甘い出会いの終着点がどこになろうとも、百年後もあの日のことは忘れないと誓える1日が、あなたには、わたしには、あるだろうか。今どんなにぶつかり合う日々に追い詰められても、きみがいない退屈な人生なんてまっ>>続きを読む
一度でも本当の出会いを果たしたら、別れなんて来ないのだと思う。遠くにいても、二度と会えなくても、あなたはあのひとを失ってはいない。一度でも好きだと思ったひとは消えない。そのひとが灯した思い出が、今歩い>>続きを読む
「今夜わたしは知りました。この美しい世界ではどんなことでも可能だと」
なんて清潔で正しくて、何よりもなんて豊かな映画なんでしょう。貧しい芸術家はいませんね。すこやかな心はすこやかな身体に宿ります。>>続きを読む
鮮やかな色彩の中に、信じるこころがやさしく溢れだす。あの頃のこころが今もそばにあるように、きっとこれからもずっと続いていく。わたしたちが大人になることと同じくらい、子どものあなたの息遣いも忘れないで。>>続きを読む
記憶がこんなにも不平等だから、わたしたちは超えられない過去を生み出してしまうんだろうな。記憶障害を持つ主人公に限らず、わたしたちみんな、本当は何が正しいのかわからない。心をえぐったあの出来事が今も記憶>>続きを読む
人生には、意地を見せるときがある。踏ん張ること、走り続けることだけが正しさではないけれど、力をふりしぼって到達する場所もあるのだろうと思う。守りたいひとたちがいる彼女が、がむしゃらにつかんで、どんなと>>続きを読む
幸福を身に纏うことが、きっといちばんひとを魅力的にする。幸せなひとにだけ感じるすこやかな心、うつくしい姿勢、やさしい瞳というのは本当にあって、うっとりするほどそれは揺るがない。それらはどれも誠実さと謙>>続きを読む
料理は思い出。思い出の力が、あの味とあの記憶を、また目の前に作り出してくれる。懐かしさを呼び起こすのにほんの少しの新しさも味方につけて、今日も僕はあの教えを反芻する。
忘れられない過去を持ったインド>>続きを読む
品があって、妖しく光るワインのような映画だった。その熟成された香りに包まれて、妖艶な彼女の瞳はわたしたちをぼんやりさせる。バルバラの心の揺らぎが、上品で美しい言葉と声で奏でられる。「キスを贈るわ 心の>>続きを読む
数年ぶりに「なんか映画でも観たいね、観る?」とその場で決めてゆるりと鑑賞したんだけど、魔法界はやっぱり素敵だなあ。いくつになっても魅力的だし、どきどきするもんね。第一作は実は未鑑賞のままだったから、前>>続きを読む
心から映画が好きで、家族が大好きなひとが作った映画なんだなあと思えるエンドロールだった。スカッと突き抜けるような爽快感は、愛おしい登場人物たちのおかげなんだと思う。気難しかったり生意気だったりぐうたら>>続きを読む
深い孤独が叫ぶ"we"という愛がこだまして、時に切なさをも突き抜けていく。ひとつになるときの高揚って、気持ちいいだろうなあ。どれだけ空が高く見えるだろう。どんな景色が広がっているだろう。なりたい自分を>>続きを読む
足跡を残せない命が影でしかないなら、残像になることも叶わないなら、大切なひとたちみんな、地平線の向こうになんか行かせやしない。孤独な海がわたしたちを離さないから、息を止めることを選ぶひとがいる。元気で>>続きを読む
この世界が透明をうつくしいと歌うなら、わたしはきみに一番汚れた存在でいてほしい。透きとおりそうなさらさらの肌なのに、どこにいても目立ってしまうような、騒がしい色をしていてくれたら。どんなに目を凝らして>>続きを読む
すれ違えるのも幸せのうちなのかもしれないと、物分かりのいい振りはもうやめた。誰のために用意したドレスなのか、誰のために手に入れたボストン行きだったのか、本当は誰よりも知っていたふたり。友情でしか守れな>>続きを読む
懐かしい温度が、今夜は宴だと気づかせる。わたしもこんな夜を、あなたもこんな光を、遠いどこかで抱きしめたことがありました。優しさや幸せがあたたかさとやわらかさでできていることを、大切な夜に、ささやかな再>>続きを読む
大人になると、聖なるものが怖くなります。うつくしい景色が霞んでいる世界に、涙を流しているのは何人ですか。不幸や意地悪はわたしたちのすぐそばにあるのに、飲み込まれないでいるうつくしさは、どうして偽物や嘘>>続きを読む
あんな思い切りの良さを、ひとはどこに隠し持っているんだろう。迷いや葛藤をすべて飛び越えて、その一瞬の直感で駆け抜ける朝子のロングヘアが揺れている。曖昧さはどこですか。掟や倫理の枠組みでつくられた「正し>>続きを読む
優しくされると泣いてしまうほど、やわらかい夏の日差しがあった。永遠色をしているその季節が、ほんとうは一瞬でその姿を消してしまうこと。まるで命のようだった。切ない光にきらきらと包まれて、嘘みたいに踊り続>>続きを読む
小さいころ、孤独とは「残りものにされること」でした。繊細だから誰にも選ばれないくらいで泣くんだねなんて言わないで。そんな顔、あなたには似合わないと知ってほしいからきれいな鏡を贈ります。聖母のほほえみも>>続きを読む
海は、大事なひとに「寂しい」と「幸せです」をきちんと伝えるための場所なんだと思う。波と一緒に押し寄せるのは、過去を鳴らす貝殻だけではありません。私たちをすべて飲みこんでしまう海があっても、きっと残るだ>>続きを読む
誰も読まないのに書かれる手紙や、もう生きていないのにそばに感じる誰かは嘘じゃない。幻じゃないよ。本当だとか偽物だとか、普通だとか普通じゃないだとか、真実は案外いいかげんなのかもしれなかった。もっともっ>>続きを読む
会ったばかりだから、もう会うこともないだろうから、生まれる会話は永遠だ。関係性に名前をつける必要がないというそのことが、わずかな振動に心地よさを添える。ささやかな時間がこんなにも愛おしいこと、日常がこ>>続きを読む
もう一度だけと震える心と、ごめんなさいとうずくまる身体を限界まで押し上げて、彼女たちはこんなにも明るい場所に出た。あの過去がどんなに怖くても、今は眩しく光っている。青春の隣で振り下ろされる鎌なんて、一>>続きを読む
女の子は美しいおばかさんが一番だと、かつてある小説のヒロインは言った。でも、おばかさんにあの振り切れた美しさは似合わない。今夜、一緒に無敵になってやろうか。
超絶ベタな流れだし、少し間抜けなシーンも>>続きを読む
きっと殉教者のように美しかっただろう、なんて思う横顔に、私たちは出会ったことがあるだろうか。真っ白な世界でふたりきり、笑顔を向け合うにはあまりにも虚しくて、誰にも見られないからこそ美しい表情があった。>>続きを読む
早すぎる春の憂鬱と狂気は、一瞬の美しさのために深く深く心をえぐっていくのかな。絶望はこんなにも生々しく美しいと、清らかな水の中で漂う若さは歌う。求められることじゃなく手に入れることだけを追い続ける瞳は>>続きを読む
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」ああ、これまで何度この台詞にはっとして、背筋を伸ばしてきただろう。ぼんやりとした輪郭でしか想像していなかっ>>続きを読む
海という場所はこんなにもそっけなく、そしてこんなにもやわらかい。波の音が幸せを運んでくれなくても、私は不幸ではないと信じる心を取り戻すことはできるのだ。浜辺を歩くたびに感じる砂の感触も、潮風の匂いも、>>続きを読む
私たちは思い出せる。お金だけでは揃えられない幸せが転がっている小道や野原のこと。大金よりもキラキラ光るシールのほうが魅力的だった世界のこと。見返りを求めずに赦すという行為が、どんなに優しいものなのかっ>>続きを読む
こんなにも涙が似合う朝があった。たったひとつの夜だけが永遠なこと、きっとどこまで行っても覆せない。どんなに走っても、触れても、記憶をなくしても、反芻するあなたの横顔は新しくて美しい。他のあらゆるものす>>続きを読む
小さい頃に信じていた英雄やお姫様の背丈を追い抜いたって、ハッピーエンドは作れるよ。怖いという気持ちが蓋をしてしまったきみの命は、すぐにでもまた踊り出せる。きみが大丈夫になれない世界なんてごめんだ。幸せ>>続きを読む
優しいだけじゃ生き抜けないけど、優しさに救われる日々がどんなに素敵なものか、私たちは知っている。正しい行いはときに痛くて寂しくて、いとも簡単にひとを傷つけてしまう。正しさと優しさだったら、優しさを選ん>>続きを読む
凛とした眼差しで黄金の麦畑を駆け抜けたあの少女は、もういない。この世では報われないことなんていくらでもあるけれど、他のどんな願いを犠牲にしてでも届けたい切実な声があるのに、どうしてよりによって、その声>>続きを読む
陽のあたる場所の正しさしか知らない人々の目なんて、盗んでしまえばよかった。そうして彼らだけが、仄暗くやさしい場所で、いつまでもいつまでも一緒に暮らしていけますように。非難する前に、あのひとたちをそんな>>続きを読む
愛おしい退屈。相変わらずの嘘つきで見栄を張っていても、こんなにも今日彼女は新しい。いつもの街角に、隠れていた美しい景色を見つけたとき。あのときから、彼女はもう自分を守る理想の名前がなくても大丈夫だった>>続きを読む