松原慶太さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スーパーマン ディレクターズ・カット版(1978年製作の映画)

4.4

ためらいなく名作と言える。

まず戦前のコミックブックから入るオープニングが洒落ている。過去の諸作品へのリスペクトとオマージュ。全体に漂うユーモアと神話性。

いまのヒーロー映画に欠けているものがぜん
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.4

2時間ちょっとのアクション・コメディ。思っていたよりぜんぜん楽しめた。ポップコーン・ムービーだと考えれば合格点。ブラピはコメディ向いてるよね。

不思議なことだが伊坂幸太郎原作はハリウッド映画向きかも
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

2.4

いやー詰まらんかった。家で観てて睡魔に負けそうになるってすごくない? しかしアベンジャーズもジャスティス・リーグもけっきょくは「東映まんがまつり」的なゴチャゴチャになるよね。

こういうの観ると、庵野
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.1

'90年代のLAが舞台。ローティーンの主人公スティーヴィーが兄貴にボコられたり、年上の不良っぽいお兄さんたちに揉まれたりしながら、大人への階段を登っていく話。

スケボーショップの仲間たちへのあこがれ
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キル・ボクスン(2023年製作の映画)

3.7

ウム。かなり面白い。腕利きの殺し屋だがシングル・マザーという設定がまずいい。ところどころ韓国ノワールらしからぬコミカルな部分も新しい。

主役のキル・ボクスンを演じるのはチョン・ドヨン。イ・チャンドン
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.2

早逝した山中貞雄の代表作。アマプラにて鑑賞。製作年度を考えると信じられないくらい面白い。例えばマキノ雅弘の監督した丹下左膳と比べると、90年前の映画を普通におもしろく最後まで観れることがいかに凄いこと>>続きを読む

幻の女(1944年製作の映画)

3.8

原作は、翻訳ものオールタイムベスト10にも選ばれる古典ミステリー。寓話的な名文と、超どんでん返しで、読んだ当時さすがにびっくりした記憶がある。

小説ならではのあの雰囲気と大仕掛け、映像化はむずかしい
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シャーロック・ホームズ 殺しのドレス(1946年製作の映画)

3.8

ベイジル・ラスボーン版ホームズを続けて鑑賞。これ当時としてはかなりの傑作では。

3つの価値のないオルゴールを盗賊団が狙っているというストーリーはオリジナルだが、原典の「6つのナポレオン像」が下敷きに
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死の真珠(1944年製作の映画)

3.3

1930年台から40年代にかけて14本が作られた、ベイジル・ラスボーン主演によるハリウッド版シャーロック・ホームズものの1本。

ベイジル・ラスボーンはジェレミー・ブレットが出てくるまではもっとも人気
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女は冷たい嘘をつく(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ミッシング・パーソンもの。主人公のシングルマザーのもとから、娘とベビーシッターが忽然と消えてしまう。

しかし、誰も彼女のいうことを聞いてくれない。それどころか、離婚訴訟中で親権を争っているため、自作
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ミナリ(2020年製作の映画)

4.1

韓国からの移民家族が、アーカンソー州のど田舎に畑を耕し、根付いていく話。

ありがちなストーリーラインなのに、脇役達が立っており、リアルなので見飽きない。

農作業を手伝ってくれる隣人はやや狂信的なク
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

2.1

ジャパニメーション丸出しのアニメ絵、アニメ声優演技、アニメ展開。いつ面白くなるのかと思ったが、耐えきれずリタイア。

ハリウッド舞台に「映画論」「クリエイティブ論」をぶつわけだけど、スピルバーグにでも
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.1

地味で平凡なオッサンが、じつは元◯◯◯で...みたいなパターンのやつ。

キアヌ「ジョン・ウィック」やデンゼル・ワシントン「イコライザー」、ジャッキー・チェン「ザ・フォーリナー」などの、よくあるパター
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.6

「人生に大切なことはここに全部詰まっている」(by 川口春奈)などの前評判でハードルが上がってしまった。

たしかに手に汗握る面白さだし、大ヒットしたのは頷けるが、批評家受けはしない(映画賞ではスルー
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レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳(2010年製作の映画)

3.1

ブルース・リー「ドラゴン 怒りの鉄拳」(1972)のリメイクかと思ったら、ちょっと違った。その映画でブルース・リーが演じた、陳真(チェン・ジェン)という役柄のその後を描いた映画。

「怒りの鉄拳」では
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20世紀のキミ(2022年製作の映画)

3.1

30代女子が高校時代の恋愛を思い出す話。過去と現在がリンクする系のストーリーって、なんかいいよね。

前半ラブコメみたいで面白い。'90年代の雰囲気もいい。ちょっと展開がステレオタイプな感じはするが。
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

3.1

当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったジョン・ウー監督作。

脈絡のないド派手なアクション。二丁拳銃。スローモーション。そして鳩。ジョン・ウー印が満載。

しかし話はガバガバだし、イーサン・ハントは妙なチャラ
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.9

ひさびさに見返してみたが、記憶していたよりも面白かった。旧TVシリーズ「スパイ大作戦」を継承しつつ、新シリーズの1作目としては完璧といっていい。

まず「お早う、フェルプス君」から始まるのがいい。この
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.3

面白いは面白いが、前作までのシリーズ尻上がりの面白さ、3<<4(ゴースト・プロトコル)<5(ローグ・ネイション)からひと息ついて、普通のスパイものみたいな面白さになっている。

かんたんに言うと、メリ
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ピッチ・パーフェクト2(2015年製作の映画)

2.8

ピッチ・パーフェクトの続編。

話の構造は前作とほぼ同じ。大学チャンピオンとして君臨していたべラーズがステージの大失態で転落。→チームがバラバラになりかける。→いろいろ本音でぶつかり合って結束を固める
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ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)

3.8

アナ・ケンドリックとレベル・ウィルソンが出てたので鑑賞。

大学のアカペラコーラスグループの話。基本的にはスポ根なんだけど、アメリカのカレッジコメディなので、前半はぶっ飛んだギャグや下ネタでなじむのに
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

2.5

うーむ...。まぁ安彦さんの漫画版は大傑作だと思っているのですが、アニメ版オリジン系列は、どうも二次創作感がただようなぁ。

まず言っておくとモビルスーツのCG描写は迫力があった。たしかに進化してる。
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映画 太陽の子(2021年製作の映画)

3.0

第二次大戦中に、日本の科学者の間でも核分裂反応の研究は進んでおり、原子爆弾の開発にも肉薄していた、という史実に基づいたフィクション。日米共同製作。

京大の物理学研究者を柳楽優弥。その弟の志願兵が三浦
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ノイズ(2022年製作の映画)

2.7

のどかな離島が舞台。いちじく農家を経営する藤原竜也と、その幼なじみの松山ケンイチ、派出所の神木隆之介。

そこに都会から前科者の渡辺大地がやってきて、島民たちの静かな生活に波紋が拡がり...という話。
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一人息子(1936年製作の映画)

3.0

小津の初トーキー作品(1936年)。信州の片田舎から、老母が東京に息子を訪ねてくる話。

なにしろ昭和初期の作品なので、録音状態も悪く、フィルムも傷だらけ、くわえて当時の日本語がまた聞き取りづらい。戦
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ダイヤルM(1998年製作の映画)

2.8

ヒッチコック「ダイヤルMを廻せ!」のリメイク。

もともとのプロットがよく出来ているので、まぁ及第点の面白さではある。ただオリジナルのようなシャープさがない。よくも悪くも「金曜ロードショー」のようなユ
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.6

アニメ業界の裏側がけっこうリアルに描かれている。中途半端に恋愛要素からめず、スポ根的な熱いお仕事ムービーになっている。吉岡里帆、中村倫也、榎本拓、皆んなその人物になりきっている。単純にワクワクするし、>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

3.2

19世紀初頭、米の士官学校を舞台に、引退した刑事(クリスチャン・ベイル)と若き日のエドガー・アラン・ポー(ハリー・メリング)が猟奇殺人の謎を追う話。

蝋燭の灯りに照らし出された、薄暗い寄宿舎の雰囲気
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ディヴォーション:マイ・ベスト・ウィングマン(2022年製作の映画)

3.1

黒人初の飛行士であるジェシー・ブラウンと、彼の同僚との友情を描いた映画。
実話ベースであり、あまり触れられることのない朝鮮戦争を題材にしている点もふくめ、意欲的で真面目な作品だと思う。

ただ映画の作
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ポリス・ストーリー3(1992年製作の映画)

3.3

ミシェル・ヨー姐さんの若いころが見たくて鑑賞。

話は例によって、ジャッキー作品いつものようにグダグダなのだが、アクションでとにかく魅せる。

ジャッキー以上にミシェル・ヨーが危ないスタントやりまくる
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.7

夢枕獏・谷口ジローの原作漫画を読んだときの巨大な感動にはおよばないものの、大人向けの、クオリティの高い、いい映画を見たなぁという満足感をおぼえた。

原作漫画は、ぼくの持っている版で1500ページくら
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

2.7

前作が大傑作だっただけにハードル上がってしまった感ある。

前作はクラシックな探偵物の枠組みを逆手にとって換骨奪胎する斬新さがあった。

そことの差別化図ったのだろうか、導入は、新しいことやろうとして
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ガラスの鍵(1942年製作の映画)

2.6

ボガード主演の「マルタの鷹」などで知られる、ハードボイルドの古典作家ダシール・ハメットが原作。

主人公は私立探偵ではなく、流しの賭博師?みたいな変わり種。「シェーン」のアラン・ラッドが演じている。こ
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画家と泥棒(2020年製作の映画)

3.3

ノルウェーのドキュメンタリー。女流画家が、彼女の絵を盗み出した窃盗犯に興味を持ち、肖像画を描かせてくれ、と頼む話。

全身タトゥーのいかにもヤク中らしい泥棒さんは、さいしょ露骨に警戒感を示すのだが、彼
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.9

自らの復讐のために暗闘する「謎の覆面男」がバットマンになるまでの話。

全体的にフィルムノワール調の暗いトーンの映画で、バットマンほとんど変質者。メカとかギミックもリアル志向の等身大描写。僕はけっこう
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キネマの神様(2021年製作の映画)

2.8

さすが山田洋次、手堅く作っている。映画愛みたいなものも感じる。山田監督の見聞きしてきた邦画界のさまざまな記憶がコラージュのように埋め込まれているようでもある。

ただ、それが一本の映画として昇華されて
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