努力は報われる的なハッピーエンド映画は数あれど、テーマがまず面白い。コメディタッチなんだけど、それぞれの弱さを否定せず、ちゃんと向き合おうとする姿勢を描いていたのは良かった。
十分と台北、せいぜい20kmくらいの土地。その近さは、手を伸ばせばいつでも届くような、ずっと昔から幼馴染だった彼女や家族を想像させるようでいて、2年という兵役の時間は手を伸ばしても取り戻せない青春に残>>続きを読む
名前は親からの最初の贈り物って言われるけど、最初は気に入らなくても、いつしかそれ以外考えられないくらい定着するんだよな。自分が名前に寄っていくのか、名前が自分に寄ってくるのか。
農家と保育士の家系に生まれたので、自然の中でのびのび育ててもらいましたが、それゆえの葛藤も子どもながらにあったなとふと思い出した。
周りの子と違ってお菓子もゲームもダメで夏休みは自然の中で過ごす。それ>>続きを読む
カナダのケベック州、セティル。街の5分の1くらいの面積がウアシャという先住民居留地の街で暮らす二人の幼馴染。互いに性格も暮らしも違う二人は、成長するにつれ民族というしがらみのなかでもがき、歯車が狂って>>続きを読む
久しぶりに素晴らしい映画を見た。キュアロンのROMAと同じような、多くを語らず、静かに、ただその営みを通して社会と人をこれでもかと鮮やかに描く。そのための完璧に計算された脚本と設定。。
自分の好きな映>>続きを読む
生い立ちは誰にも選べない。過去から伸びる道は、過去に囚われ続ける限りその先にも分かれ道などなく、一直線に伸びるのみ。その残酷さが印象的だった。
ホームと呼べる場所がある人は幸せだ。マイクにとってもス>>続きを読む
地方都市のほんとに外れたところで、お店をやりたいと思うようになったのはここ数年で、お客さんの入りは1日に5人くらいでも0人でもいいから、実店舗を持ちたい、その土地の子供たちや、もがきながら生きてる人た>>続きを読む
3時間あるのでめちゃくちゃ暇な時に見よう見ようと思いながら3年くらい経ったので、ようやく。
優秀であることも成功することもどちらも素晴らしいが、それが目的になってしまうと途端に盲目になってしまう。そ>>続きを読む
スウェーデンの人種問題を描いた作品。美しい大自然と対比して描かれる情景は正直見るのが辛い。
同じスウェーデンを舞台にした映画、ミッドサマーを映画評論家の町山智浩さんがラジオで解説していて、それが大変>>続きを読む
日本には本音と建前という言葉があるが、自分の本音や感情が素直に出せる人は羨ましいと思う。その是非はともかく、たとえ本音でなくとも綺麗な建前が言える人も羨ましいと思う。
感情は言葉や態度では時に強すぎ>>続きを読む
史実とオリジナルの部分のバランスがよく、引き込まれる作品。
国を世界を動かす権力など一握りの人たちが持っているものだと思ってしまう。軍のトップとか、はたまたドイツ公共放送の東京支局勤務とかそこに至る>>続きを読む
「人はものを評価するプロを求めているが、事実や結果に基づくプロは選択しない。選ぶのは親しい仲間であるプロだ。」という言葉が重い。
経済学では、人は常に合理的な選択をするという前提があるが、絶対にそん>>続きを読む
今この時代でも人間は何も変わっていないな。問題の本質から目を背け、わかりやすい大きな違いを主語にしてしまう。
もし神がいるならなぜ肌の色が違う人を作ったのだろうか。人間はその違いをなぜ受け入れられな>>続きを読む
ベトナムは第二次世界大戦とその後の資本主義陣営から描かれる映画でしか知らないから、ある意味で悲劇的で、ある意味で謎めいたオリエンタリズム的な憧れの地として記号化してしまっていたように思う。
それゆえ>>続きを読む
ファッションには疎く、マルジェラのような熱狂的ファンのいるメゾンにほとんど興味がない。ルックブックのビジュアルはカッコいいと思っても、その先の服に圧倒的な熱量を持つこともなく、自分にとっては路面店をい>>続きを読む
仕事でかなりへこむことがあり、望郷の思いに駆られ、ただひたすら布団にくるまって見ていた。日常など無意味で乾燥したものだと思っていたが、昨年亡くなった祖父を思い出して、また頑張ろうと思えた。
今見ると>>続きを読む
この映画でグレタガーヴィグの演技を初めて見たとき、どうやったらあんな演技ができるものかと思った。
何者かにならなきゃと焦る焦燥感ゆえ、周りに集まる人を選び、選ばれる関係性。自分の将来のために友情を犠牲>>続きを読む
ビョークはなんであんなに美しいのだろう。
メガネをかけるとその辺のOLにも見えるし強さがある母にもみえる。子どものように無邪気で、動物のように笑い、虫のように歌い、植物のようにたおやか。
この映画の>>続きを読む
誰かが誰かを想うこと。そして誰かから想われること。
そのすれ違いは辛く苦しくて、でもその重なりが少しでもあるととんでもない僥倖に思える。社会なんてそのすれ違いと重なりの繰り返しなのかも。
普通とは案>>続きを読む
ケンローチは徹底して社会的弱者の側に立ち、彼らをエンパワーメントする映画を撮るのだが、彼がすごいのはただお涙頂戴の劇ではなく、物語もさながらそのリアリティにあるのだと思う。
舞台のニューカッスルは元>>続きを読む
どこでも同じ味のパンと、ゴムみたいなハムとチーズ。ハバナの駅舎の中で買って食べたキューバサンドは最悪だったけど、この映画のものは随分美味しそう。。
人間にとって最も身近な、食べるという行為を追求した>>続きを読む
テンポ良くコメディタッチでずっと楽しいんだけど、その中にきちんと刺さるものがある良い映画。
お互い全く別の世界で生きていて趣味も性格も境遇も違うんだけど、同じように絶対譲れないものがあるから惹かれた>>続きを読む
ホドロフスキーの幼少期を描いた自伝的作品なのだが、彼自身というよりも彼の父親を主題とした作品なのだと思う。(エンドレスポエトリーはその続きのような作品で、同様に父親役はホドロフスキーの長男が演じていま>>続きを読む
2020年8月10日、閉館前のユジクで。
大人を騙したり、パーティ会場で暴れまわったり、社会や常識に盲目的に、ただ自分の存在を確かめようと突っ走る彼女たちがとにかく最高。ポップな画と、ヌーヴェ>>続きを読む
岡本太郎が芸術と芸能の違いを、常に新しいものを追い求めて本物ができるのが芸術で、まず本物がありその本物に出来るだけ近づけるものが芸能だと言っていた。
茶道や書道、武道など「道」と名のつくものは、まず>>続きを読む
人の間に生きると書くように人間は幾重に折り重なったレイヤーの中に生きている。同じレイヤーで生きているつもりでも完全に同じレイヤーで生きることは出来ず、むしろお互いにとってはわずかな重なりの一部でしかな>>続きを読む
幻の映画、DUNE。
自らの信念をしっかりと持つこと。発信すること。行動すること。常に自分の100%でぶつかっていけば、自然と人は集まってくる。
そして、何事も全て意味がある。たとえ思う結果になら>>続きを読む
ホドロフスキーの人生を描いた作品。こうして自分の自分の人生を許せるのもまた自分なのだろう。
ホドロフスキーの息子による迫真の演技が見事。
とにかくスカーレットにイライラしてしまって、当時はよくもまあ3時間超見れたもんだと思う。
1939年公開の作品で、第二次大戦後にこれ見た日本人がそりゃ戦争負けるわって言ったのも分かるなあ。
「人生は私にはとても重いものなのに、あなたにはごく軽いものなのね。その軽さに私は耐えられないの」
プラハの春とか、当時の社会情勢の知識がないと分かりにくいので、ちゃんと勉強してからまた見よう。>>続きを読む
ハンフリー・ボガードってなんでこんなにカッコいいのだろうか?
ちなみに劇中に登場するナチスの追われる人物ラズロは、現在のEUの基礎となるパン・ヨーロッパ主義を提唱したリヒャルト・クーデンホーフ=カレ>>続きを読む
共同体を維持するために年寄りが捨てられる習慣のある東北の村で、社会から排除された死に損ないのババア達の復讐が始まる、、
この見出しだけで十分面白いのだが、意外にも物語のテーマは、盲目的に死ぬか、地獄で>>続きを読む
最高にクールで狂ってるヤク漬け退廃ムービー。撮り方もテンポ感もキャラクターもファッションもサントラも好き。イギー・ポップとアンダーワールド。
それにしても、男の友人関係には必ず、リーダー格でキレたら>>続きを読む