koheiさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

シャイニング(1980年製作の映画)

4.4

《無能な男(父親)の顛末》

キューブリック③

山の中にある“展望ホテル”で、冬の5ヶ月間、雪によってホテルに閉じ込められる形での管理人職をすることになったジャック(ジャック・ニコルソン)。しかしそ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

4.0

《恋はパンチドランクのように》

男女が出会って結ばれるラブストーリーと言ってしまえば確かにそうなのだが、そこには「奇妙」としか言いようがない事物が媒介していた。この普通ではない異様さがものすごく好み
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.3

素晴らしい映画でした。

画面に映る彼女らの生を深く感じ、
生きねばならぬ、と切にそう思える
優しくも厳しく、楽しくも怖い
美しくも残酷な「戦争と日常」の映画。

東京テアトルという会社が
2016年
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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

4.8

《大人の階段の〜ぼる〜…》

大人と子供の境目ってどこなんだろう。「自分は大人だ!」と胸を張って言える人はいるだろうか。成人してもまだまだ僕は子供だな、とそんな事を日々考えていた中この映画を思い出した
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.3

《社会は自ら生み出した異物を拒絶する》

キューブリック2本目。もうすっかり虜になってしまった。

例に漏れず多様な解釈の成り立つ映画だと思うので、他人の意見を見て影響される前に自分の解釈を記しておく
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ピンクとグレー(2016年製作の映画)

4.2

《生きていたい人とそうでない人》

これは好きだった。機内鑑賞した6本の中では1番面白かった。特に文学的な表現や演出が多かったところが。

ただ「62分後の衝撃!!」とかゆう宣伝を考えたやつはクソ。確
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SPY/スパイ(2015年製作の映画)

4.2

《動けるデブは世界を救う》

楽しすぎるスパイ映画。豪華な俳優陣を脇役に追いやって主人公を張ったメリッサ・マッカーシーの好演が光る。アクション→笑い→アクション→笑いの連続で最高に面白い映画。

ライト/オフ(2016年製作の映画)

3.6

《光を消すと奴は…来る…!》

ホラーは久しぶりに見たかもしれない。ストーリーはまとまってるし、設定も良かった。ラストも好き。

レインマン(1988年製作の映画)

3.9

いやぁ泣けた泣けた。
ダスティンホフマンがやはりすごい。
兄弟の物語というと『ゆれる』を思い出すけどそれと比べると1万倍ほっこりする。

《そして兄弟は親友になった》

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

4.1

《情熱と愛のほとばしる"赤い"人でした》

ファーストデイの今日は今作と『PK』の2本立てで。


銭湯「幸の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.6

《唱えよう ア〜ルイズウェル!》

こう書くとハリーポッターの魔法みたいだな。この言葉は友を助け、愛を与え、生きる道を見い出す、最大幸福呪文だ。


評判どおりの傑作!インド映画初挑戦で『pk』の予習
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デスノート Light up the NEW world(2016年製作の映画)

3.5

《後継者はオリジナルに勝てない》

さて、10年ぶりのデスノートの続編。
僕が子供の時に見て思い入れのある映画ランキング3位のデスノートの続編。
原作にはない新たなストーリーで綴られる続編。


「絶
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

4.3

《馬と猟犬は惹かれ合う》

来週イギリスへ旅行に行くので、ロンドン・ノッティングヒルが舞台の今作を。

冴えない書店主とハリウッド女優の恋愛を描いた、絶対に現実ではあり得ないけど夢にあふれた映画。
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モヒカン故郷に帰る(2016年製作の映画)

4.3

《広島イヤーの傑作コメディ》

『横道世之介』『南極料理人』の沖田修一監督作品。
この映画を見て沖田修一は日本一のコメディ作家だと確信した。とにかくキャラクターの見せ方と言葉選びのセンスが最強。序盤の
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アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.7

《我々は敵ではなく友人である》

大傑作。『フルメタルジャケット』と同日に見たので、1日に2本も心を震わせられる映画に出会って、軽くパニック。


白人至上主義に傾倒するダニーの元に、兄デレクが三年ぶ
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.7

《生は写し取られ、死は現ずる》

この映画を観るまで、映画は「芸術」だという事をすっかり忘れていた。メーセージ性の強いものばかり好んで、スカッとしたり、深く考え込んだり、笑ったり泣いたり。そういったあ
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.8

《home is where your heart is set in stone》

アイルランドとアメリカ、2つの故郷を持った女性の、恋と葛藤の物語。
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見たいと思ってたけど行け
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.5

《ほほえみデブは2度ほほ笑む》

大学の授業でこの映画のオープニングを少し見せられただけで惚れ込んでしまった。それほどに面白かったので初キューブリックながら鑑賞。


今作はベトナム戦争を舞台に、戦場
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チチを撮りに(2012年製作の映画)

3.3

《まぐろ!!》

『湯を沸かすほどの熱い愛』の予習。

フリーターの姉・葉月と女子高生の妹・呼春は、父親が14年前に女を作って出て行ってしまって以来、母の佐和と3人で暮らしていた。ある日、母から「お父
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恋人たち(2015年製作の映画)

3.1

『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』と予習して今作に挑んだけどあまり好きではなかった。バカだから心にスッと入ってこなかったんだけど、やっぱり自分は分かりやすい映画が好きで、自分の想像の範囲内で理解しようと>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

3.0

《"衝撃のラスト"のための映画》

L.A.郊外のある1日、10数人の男女が織りなす人生模様を、観客の意表を突く斬新な語り口で綴った衝撃の群像劇。

ラストが確かにすごい。驚きすぎて笑ってしまった。伝
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トキワ荘の青春(1995年製作の映画)

3.7

《1つ屋根の下凌ぎを削った漫画家たちの軌跡》

トキワ荘で起きてた事ってどんな映画よりも稀有で格別なものだったんだろうなぁ、と最近ある小説を読んでいて思った。映像化されてるものを調べてみたらこの作品が
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何者(2016年製作の映画)

2.5

《ただただサブい》

ちょうど半年くらい前に小説の『何者』を読んだ。その時にはもう豪華俳優陣によるキャストも決まっていて、それぞれの登場人物を俳優に重ねて読んだのを覚えている。

最初に言っておくと小
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.6

《失わないと気付かない人間の性(さが)》

今年の邦画は凄いと口々に言われていて僕もそう思うけど、そんなの序の口だと言わんばかりに今月の上映作品にはかなり期待している。具体的には『淵に立つ』『永い言い
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.1

吐きそうになる映画(最大限の褒め言葉(使うのは『野火』鑑賞以来))

この映画に関しては上手く感想を書けそうにないので諦めるが、1つ言えるのは今後岩井作品を見てもこの映画を超えるものは無いだろうという
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.3

《1枚のカード(ベイマックス)が繋ぐ兄弟の愛》

アニメ映画を全くと言っていいほど見ない僕に対して、自信を持って今作を勧めてきた友達がいた。勧められても何となく見る気が起こらなかったのだが、食わず嫌い
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淵に立つ(2016年製作の映画)

3.9

《静かに燃え上がる罪と罰の物語》

キネマ旬報10月下旬号の「明日の日本映画監督地図」という企画の中で深田晃司監督が語った、日本映画界ひいては日本社会へのアンチテーゼには感銘を受けた。要約すると、日本
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ほとりの朔子(2013年製作の映画)

3.5

《ひと夏の思い出 そして大人へ》

この映画の前半、二階堂ふみはそこまで可愛くない。ちょっとムスッとしてて、覚えたての化粧をしたような大人になりきれていない顔をしているから。しかし物語が進むにつれ艶
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ハッシュ!(2001年製作の映画)

4.5

22.02.23再見

この映画をいいと思った過去の自分、最高。多用される長回しがすべてばちばちに決まっててすごい。超現実的な映画じゃないか。ファンタジーに思えてしまうならこの世界が悪い。

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落下の王国(2006年製作の映画)

4.4

《圧倒的な映像美に酔いしれる》

DAVID FINCHER and SPIKE JONZE
present

この画面から始まり、
スローモー
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シャイン(1996年製作の映画)

3.4

「人生はきびしいスポーツ」

実在する天才ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの苦悩に満ちた人生を描く。

デイヴィッドの弾く「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」がとにかく美しい。暴君の父親から逃れ
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.1

"円"が世界で一番強かった時代。一攫千金を求めて日本にやってきた移民達は、街を"円都(イェン・タウン)"と呼び、日本人達は住み着いた移民達を"円盗(イェン・タウン)"と呼んで忌み嫌った。これはそんな円>>続きを読む

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.4

橋口亮輔の映画は見たことなかったが、ものすごく優しい映画だった。と同時に苦しい映画でもあったのだが。

リリーフランキーと木村多江の夫婦。このちょっと価値観の噛み合ってない2人が様々な問題に苦しみなが
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ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

3.5

8分間を何度も何度も繰り返し事件を暴いていくミステリー。こうゆうのめちゃくちゃ好き。

既視感だらけの映画なのにこんなに楽しくなっちゃうのはすごい。単に好みなだけかな。