東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語の作品情報・感想・評価

「東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語」に投稿された感想・評価

calico

calicoの感想・評価

4.0
成果の上がらない「行動」を繰り返すより、私的ノスタルジーへの回帰を潔しとしたがる、後ろ向きな姿勢が漂う。
理屈を弄ぶ学生運動家を擁護するようで、実は幻滅している。
個と全体の間で引き裂かれていく者の内面が、焦燥と共に綴られていく…。

近年も流行った「分身もの」のドラマツルギーを脚本の中心に据えているが、全体的にはタイトルが完璧すぎて、内容のすべてを要約してしまっている感じ。松竹→ATGと場を移し、監督はよりリアルでアーティスティックな『青春残酷物語』を撮りたかったのかもしれない。
ゆえにデティールは、素晴らしい。互いを傷つけ合うような男女の交歓に、堂々巡りの押し問答が独白のように被さる場面は、うっとりするほど官能的だ。やり場のない怒りに満ちた若者たちの性を、これ以上は望めないほど理想的に映像化する手腕は、超一級!サイケ+音響のようなOSTもカッコいい。
誘拐→輪姦という、ポルノ映画を牽制するような過激濡れ場も含まれていたが、当事者の目に映る反転した高速道路は、すべての劣情を封じ込めるほど静かで、荒涼としていた。
Hawkwind

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2.5
無名俳優のみをキャストに揃えたセミ・ドキュメンタリー風作品。
今となっては学生運動のパロディ・ギャグにしか感じない前半の学生達の会話がなかなか面白いが、終盤になると物語が暴走してついて行けなくなる。
難解な部分も多いけれど、1970年という近代でも稀な混沌とした時代を描いたという意味では一度は観ても良い作品。女子学生ヒロインの初々しい可愛さも印象に残った。
barakachan

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3.6
私には難しくて、正直良くわからなかった
でもこの分からないことを大真面目に、青春というか命をかけて議論して、立ち向かう時代だった、でもそれが外からみると若干滑稽であることを伝えたかったのかなぁ
時折戸田重昌の美術が光る

今日は六四
天安門事件のあった日だ
熱い時代も移りゆくのかな 悲しい
ri

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2.0
アンスティチュ・フランセ東京にて。

私は何を観たんだ?
この世に風景がある限り、どうやら「あいつ」はいるらしい。そしてどこにもいないらしい。
大島渚監督が描いたフィクションとノンフィクションの狭間、という感じの映画だった。

冒頭、「俺のカメラ返せよ!」というやりとりが手撮りカメラで撮影されていたが、その撮っていた男はビル屋上から飛び降り自殺してしまう。
その男は自殺した時間には仲間と居た、という議論。難解な言葉続出。
飛び降り自殺した男の恋人なる女が、遺書がわりの映像の前で裸になって映像を身体に受ける、といった前衛的な表現もあり。
この女、次々とレイプされたりもする。
…といった具合に展開していくが、途中で代々木公園あたりのデモ隊と機動隊などの諍いが映されるあたり、大島渚は常に日本という国家権力との闘争意識を持っている気がする。

ただ、映画作品としては、一般受けするものではないだろう。

<映倫No.16409>
otom

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4.0
久々の鑑賞。ひたすら描写される東京の風景、そして無名の役者(棒)。一時代の挫折者達の虚無感と言ったらない。何だかホラーな話の筋で武満徹のサイケな音楽も良く合っている。レクイエム感は半端ない一本です。良作。
若者たちは棒読みで国家権力などについて語り合う、武満徹の音楽が流れるなか女の子は映像を自らの裸体に映す。アヴァンギャルドなのか、いや、ドラマチックでもある。
冒頭の演出とか役者の演技とか、学生の撮った自主映画っぽいぞと思ったけど、この「これでいいんだ」感、やはりこれは大島渚映画なんだ。
昔はほとんど好きな映画が無かった大島渚、この作品も例に漏れず昔嫌いだったのだけど、最近ようやく楽しみ方がわかってきた気がする

というのもこの作品等60年代の大島渚の映画には役者の演技があまりに酷くて見るに耐えないと思ってしまい、今見ても言い回しが単調で下手という印象は拭えないのだけど、逆に近頃はその台詞の下手な感じが独特の雰囲気を醸し出しているように思え、一周回ってそれが面白いと感じられる

しかもそれでいて映像は女の裸体に映写されたフィルムが映る場面等情緒溢れて見事なシーンばかりで、この映像的秀逸さと演技の拙さが絶妙なコントラストを齎しているのもまた面白い

副題にもなっている映画を遺書にする男ってのも共感が抱けて良いし、超現実的な展開も好みだったし、学生運動とかどうでもいいという気分に反し全体的に面白味の感じられる映画だったのだけど、今なら他の大島渚作品も同様に好意的に見れそうな気がするし、netflixで鑑賞できる分だけでも試しに見直す必要がありそうだ

このレビューはネタバレを含みます

ラストムービー。
自殺した男が残した、風景だけが写るフィルムの意図を探る…という一種のミステリー風だけれど、自分の頭では難しすぎた。
見終えてネットを巡回し何となく理解に近づいた様な気になっている。

俳優でない出演陣によるぶっきらぼうな棒読み台詞は演じる者には出せない迫力がある。
当時の学生運動について分からないながらも、とても刺激的だった。
床ずれ

床ずれの感想・評価

4.0
都市をさまよう亡霊を追いかけて行く。死んだ元カレが撮影した映像のスクリーンの前で自慰する女のエロさよ。何より武満徹の音楽がカッコよすぎる。ヴェルヴェッツみたい。
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