mariさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ひとよ(2019年製作の映画)

3.6

どうしてもお互い傷つけあってしまうし
まだ別れ際に手を振ることもない。

嘘のない人間味というのか
決してお淑やかではない
不器用な家族の形を覗き見た。

彼の心がどうなっていたのかは知らない。
どう
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酔うと化け物になる父がつらい(2019年製作の映画)

3.3

このどこにもぶつけようが無い
憤りをどう処理したらいいのか。

血が繋がってるからといって
全てを愛して受け入れる必要なんて全く無い。

引きずってでも病院に行って欲しい。
それすら叶わないのなら捨て
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ある船頭の話(2019年製作の映画)

3.5

どうして人は
地位を勘違いした形で武装すると
人を見下したり色欲に溺れるのだろう。

学んで生まれ変わったところで
学びを教訓にせず同じことを繰り返す気がする。

過剰なエログロに頼らず
この空気感を
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.8

何もかもを通り越して
声をあげて盛大に笑った。

低予算の自主制作感が
盛大に魅力を引き出してる。

いつでも柔らかい語り口調や
謎の煌めく向上心とある種の様々な鈍感さに
本能的な気色悪さを感じつつも
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悪の偶像(2017年製作の映画)

3.5

複雑な絡み方と情報量の多さに困惑。

物語の中心と思える出来事が
気付けば止まらない腐敗と共に
本質ではなくなっていて、
複数の作品を力技で合わせたような
とてつもない展開に置いていかれる。

結局何
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ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.8

燃えたぎるような破天荒さを持ちながら、
柔らかい後光に包まれて歌う姿には
森林の香りがするほどの癒しがあって、
どうにも魅了されてどこか憎めない。

子供がいる親は
自身の夢を諦めなければならないのか
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三人の夫(2018年製作の映画)

3.5

人魚は二本の足と
コントロールの効かない厄介な部分を
手に入れた代償に、
初めての快楽に溺れて囚われてしまいました、
みたいな深く黒いお伽話のよう。

気付けば色を失っていて、
あたふたとしながらも築
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.3

前情報無しにふらっと鑑賞したから
驚きの連続で血の気が引いてしまって、
どうにか呼吸して観切った感じ。

個人の信念や道徳的思想が
集団化して暴力的な方向に向かってしまうと
最早何がしたかったのかわか
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

4.8

夢見るかわいいお姫様の
サクセスストーリーかなと思って観ていたら、
差別やコンプレックスを
輝かしくぶん殴るお話しだった。

冒頭の一曲目から楽しくて
生きていること自体がカラフルで嬉しくて、
涙が込
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.0

コミカルで軽快な人間模様が
かわいくて仕方がない。

ラスト20分ぐらいが特にグッときて
エンドロールも踊り出したくなるぐらい。

楽曲の選択と使い方も、
画の観せ方もとにかく楽しくて、
大声で笑った
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レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

3.8

衣装の色で環境や立場を表現しながら
驚くほどにBGMが少ない世界観で
最後まで貫き通す悲しさの表現力。

生まれる場所を選択できない物悲しさ。
どんな環境でも様々な家族を築いていく強さ。

世界にはこ
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7番房の奇跡(2013年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

だいぶ言葉も辛辣になるし
明け透けな感想になるので、
久しぶりのネタバレで。

こういう類の美談的な流れは
ひどくムカつくし嫌いなんですよね。

それならあの時に、あの瞬間に、
何とかしようともっとも
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.5

愉快適悦!
すべてのテンポが楽しくて
つい踊っちゃうみたいな作品。

あーこの人美味しいもの作りそう、という感じと
息子や仲間との向き合い方も最高。

決して妬まずに
頑張れよ、でも一瞬ムカついたけど
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リトル・フォレスト 春夏秋冬(2018年製作の映画)

4.5

その土地に根を張るというのは
縛られるということではなく、
いつでも戻ってくることが出来る場所を
自分の中で持つということ。

心がぽかぽかして幸せで満たされて
何と表現したらいいのかわからない
溢れ
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コインロッカーの女(2015年製作の映画)

4.0

不器用で残酷な愛は誰も幸せにしない。
愛だということすら伝わらない。

砂漠に咲く花のように
逞しく眩しいものに触れてしまったとき、
果てしなく暗闇で生きてきた価値観よりも
優先したいと思ってしまった
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.5

全身が震え上がるラストシーンと
極上のラストカットが脳裏に焼き付いて離れない。

怒りが頂点を超えたとき、
人が正しく人であることを保てない様に
ひどく感情移入してしまって、
悔しさと怒りで自然と握り
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3

過去のある地点に戻るのではなく、
過去へ逆行する時間軸の中で突き進むという
発想と技術力と演技力の凝縮。

伏線の回収なんて言葉も軽く思えるほどに
複雑で巧みで、全てを理解するのに
とても時間のかかる
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

4.3

言葉はただの共通の記号でしかなくて、
誰が発するのかと
どんな感情を乗せているのかが一番大事。

本人同士にしかわからない心の繋がりや
飾らないコミュニケーションが確かにあって、
懐が広く愛が深い男の
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.3

愛されたいという願望が高く高く積み重なって、
気付けば身体だけ大人で
子供を産んだりしながらも、
結局は崩れては積む作業の繰り返し。

愛されるというものがわからないから
人に与えることは到底できない
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

2.8

相性が悪いのか、終始苦手で
吐き気を催しながらなんとか観切った。

プレイリストムービー?オシャレ?
何が?どこが?という気持ち。

感情移入型の方には絶対おすすめできなくて、
変な感じに相当心を抉ら
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バーレスク(2010年製作の映画)

5.0

あまりに好き過ぎて
もう何度観たか数えきれない。

心と体が踊り出すシーンと
愛しかない暖かい展開がうれしくて、
疲れた時や自信を失いかけた時に
いつも観てきたし、これからも観続けるのだと思う。

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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.7

予想していた監禁状態の異常さを超える面白さ。
予想とは異なる展開に驚くばかりで
一枚も二枚も上手をいく姿に思わず拍手していた。

伏線の回収的な要素もありつつ
そもそも論というのか
誰がどうやって、で
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リトル・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.5

未体験のほっこり系ゾンビ映画。

ラストシーンの
光の使い方と画の撮り方が美しくて、
悲壮感0な温かい空間に泣いた。

何よりも先生が好みすぎて、
脇腹を突き刺して脅す姿も
全力で振りかぶってビンタす
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ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)

3.5

心から愛している人に、
愛しているけど信用はしてないよ、という
姿勢と言葉と行動を貫く強さ。

逮捕してくださいなんて、
一番言いたくない愛する人なのに。

過干渉気味で捲し立てて話すのは
悪化に繋が
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GANTZ: PERFECT ANSWER(2011年製作の映画)

3.0

人の記憶にも残らないような自己犠牲が
人間の心の変化の最終地点だなんて、
悲しさと虚しさ以外の何者でもない。

そんな自己満足的な自己犠牲で
幸せが成り立っていいのかは疑問だしあまり納得も行かない。
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GANTZ(2010年製作の映画)

3.0

昔観た時は仏像の造形が印象的だった記憶なのに
今観るとネギ星人が一番衝撃的で序盤がピークな印象。

何だかよくわからない状況下で
よくわからないものを恐怖心も抱かず追いかけまくって
金銭欲と支配欲が満
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アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

4.5

自己肯定感と自尊心を高める
明るい新たな教科書みたい。

人は見た目が9割、と言われているのは
何よりも自分が自分を好きでいること、
いつでも好きな自分を信じて愛すること、
そうして培われる自信が
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.8

何か特別なことがあったわけでもないのに
ふと何だか幸せだな、と思った夏の夜に
青春の輝きっぽい作品が観たくなって初観賞。

もしあの時こうしていたら、の夢物語。

多分結局現実は変えられなくて
いつま
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.5

心拍数が上がりすぎて
早く終わって欲しい、もう観たくない、
という気持ちをなんとか抑えて、

知ること自体に意味があるのなら、というギリギリの気持ちで
泣くのを我慢してなんとか観続けた。

これが実話
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さくらん(2007年製作の映画)

3.2

暴力的な赤と、残酷さを揶揄した金魚が象徴的。

囲われた中でしか生きられない金魚を
あえて門の中に閉じ込めて、
まるで自由に空でも飛べるかのような
錯覚を起こさせる残酷さに鳥肌が立つ。

一度足を踏み
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ドリームガールズ(2006年製作の映画)

4.0

ただのサクセスストーリーと思って
侮って気軽に観ると痛い目を見る。
結構重くてリアルさを正直に包み隠さない名作。

その場の和解も大きな衝突も、
孤独も再生もやり返す姿勢も、
すべてを歌に乗せるのがと
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セブン(1995年製作の映画)

3.5

胸糞映画の代表作。
妄想ぐらいに留めて勝手にやってくれ、
面倒すぎて付き合い切れない。

7つの大罪?
そんなの誰しも
ひとつは該当している自覚ぐらいはあるし
それを裁く権利がどうして
あなたにあるな
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.3

ただ観ているだけなのに終始アドレナリンが出る初めての異常体験。
なんだか凄いものを観てしまった。

画の撮り方とかグロさだけに依存しない感染者の描き方とか、
人間の自己中心的加減と自己犠牲のバランスが
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.7

府に落ちないシーンが多くありつつも、
終始押し寄せる緊迫感で息をつく暇もなく、
気付けば最後まで鑑賞していた。

過去の後悔はもう何をしても変えられないから、
全て抱えて背負って生きていくしかない。
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劇場(2020年製作の映画)

4.0

卑屈さを全て周りのせいにして
逃げて殻にこもって、
それを文学的な俺だから仕方ない、と
無理やり納得する弱さ。

一番安全な場所は
後悔しても戻ってこない。もう存在しない。

どこか過去の自分を見てい
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8番目の男(2018年製作の映画)

4.0

先入観という名の靄を
公平な心と純粋な目で晴らしていくと、
物事は180度変わって真実が見えてくる。

シリアスとコミカルのバランスも絶妙。

最初は小さな違和感だったものが
気付けばテンポよく
周り
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