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荒れ地
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『荒れ地』に投稿された感想・評価

lp
4.2
東京国際映画祭にて鑑賞。

ワールドフォーカス部門より今年のヴェネツィア国際映画祭で受賞したイラン映画。
上映日に別会場で上映されている『私をくいとめて』と、今作のどちらを観るかで最後の最後まで迷ったけれど、「次に観られる機会があるか不明」ということで今作を鑑賞することに。
※『私をくいとめて』のチケットは大激戦で、観られたか分からないこともあり、これで良かったのかなという印象。

そんな背景がありつつも、今作の扱う題材には興味があり高めの期待値を胸に鑑賞。そしてこれが期待以上に面白い傑作だった!

舞台はイランのレンガ工場。ある日、工場の経営者が全従業員を集めて集会を開く。その集会を皮切りに、映画はレンガ工場にて生きる人々を描いていく。
映画前半は何人かの労働者に焦点を当て「集会→職場→経営者の部屋→工場に隣接する社宅」の流れで、同じシーンでも視点を変えて、順々に人物描写を行う。この独特の繰り返し描写は今作の大きな特徴だ。観ていても「普通のドラマではない」ということが伝わり、一気に映画の世界に没入することができた。
また、類似した場面と内容を繰り返し映すので、次第に工場内の様子と人間関係がクリアになり情報整理の観点でも効果的な手法に感じた。

やがて映画は一通りの人物描写を終えると、ある見事な「どんでん返し」を作用させて物語の流れを切り替える。
後半は工場の経営者と数人の労働者に焦点を絞り、本格的にドラマを動かす。工場でしか生きることが出来ない悲しき男の姿を浮き彫りにし、その行く先を描いていく。ストーリーのトーンは暗いものになり、モノクロの映像が話の物悲しさを際立たせる。内容には個人的に刺さる部分もあり、見事に嵌まった。ラストからエンドロールに至る流れも圧巻だ。

モノクロの映像に、ダークなトーンのストーリー。同じシーンの繰り返しまであり、完全に渡辺紘文監督の世界観を想起させる傑作でした。今作がヴェネツィアで受賞したことを踏まえると、大田原愚豚舎がヴェネツィアで受賞する日も遠くないかもしれない。映画の内容は暗いものでしたが、この点では希望を抱ける作品でした。
まだ来週の月曜朝一にもう一度上映があり、チケットも残っているようなので、気になる方はぜひ。オススメです。
2.6
【イランのある終焉】
アッバス・キアロスタミのワークショップで修行したアフマッド・バーラミの『THE WASTELAND』はタル・ベーラのような人の心に広がる荒野を捉えている。氷のレンガを運ぶ男。地方にある工場は、静かである。そこで働く人は多様であり、ペルシャ語、トルコ語、クルド語が入り乱れる。そんなレンガ工場を切り盛りするロットフォラは工場を閉鎖することを決意する。これにより、均衡を保っていた人間関係に綻びが生じ、崩壊していく。皆、この工場を出ていかないといけないのだが、そうそう簡単に出ていけないのだ。それを一つずつ彼は解決していく。その厄介な調整と、レンガ造りの工程を退避させて行き、そこへ「レンガは儲からない」という視点を加えることにより、疲弊するイランの人種間問題を浮き彫りにさせている。

長回しで、荒野を捉えていく。もはや魅力を失った土地というものを強調する必要があるのだが、本作はいかんせんショットが美しすぎて、土地が魅力的に映ってしまっている問題があります。また、英語字幕だと非常に分かりにくいイランのローカルな問題を地味な演出で描いているため、私の勉強不足でなかなか飲み込み辛い問題がありました。

個人的に、『NOWHERE SPECIAL』に受賞して欲しかったのですが、この小さな物語を受賞させるところにコロナ禍におけるヴェネツィア国際映画祭の意地を感じました。果たして東京国際映画祭で上映されるのだろうか。
mingo
3.5
煉瓦工場が突然閉鎖になり解雇を告げられた労働者たちの人間関係に綻びが生じはじめ、ボスの下にいたある1人の男に焦点が当てられるが…ラストからエンドロールの演出が素晴らしかったが前編にわたってタルベーラ「ニーチェの馬」すぎるんだが…モノクロ長回しの美学は確かにひかっているが手法と表現が合っていない。語りをせめてもっと面白くして欲しかった…ただ映像表現は長けてるのでアフマッドバーラミの次回作に期待…

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