虐待、肛門に枝を突き刺して殺害する。折り重なった死体の上に横たわり女性は笑みを浮かべる。。。

  過激な笑いと残酷のパフォーマンス。女性が男性たちの性器一本一本を紐で結んで引っ張って歩く。引っ張られた性器が伸びて痛そうだが男性たちは苦しみながらも嬉しそうにも見える。こんなのは初めて観た。アングラ・パフォーマンスの極致を記録した貴重な映像。「恋人と結ばれた後、その恋人を殺してしまう古代の女神シベールの物語がその下敷となっている。ここに描かれる儀式は、その物語の解釈であり後日譚である」(リチー監督)
3.7
『熱海ブルース』('62)
無性に好い。ショットとつなぎ方が矢鱈かっこいい。編集もリチー本人。
シンプルなボーイミーツガールが何だか好い。60年代の温泉地 熱海。険のあるムスッとした縄文顔の女性とどことなくムワッとした淫靡さのある男性も好い。甲斐甲斐しくお膳の茶碗や箸を整える動作で女性の心境の変化が単純に表現される。音楽が武満徹なのか。

『戦争ごっこ』('62)
「協力 土方巽」とあるがどのへんで関わったのだろうか?少年たちの動作?
これもショットが矢鱈かっこいい。ロングショットで少年たちが海岸線を行進するシルエットも、少年のアップの構図もかっこいい。波の音と海水パンツの少年たちの視線と視線の先にあるものだけで進行する。
Wargamesのタイトルが示すとおり象徴的な内容だが当の少年らは山羊の死体運ばされたり墓掘らされたりナンヤソラと思っていたかもしれない。

『死んだ少年』('67)
高橋睦郎の同名詩にインスパイアされた作品とのこと。今回観た4本のうち最も性と死がダイレクトに表現されていると思った。この映像にシタールの音色を合わせるというのもまた。

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