懺悔の作品情報・感想・評価

懺悔1984年製作の映画)

REPENTANCE/Monanieba

上映日:2018年08月04日

製作国:

上映時間:153分

ジャンル:

4.0

あらすじ

「懺悔」に投稿された感想・評価

Roca

Rocaの感想・評価

4.0
1984年製作、2008年日本公開。
観る前は難解で途中で眠ってしまうかもと思っていたが、予想に反し一気に見入った。
キリスト教をベースに、独裁政治社会の悲劇、続く悲劇が描かれている。
音楽が効果的。魚の映像を始め懺悔のシーン、窓から一人一人が飛び降りるシーンが印象的。
社会派ドラマだがコミカルな要素も。
Benito

Benitoの感想・評価

3.7
"グルジア人映画監督の心意気"

グルジア(ジョージア)🇬🇪映画作家の作品は、なかなか観る機会がないが、どこかシュールな描写と、どの国でも起こりうる独裁政治を風刺した、普遍的なメッセージ性があっていい。

1987年カンヌ国際映画祭 審査員特別賞、国際批評家連盟賞、Prize of the Ecumenical Jury; 1988年 ゴールデングローブ最優秀外国語映画賞、とアブラセ監督のキャリアハイとも言えるが、84年に製作され公開禁止の憂き目にあいながらも、ソ連で87年に公開された渾身の作品であったことも覚えておきたい。

この穏やかな時代に、異国(日本)で観れる事に感謝。
初テンギズ・アブラゼ。「祈り」(または「懺悔」)三部作の最終編。作られた順に観たいところだけれど、近隣上映を泣く泣く見送り唯一レンタルできる本作から挑戦。

きっと難解だろう、きっと分不相応な映画だろう、きっと導眠剤と化すだろう。それは全くの錯誤であり、こんなにもイメージが覆されるとは思いもせず。KGBによって観た人たちが逮捕される(出典:グルジア映画への旅)など社会的波紋を呼んだだけあって、強度のメッセージ性と好みな映像、そして何故かクスッと笑える演出等に恐れていた153分はあっという間。

同一人物とは思えない二役をこなしたアフタンディル・マハラゼの堂にいった演技にアッパレ。音楽との相乗効果で素晴らしいサムネイルにもなっているシーン(監督夫人だそう!)は必見。
砂

砂の感想・評価

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テンギス・アブラゼ「祈り」三部作のうちの三作目。三部作と言ってもつながりがあるわけではない。二作目は観ていないのでコメントできないが、一作目の「祈り」とも通ずる、キリスト教に起因する罪と罰が政治色強く描かれた作品だった。
話の展開自体はわかりやすく、社会主義による粛清がじわりと及ぶ長丁場の回想シーンは切実ゆえに迫力がある。非常におそろしさを感じた。独善的な構造であるため罪のよりどころが不鮮明になってしまう全体主義と対比するように、終盤では個人の罪へと焦点を当てそれがタイトルが意味するものへと繋がっていく。
グルジア激動の時代ゆえ、家族の世代間の隔絶もわかりやすく鍵となっている。
「祈り」に比べると映像的な美しさはやや控えめであるが、扱っているテーマが人間の持つ根本的な弱さと欺瞞であるために、普遍的な強度を持って今なお(むしろ今も世界では起きていることである)すばらしい作品だと思う。

なお本作はソ連検閲下で制作されたという事実がある。日本では2008年に公開されたのが初めてとのことであるが、時を隔てても時代の空気や苦悩を鮮明に刻み、後の時代に遺すこともまた映画の持つ力であると改めて考えさせられた。映画は時代の鑑賞者が消費するものばかりではない。
60年代、70年代、そして今作は84年作ということで「三部作」扱い。先の二作には満点評価をさせていただいたが、今回は「普通」

三作合わせて振り返ると、作を追うごとに説明臭が強くなる気がして。

革命後のソ連邦体制にどう付き合うかを作家は一貫して表現してきているのだろうが、年を経るに従ってその口ぶりがどんどん平易(平板)になっていくのは何故なんだろ。逆教条主義みたいな。

「A 」を「A 」とただ言葉を映像に変換して表現するだけでは、それは相手に響かないし残らない。無前提に表現者に同化している相手なら別だけど。言い換えれば何の思慮もなく「異議なし!」と付和雷同する「大衆」相手にしか効果を持たないのでは?

映画構成的には終盤のダラダラ感は、もうちょっと気合を入れてつづめて欲しかった。最後になって眠くなるのはご勘弁。
甲冑

甲冑の感想・評価

3.5
ジョージア映画祭⑨。祈り三部作の3。

反ソビエトの烙印を押されて長く公開できなかったそうだが、独裁の象徴の市長の描き方なんて包み隠さず嫌味たっぷりだしまぁ分かる。スターリン粛清時代の風刺との事だが、レーニン賞受賞した時に「レーニンの墓暴きをしたのにレーニン賞って…」と思ったらしい。それにこの市長の風体はどう見てもベリアだし、この父祖三代というのはソビエト独裁史のメタという感じを受ける。新世代からはドイツ赤軍世代じゃないけど、お前らが親で絶望するわ、みたいな視点も(実際、絶望死する)。

祈りは1・2と非常に良く、特に2『希望の樹』は今特集トップ級でもう一度観たいけど、これはちょっと俗っぽくなってしまった感じ。あとこんなに丈もいらん。でも実話から引用したという墓暴きを繰り返すエピソードは面白かった。「言いたいことが言えないなら黙る事で主張しろ」「明日死ぬと思って撮れ」「(批判とパクられた時に)おれの映画ごときでソ連が崩壊するとか言うのならそもそも崩壊すべきもの」とか全体主義に抗い創作を続けた監督の生き方が熱い。
背景は痛烈な体制批判なのでしょうが、時代の痛ましさ愚かさを超え、一市民の心の揺らぎにまで入り込み、普遍的な作品になっています。凄い映画を観てしまった、という感想しか書けないもどかしさです。

誰の心にもある善と悪。

復讐心と寛容のせめぎあいにあったら、人はどちらを選ぶのか。

普遍的なテーマをコメディともホラーともつかぬ、独自の表象的な映像で表しています。

映画はまさに芸術なのだと、感嘆しました。
初テンギズ・アブラゼ。「祈り」(または「懺悔」)三部作の最終編。作られた順に観たいところだけれど、近隣上映を泣く泣く見送り唯一レンタルできる本作から挑戦。

きっと難解だろう、きっと分不相応な映画だろう、きっと導眠剤と化すだろう。それは全くの錯誤であり、こんなにもイメージが覆されるとは思いもせず。KGBによって観た人たちが逮捕される(出典:グルジア映画への旅)など社会的波紋を呼んだだけあって、強度のメッセージ性と好みな映像、そして何故かクスッと笑える演出等に恐れていた153分はあっという間。

同一人物とは思えない二役をこなしたアフタンディル・マハラゼの堂にいった演技にアッパレ。音楽との相乗効果で素晴らしいサムネイルにもなっているシーン(監督夫人だそう!)は必見。

ハチャトゥリアンの曲が耳に残ったのでYouTubeで流しながら、目はテレビの大相撲千秋楽の観戦しながらのレビューでした!
めっちゃ面白かった!
長尺だが、前と後と別の作品の様に思える構成。
ソ連体制下での制作なのに、一見とても自由に作られてる様に思えるし、とても現代的な劇である事も驚き。
主役(?)のオヤジもなかなかに濃いぜ!
「教会に通じていない道に意味などあるのですか」

もっと重苦しい話かと思ってたら所々フェリーニ的な要素が散りばみられていて芸術性とメッセージ性を兼ね備えたある意味怪作。
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