この2020年アカデミー賞国際長編映画賞コロンビア代表作品を、スペインの巨匠フェルナンド・トルエバが監督しているのです。
1970年代のコロンビアの大都市メデジンでは、麻薬組織が幅を利かせていて社会問題の根元となってる感じでした。そんな社会で火中の栗を拾う、公衆衛生専門家のエクトル・アバド·ゴメス博士の半生を、息子の目を通して描いています。ショッキングな部分もありますが、ある愛すべき家族のドラマでした。国が違えば、そこに暮らす人間の質感と言いますか匂いと言いますか、魅力的な違いがそこにありますねー。

スペイン文学を代表する作家エクトル・アバド・ファシオリンセのベストセラー小説（作者が父親の実話を基にしたノンフィクション）の映画化❗️
監督はスペインが誇る巨匠フェルナンド・トルエバ。
そして主演が私の大好きなスペインの個性派俳優ハビエル・カマラ❣️
これは誰が観なくても私は😉と楽しみにしておりました💫

キャストとスタッフだけで間違いない❗️と安心し、事前に内容を調べてなかったのは浅はかだった💦けど、ドラマは愛情に溢れるシーンが数多くて分かり難くはなかった。
ハビエル・カマラのハートフルな人柄がハマっていて良い感じでした💗
冒頭、ブライアン・デ・パルマ監督の『スカーフェイス』が映し出されアル・パチーノを拝めます💕


舞台は南米コロンビア🇨🇴のメデジン。公衆衛生を専門とする大学教授であるエクトル・アバド・ゴメス博士は、衛生状態に問題のある町の改善に取り組んでいる。
家族は妻と5人の娘と1人の息子（作者）。家庭教師、家政婦も数人使っている裕福な家庭。エクトルは寛容な心で博い愛情を育む子育てをして、家庭内は常に活気に溢れ、子供たちは創造性に満ち溢れていて、皆んながスペイン語で喋りまくり楽しく過ごしている。
しかし、娘の1人が病死したのをきっかけに、政治活動へのめり込んで行く。家族は市長選へ出馬するエクトルを心配していたが、その矢先にテロ事件が起きて銃殺されてしまう...


この作品は現代（1983年）がモノクロ（暗い事件が起きる為？）過去（1971年）はカラーと使い分けている。
家族が住む邸宅も、美しい姉たちが着飾る姿も色鮮やかに映し出され、海辺のシーンなどは衣装、小物を含めてラテン系の色使いが目に眩しい。カラー映像の時代は平和に展開する。

役者はみんな悪くないし、きっと小説の通りに表現しているのだと思うが、ちょっと日本人には遠い地だし、興味を持つ方が少ないかな？とか、せっかくのハビエル・カマラの主演作品なのに、日本人ウケはしないかな？とか余計な懸念は残ったけど...


✴️この作品はコロナが蔓延する前に製作された。それなのになぜか時流にピッタリ😊
偶然なのか？ライオンが協賛していてノベルティが貰えましたよ✨

『キレイキレイ』の携帯用10枚入除菌シート💫
入場の際、なんで？と思ったけど、公衆衛生の博士だからだね、上手い👏

【父との思い出】

コロンビアのメデジンで、公衆衛生に取り組むエクトル・アバド・ゴメス博士の半生を、息子の視点から描きます。
息子エクトル・アバド・ファシオリンセ氏の回想録｢Oblivion: A Memoir｣が原作です。

映画のほとんどが、息子の少年時代です。
４人の姉と１人の妹を持つ唯一の男の子。
他にも、お母さん、お手伝いさん、教育係のシスターという、女性ばかりの賑やかな家庭です。
みんなから可愛がられて過ごした幸せな日々。
父からの愛情と寛容を受けて過ごした日々。
父が子供たちにベットで読み聞かせする、まったりとした時間。

1987年の現在がモノクロで描かれ、息子の幼少期である1970年代が淡いカラーで描かれます。
思い出は色彩豊かに美しく、現状は暗黒の時代になっているということでしょう。
麻薬カルテルが街を支配し、テロが多発する中、社会正義のため(あるいは何かから現実逃避するため)に政治活動にのめり込む父。
映画｢ベニスに死す｣なども見事に引用され、往年のイタリア映画を彷彿とさせる、父と息子の物語。
父を持つ息子、息子を持つ父、つまりはすべての男性の心に深い感銘を与える作品です。