Renさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ドリームプラン(2021年製作の映画)

2.5

not for me. 予告と前情報で「あんまり楽しめないかも....」と感じた映画にあえてお金を払って劇場鑑賞するのはそろそろやめたほうがいいなと感じてしまった....。

たまたま結果的に上手くい
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インビジブル・ゲスト 悪魔の証明(2016年製作の映画)

3.0

オリオル・パウロ監督作は『ロスト・ボディ』も『嵐の中で』も観ているが、今作が一番好きだった。純粋にサスペンスとして及第点の面白さだと思う。

というよりも、『ロスト・ボディ』はあまりに強引なツイストの
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愛なのに(2021年製作の映画)

4.0

一貫して「好き」を描いてきた今泉氏とピンク映画出身の城定氏の、これ以上ないマリアージュ。上映館は少ないけど(なぜ!)かなり面白いのでおすすめ!マスク越しの笑い声が随所で聞こえる久々の映画体験。

揃い
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

2.5

ジャケットとタイトルでめちゃくちゃミスリードしてくる。ゴールドラッシュを生きた兄弟の、ひいては家族の物語。ハマりきれなかったのは、そもそも私が西部劇の空気にそんなに惹かれないからか....。

優しい
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

本来形の無い水を愛の比喩とした「水の形」のラブストーリー、初デルトロ作品だったけどが、この美しさと怖さは完全に自分好みだった。

兎にも角にも美術が凄い。これだけで鑑賞の甲斐がある。青を基調にしたライ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.5

【Ku Klux Klan】クー・クラックス・クラン(KKK)。アメリカの秘密結社、白人至上主義団体。名前の由来は、ギリシャ語のkuklos(集まり)と英語のclan(一族・氏族)から来ているとされて>>続きを読む

茶の味(2003年製作の映画)

3.5

なにこれ。『リトル・ミス・サンシャイン』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のような凸凹家族によるコメディのおすすめを聞いたときに教えていただいた作品(ありがとうございます!)で、田舎の変わったほのぼのフ>>続きを読む

映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

4.0

漫画もアニメもドラマも好きで良かった!アイドル映画か〜とか英勉か〜と敬遠している人にも、とりあえず観てみて!と勧めたくなる作品。

英監督の演出方法が、原作の雰囲気とベストマッチ!世界観がフィクショナ
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紙の月(2014年製作の映画)

3.5

吉田大八監督作品5作目の観賞。観たの年始だけど。原作既読のはずなのだけど全然あらすじを覚えていなかったため、こんな話だっけかと思い出しながらの観賞。

何を差し置いても劇伴が良い。吉田監督ならではの映
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

2022年タイトル大賞。これを超えるものは今後10ヶ月半出てこないので大丈夫。というかタイトルで表していることが全てな映画だった。観た事ある松居大悟監督作の中で一番好き。普通の恋愛だってドラマになる。>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

面白かった!ファンが多い理由もめちゃくちゃ分かる。タクシーという密室をこの上なく上手に使った群像劇。会話劇映画のマスターピースで確定で良いでしょう。

自室で深夜に観て正解。タクシーは飲んで終電で帰っ
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.0

初めて観たジム・ジャームッシュ作品がこれです。『街の上で』や『偶然と想像』が公開されたときによく引き合いに出されていたのは納得。オムニバス形式で綴られるなんてことない作品だけど、観られて良かった。>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.5

名作の看板に偽り無し。むさ苦しい部屋の中、12人の陪審員が汗だくで怒り続ける究極の会話劇。断捨離映画の最高傑作。

父親を刺し殺したらしい18歳の少年は有罪か無罪か?他全員が有罪を主張する中、1人無罪
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.5

トラウマ映画だのどんでん返しだの言われているけど実のところ今作の脚本は別に好きではなくて、演出の妙で楽しめた作品だった、が結論。そりゃ面白いには面白いけど、色々無駄が多いかなーとも感じた。

行方不明
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フォロウィング(1998年製作の映画)

3.5

開始10秒で分かる自主制作感・低予算感。アロノフスキーの『π』を観た時の感覚を思い出した。映画の出来栄え云々よりも、巨匠の原風景を見られた、という意味で体験価値の高い一作。

こんなのに比べたら『メメ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

ここまで爽やかで清々しい映画は昨今逆に珍しい。一切の奇を衒わず挑んだ、音(声)と家族とコミュニケーションについての映画。おすすめ。

聾の家族の下で育ったルビーを中心に、聴こえる/聴こえない が生むも
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バベル(2006年製作の映画)

3.5

【バベルの塔】旧約聖書に登場する巨大な塔。かつて人間は、人々が世界中に散らばることの無いよう天まで届く塔をつくろうと考えた。しかし神はその塔を見て「人間は皆が同じ言語を話すが故にこのようなことを始めた>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

3.5

AI時代のアクションとして誠実で良いなと思った。見せ場もたくさんありコンパクトにまとまっていて、このテのジャンルムービーとして理想的な形。

技術革新によって人間は機械的にアップデートされている一方、
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ケーブル・ガイ(1996年製作の映画)

2.5

歴代最高にキモいジム・キャリー。彼も使い方によってはこういうキャラクターが出来上がるのかという発見がありました。配役ありきの、そこまで知名度の高くない珍作。

コメディなんだかサイコスリラーなんだか。
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愛しのロクサーヌ(1987年製作の映画)

2.5

原作:芥川龍之介かと思いきや、『シラノ・ド・ベルジュラック』が原案だそうです。そちらは全くの未観賞ですので比較はできませんが、この時代のコメディとしてするっと観られました。

「意中の人の恋(相手は自
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トレマーズ(1990年製作の映画)

4.0

モンスターパニック映画として超優秀!低予算は映画がつまらない理由にはならないというあるあるを再確認しました。ケヴィン・ベーコン若いな〜と思っていたけど普通に30越えてた。

ジャンル映画として必要な手
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千年女優(2001年製作の映画)

4.0

ずっと観たかった映画。これで今敏作品全制覇!この作品もすごく良かった。監督の作家性と言うべきか哲学と言うべきか、全作品を貫く軸のあまりのブレなさが素晴らしい。

「女優」「虚構と現実」というモチーフは
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音楽(2019年製作の映画)

3.0

昨年のベスト『街の上で』の脚本にも携わっている大橋裕之原作の、正真正銘手描きアニメーション。色んなものに似ていて似ていない、ハイパーオフビートコメディ。必見!

クセが強すぎるあまり不思議とクセが無い
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家をめぐる3つの物語(2022年製作の映画)

4.0

観た時はまだ登録されていなくて感想書けなかったので、Filmarksさん追加してくれてありがとう。Netflixオリジナル、ある一軒の「家」を異なる時代で描いた全3話から成るオムニバスストップモーショ>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

3.5

ウェス・アンダーソンの中でもかなり好きなほう。近作に比べてロケ撮影多めだけど、観やすさと美しさ・可愛らしさの同居という意味では最高なのではと感じてしまいます。

3人の天才を子に持つものの妻と別離、家
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.0

ウェス・アンダーソンの長編2作目。この頃から彼らしい個性は感じるけど、映像のクセはそこまで強くないので近年の作品が合わない人にも勧めてみたい。

天才が故にあらゆる分野に手を出して、器用貧乏として生き
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

2.5

多くの人が連想する、所謂ウェス・アンダーソンっぽさも行くところまで行ったな....と思いながら鑑賞。必死に字幕を追って映像美を堪能できなかったら本末転倒なので、「映画を観る」と言うより「モダン美術館へ>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.5

アリ・アスターが『ヘレディタリー/継承』製作の際に参考にしたのも超納得。ジャンプスケアは一切無いけれど不快感と恐怖を煽れる展開の妙。歴史に名を残して当然の秀作だった。

呪いの話?からのマタニティブル
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さがす(2022年製作の映画)

4.5

もうサスペンス映画は当分大丈夫です、と言いたいくらいの密度。傑作。2022年を代表する一作だと思った。このペースで進化し続ける片山監督に拍手を。

ポン・ジュノ監督作品好き!特に『殺人の追憶』と『母な
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リトル・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.0

ゾンビ映画がまだアイデア次第で広がることを証明したB級コメディ。勝手に今作にダサいキャッチコピーを付けるなら、「家に帰るまでが遠足です」。

パンデミックに巻き込まれるのは園児。ゾンビを貧困や人種など
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

4.0

やりやがった。この「血の気が引く」感覚は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を初めて観たとき以来。これを観て微妙だったとか別に刺さらなかったなど感想を持つのは各々の自由だけど、観ないと始まらない。今回に関し>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

戦場の『走れメロス』。ことこの映画に関しては、邦題が完全に正解だった。一度カットが割られる(暗転する)瞬間があるため、正確には「全編ワンカット風」ですらないのだけど、拘り抜かれた秀作だと思った。劇場で>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.0

メロディの無いドラムによる劇伴が彩る、ワンカット長回し風演技ジャズセッション。映画業界内輪ウケ、この一言に尽きるのだが、そこまで楽しめなかったわけでもなく....。なんとも歪な作品に感じた。

かつて
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

3.5

ダーレン・アロノフスキー監督作品を鑑賞するのは今作で3本目。Disney+で『ブラック・スワン』を観るという背徳感に包まれながら、有意義な109分を過ごした。短めに纏めていて偉い。

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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

2.5

やりすぎ。詰め込みすぎ。無理すぎ。映画として楽しめた云々よりも、コンゲームもののシリーズ化がいかに難題かということばかりがチラついてしまった。

作風としては完全にロマンス編に回帰。前作のプリンセス編
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

2.5

サム・ライミもマーク・ウェブもできなかった「シリーズを完結させる」ことに、大勢の大人が莫大な金と労力をかけて全力投球するとこうなるのか....。予告からこうなるんじゃないかと予想できる展開はそのままあ>>続きを読む