コソボの女性監督カルトリナ・クラスニチの長編劇映画デビュー作。自身の母親の姿を主人公に投影させながら、男尊女卑の傾向が強いコソボの社会の中で強い意志を持ち、力強く生きる女性をパワフルに描いた作品。第78回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、昨年の第34回東京国際映画祭でグランプリを獲得、第45回ヨーテボリ国際映画祭では最優秀デビュー作に与えられるイングマール・ベルイマン賞を受賞した。 手話通訳者の中年女性ヴェラは、高名な判事の妻であり、女優をしている娘の理解のある母であり、孫を愛する優しい祖母だった。だが、夫の突然の自殺によって彼女の平和な日常は崩れてしまう。やがて、死んだ夫が口約束していたと主張する親戚がやってきて、地元にある実家の譲渡契約書にサインしろとヴェラに強要する。ヴェラは理不尽なその申し出を拒否するが、村人や夫の友人たちは親戚の男を信用し、さらに悪徳高利貸しの脅迫が彼女や娘たちに迫ってくる。ヴェラは徹底抗戦を決意するが、やがて夫が賭博で大きな借金を背負い、実家をそのかたにしていたことが発覚する…。
入り江のある小さな町。自動車修理工場を営むコーリャは、若い妻リリア、そして先妻との間に生まれた息子ロマと共に、 住み慣れた家で暮らしている。1年後に選挙を控えた市長のヴァディムは、権力に…
>>続きを読む1992年春、独立後に起こった内戦のきな臭さが残るジョージアの首都トビリシ。父親が不在のエカは母親と姉の干渉に反発を感じている。親友のナティアの家庭はアル中の父親のためにすさんでいた。生活…
>>続きを読む臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア。イスラーム社会では未婚の母はタブー。美容師の仕事も住まいも失った。ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、小さなパン屋を営むアブ…
>>続きを読む1960年代のインドネシアで紛争に巻き込まれ、親族や家族を失ったナナが、思いがけない友情を通して自分自身を解放し、自由な人生を再び希求し始める姿を描くカミラ・アンディニの長編第4作。ベルリ…
>>続きを読むアフガニスタンの首都カブール。妊婦のハヴァは認知症を患う義母の世話をしながら、家事に追われる日々を送っている。身重の彼女を気遣うことなく、用事を言いつける義父と、連日のごとく友人を自宅に招…
>>続きを読むある農村に君臨する“独裁者”に仕える青年 ふたりの間に流れる奇妙な時間―そして静かに回る運命の歯車 青年ラキブの父は刑務所に、 兄は海外に出稼ぎに出ている。 彼は、インドネシアの田舎町で何…
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