スリー・モンキーズを配信している動画配信サービス

『スリー・モンキーズ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

スリー・モンキーズ
動画配信は2025年6月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

スリー・モンキーズが配信されているサービス一覧

スリー・モンキーズが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『スリー・モンキーズ』に投稿された感想・評価

4.2
 冒頭、夜道を走る1台の車が映し出される。乗っているのは1人の男で、今にも目が閉じんとす。彼は前の車をゆっくりと追尾するが、次のショットでは道路に人が横たわり、その斜め前方で先ほどの男が狼狽している。ジュイランはこのように何が起きたのか決定的な場面をあえて見送り、周辺事態によって我々観客に伝える。つまりこのファースト・シーンで男は人を轢き殺してしまったのである。早朝、狼狽した男は誰かに電話をかけている。男は金銭を見返りとして彼に罪を被せようと身代わり逮捕を提案する。電話をかけてきた男と電話を受けた男の関係性は明らかに主従関係であり、男の提案を嫌とは言えない部下の男は二つ返事でその提案に応える。ここに来て、車で轢き殺した男は政治家であり、提案を了承した男は彼の運転手であることが明らかになる。運転手の男には妻と一人息子がいる。ここでも彼が警察に自首し、投獄される場面は一切出て来ないし、政治家とどういう密約が交わされたのかも不明瞭であるが、次の場面では既に留置所に送られた父親と息子の面会の場面となり、父親は今度こそ大学に行けよと息子にけしかける。

 今作ではなかなか怒りや復讐の矛先が明確になることはない。刑務所に入れられた父親と、彼の出所を待つ母親と息子の関係性だけは、はっきりと明示されるが、この家族の向かうべきベクトルは一向に示されない。しかし綻びの瞬間は徐々に明らかになる。息子は自動車欲しさに政治家からの入金をせびる為、母親に政治家への接近を求める。この接近が3人家族の決定的な不和につながるとは知らずに。彼は政治家から金を引き出すことには成功したものの、もっと大切な尊厳を奪われてしまう。ジェイランはそういうごくありきたりな展開を、説明的に一切語ろうとはしない。あえて台詞は抑え、登場人物たちの喜怒哀楽を表情や身振りや視線の中に僅かに読み取らせようとする。ここが近年のハリウッド映画とは一線を画すところであり、登場人物たちの表情や行動を補足する背景として、トルコのめまぐるしく変化を遂げる景色や風景が切り取られる。

 冒頭の犯行の手口を見せないだけではなく、今作は父親の自首の瞬間も出所の瞬間も、父親と母親の再会の瞬間もあえて観せようとはしない。それでもドラマツルギーとしてはしっかり成立しているし、物語も過不足なく描けている。父親が飛び降りてしまえと言った直後に、母親の元に戻って来るあたりも並みの映画監督では到底描けない重厚さを誇る。今作が最も斬新だったのは、後半部分になって息子の存在が神隠しのように消されることであろう。確かに父親の出所を迎えに行き、刑務所から家までの道程を送ったはずの息子であるが、ここで父親に罪を告白し、彼は重要な場面に一切出て来なくなる。そこからは多くの時間が妻と夫と政治家の三角関係に割かれ、息子の不在が重くのしかかる。案の定、息子の犯した罪は隠され、周辺事態によってしか伝えられることがない。負の感情は無限ループのように円環の中をぐるぐると廻る。憎しみに終わりはやって来ない。彼ら3人の将来が決して明るくないことは、ロング・ショットで捉えられた父親の背中と、どんよりとした空だけが伝える。
Omizu
3.0
【第61回カンヌ映画祭 監督賞】
『雪の轍』ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品され、監督賞を受賞した。

うーん、話が追いにくく退屈に感じてしまった。ジェイランは正直苦手。『雪の轍』もそんなに好きじゃないんだよなぁ…

ジェイランには珍しくクライム映画?という入り。それだけに期待したのだけど、その後はいつもの人間ドラマに終始してしまう。それはそれでいいんだけど、展開がやけにもったいぶっているのが気になった。

話としては別に難しい訳じゃないんだけどね。観終わってあまり印象に残るものがなかった。屈折した想いを抱えた個々人が絡み合って悲劇へと発展していく。それ自体は好きな話のはずなんだけどイマイチ入り込めず。

うーん、なんともコメントしづらい映画だった。退屈という言葉で片付けてしまうのは好きではないけど、そうとしか言いようがない映画だった。逆説的に『雪の轍』って面白かったんだなぁと思えてくる作品。
一
3.9
トルコの巨匠 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品

第61回カンヌ国際映画祭の監督賞受賞作

車で人を轢いてしまった政治家が、自身の運転手である男に金と引き換えに罪をなすりつけたことから広がる家族の軋轢や葛藤、そして欲望と打算と保身から自らを欺く人々の愚かさと崩壊を描く

あらすじはサスペンス風ですが、蓋を開けてみればさすがとしか言いようがない超濃密な重苦しいヒューマンドラマ

タイトルはいわゆる“見ざる・聞かざる・言わざる”の三猿で“スリー・モンキーズ”

セリフもない極端に長い間をふんだんに使ったと思いきや、がっちりと固定されたカメラによるリアリティ満載の長回しの多用、そして周囲の様々な音を効果的に使った生々しい描写の数々
時折ホラーのようなを演出を入れてくるのも気持ち悪いし、終始薄暗く鬱屈とした色味の映像がなによりもそこはかとない気持ち悪さを増幅させる

他のジェイラン作品に比べるとストーリー自体はかなりわかりやすくなっていますが、肝心の物語を説明するような描写や核心についてはっきりさせるような描写は当然ながら皆無
だけどそれが良い、というかそうだからこそヌリ・ビルゲ・ジェイランの映画はたまらない

この想像をかき立てる余白を存分に残し、意図的なほどに“画”で見せようとする姿勢こそが、極めて映画的であり他の追随を許さない監督たる所以
直近三作に比べて足りない所を言うとすれば、壮大な自然を捉える圧倒的な映像美くらい

顔というか表情ひとつで表現し、魅せてくれる役者さんたちも皆最高

ジェイランの作品で2時間を切ってくるとなぜか異常に早く感られますが、これにて日本で観られるジェイラン作品はお終い😢
頼むからもっと配信やレンタル、販売でもいいから対応して欲しい…🙏🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅77% 🍿72% 〉
〈 IMDb 7.4 / Metascore 73 / Letterboxd 3.6 〉

2021 自宅鑑賞 No.202 GEO

『スリー・モンキーズ』に似ている作品

ひとつの太陽

製作国:

上映時間:

156分

ジャンル:

3.8

あらすじ

問題を起こしてばかりの弟が少年院に送られたことをきっかけに、家族としてのバランスを失った一家。絶望のどん底で、さらに予想もしない悲劇に見舞われ...。

読まれなかった小説

上映日:

2019年11月29日

製作国:

上映時間:

189分
3.6

あらすじ

シナンの夢は作家になること。大学を卒業し、トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走するが、誰にも相手にされない。シナンの父イドリスは引退間際の教師。競馬好きな父とシナンは相容…

>>続きを読む

立ち去った女

上映日:

2017年10月14日

製作国:

上映時間:

228分
3.8

あらすじ

殺人の罪で、30年もの間投獄された無実の女ホラシア(チャロ・サントス・コンシオ)。真の黒幕は、彼女のかつての恋人ロドリゴ(マイケル・デ・メサ)だった。出所したホラシアは、自分を陥れた男を追…

>>続きを読む

沈黙の自叙伝/自叙伝

上映日:

2023年09月16日

製作国:

上映時間:

115分

ジャンル:

配給:

  • ムーリンプロダクション
3.7

あらすじ

ある農村に君臨する“独裁者”に仕える青年 ふたりの間に流れる奇妙な時間―そして静かに回る運命の歯車 青年ラキブの父は刑務所に、 兄は海外に出稼ぎに出ている。 彼は、インドネシアの田舎町で何…

>>続きを読む

別離

上映日:

2012年04月07日

製作国:

上映時間:

123分

ジャンル:

4.0

あらすじ

ベルリン国際映画祭で主要3部門独占、アカデミー賞では外国語映画賞など世界で多数の映画賞を受賞した人間ドラマ。愛する者を守るための秘密や嘘が2組の家族の人生を翻弄してゆく様を、強く静かに描き…

>>続きを読む

エル・クラン

上映日:

2016年09月17日

製作国:

上映時間:

110分

ジャンル:

3.3

あらすじ

1980年代アルゼンチン。史上最悪な独裁政治から7年以上が経ち、徐々に民主政治を取り戻していた時代。裕福で、近所からも慕われるプッチオ家は、父アルキメデス(ギレルモ・フランセーヤ) を筆頭…

>>続きを読む

そこのみにて光輝く

上映日:

2014年04月19日

製作国:

上映時間:

120分

ジャンル:

配給:

  • 東京テアトル
3.6

あらすじ

仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母…

>>続きを読む