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昔々、アナトリアで
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『昔々、アナトリアで』に投稿された感想・評価

4.3
 闇の中に浮かび上がる車の隊列が独特の雰囲気を醸し出す。3台の車を降りた男たちの中で、「ここか?」とある1人の男に声をかけるも、「ここではない」という気の無い返事が返って来る。どうやら彼らは主犯格の犯人を遺体遺棄現場に連れて来ることで、埋められた死体を探している。この導入部分は明らかにフィルム・ノワールの影響を醸し出す。暗闇の中のオレンジの光、男たちの捜索、言葉をほとんど発しない不敵な犯人、そしてそれを取り囲むように1台の車に収容される物々しい男たち。ここまで完璧にハリウッドのスタイルを踏襲し、ショットの一つ一つが不穏な空気を醸し出す映画は近年稀である。しかしながら今作はフィルム・ノワールを踏み外す。主犯格の男の供述を元に、彼らは心当たりのある場所へ一つ一つ案内するが、酔っていた犯人はどこに連れて行っても、「ここではない」という主張を変えることがない。やがて疲労のピークに達し、警察と検察と医者の仲間割れを狙い、その隙に主犯格の男が逃げるのかと思えば、決してそのような安易な方向には進んでいかない。物語は一向に要領を得ないまま、車中の無駄話に必要以上に時間を割き、警察が主犯格の男を連れ回している間の待ち時間の、医者と検事の他愛のない話を延々と繰り返す。

 ここでも前作『スリー・モンキーズ』同様に、事件そのものは観客に目隠しされ、周辺事態の方に明らかにフォーカスしていく。ジェイランは単純な切り返しを極力用いることがない。風景は常にロング・ショットでフレームの中に収まり、役者の細かい演技でさえも据え置かれたロング・ショットの中で行われることが多い。トルコの美しい自然溢れる風景をバックに、荒涼とした大地を3台の車がゆっくりと進み、丘陵地隊を緩やかに下り、そして緩やかに登っていく。3台の車列はジェイランのロング・ショットにより風景の中に溶け込み、物語さえも自然の中にゆっくりと埋没していく。ミステリーの終着点はどこかへ消え去り、真にスピリチュアルな体験が登場人物たちを優しく包み込む。やがて死体遺棄の現場にたどり着き、むごたらしい死体を犬が掘り返す現場に遭遇する。おそらく腐敗した臭気は既にその現場に立ち込め、真にバイオレンスで猟奇的な現場を目撃することになるのだが、ジェイランはその猟奇的殺人から別の方向へと我々観客を誘う。こんな残酷な場面にも警察組織の人間の本音があり、検察と医者は粛々と仕事をこなしていく。人間の死という最も悲しむべき場面は棚上げされ、そこにあるのはルーティン・ワークとしての作業でしかない。その作業が荒涼とした土地で粛々と行われる。

 街に戻ってからの主犯格の男に対する被害者家族の抵抗の瞬間は、真にシリアスな沸点へと掻き立てる。加害者と被害者にはおよそ10m弱の距離があるが、その距離を超えるために被害者の息子の精一杯の抵抗があり、被害者の妻の冷淡な目線がある。身勝手な犯罪の詳細を追うことはないものの、ジェイランは加害者と被害者の距離を物理的に示すことで、私たちに様々な感慨や余韻を抱かせる。決して説明的にならずに状況を雄弁に語るような素晴らしい描写である。
一
4.1
トルコの巨匠 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品

第64回カンヌ国際映画祭で自身2度目となるグランプリを受賞したサスペンスドラマ

広大な草原地帯で殺人事件の遺体を捜索する男たちが織り成す人間模様を重厚なタッチで描く

磨き抜かれた独特のセンスが理想的なほどに映画的語り口として昇華され、言葉を失ってしまうほど素晴らしかった…

恐らくほとんどの人は一度見ただけでこの映画を理解するの不可能
だからこそ二度目の鑑賞で鳥肌が立つほど感動してしまった

比較的誰が観ても楽しめそうなあらすじですが、当然ながらこの監督が単純明快に描くわけもなく、ほとんどは会話劇中心の静かな物語
こういったストーリーの場合、並の監督なら確実に陳腐な作品と化していた事でしょう…

『雪の轍』『読まれなかった小説』とは似てるようで異なるタイプの作品で、それらと比べると場面の移り変わりは多めでしたが、群を抜いて難解と言える2時間半

本作はカンヌの常連監督らしさが隅々に感じられるほど哲学的だったり文学的だったりと、細部にまで渡り非常に上品に作り込まれている印象を受ける
その上で洗練された脚本や圧倒的に美しい映像を堪能しつつ、ひたすら上質な唯一無二の超一級サスペンスに仕上がっちゃってるもんだからもうお手上げです…
なにより、静寂さを保ちながら広大な自然風景を捉えるカットは息を飲むほど素晴らしい

緻密な心理描写を描きつつも、真実がどこにあるのかは全く見えてこない
そんな実態の見えない何気ない会話のひとつひとつにも、しっかりと意味が込められているという事に気づくまでにもかなりの時間を費やしてしまい、二度三度と観れば観るほど味が出るスルメ映画なので、観る度にスコアが爆上がりしてしまう予感

事件を匂わせる程度でほとんど話すことのない容疑者は、動機なども本人の口からは一切語られず、セリフ回しも抽象的な表現だらけなので、わずかな手がかりは周囲の会話や表情から汲み取るしかない

このように一見するとなにも起きていないような描写が重ねられるので、油断するとウトウトしても仕方が無いようなシーンの連続ですが、それら全ての連なりのひとつひとつがパズルのピースとなり、徐々に容疑者だけでなく周りの人間の心の闇が露わになっていく過程がとんでもないセンスで映し出されていくわけです

残念ながら映画の性質上万人にウケることはまずあり得ないでしょうけれど、この超一級品である傑作を観ない手はないかと
とりあえず手元に置いておきたいので、頼むからブルーレイを出してほしい…

〈 Rotten Tomatoes 🍅92% 🍿74% 〉
〈 IMDb 7.9 / Metascore 82 / Letterboxd 4.2 〉

2021 自宅鑑賞 No.183 GEO
3.2
ある殺人事件の実況見分から遺体の検死解剖へ至る警察や検察、解剖医たちの行動が描かれる。
劇中説明的台詞がほとんどない。
ゆっくりと時間が流れ、他愛もない登場人物同士の会話でほとんどが占められている。
その会話の中からそれぞれの人物像が浮かび上がってくるが、内容があまりにも地味すぎる。
登場人物の誰に焦点を当てているのか分からないまま終わってしまうが、たぶん解剖医なのかな。。
そして157分という長尺で内容的には1/2、1/4にすらできそうだけれど、たぶんそれではこの作品の良さが死んでしまうんだろうなぁ。。
ある意味、摩訶不思議な作品だった。

捜査中に夜の草原を照らすヘッドライト。
この不思議な美しい描写は見事だった。

”ほとんどの自殺が人を罰するためではないのですか?”というセリフが心に残る。

『昔々、アナトリアで』に似ている作品

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3.9

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