2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。1211年、貴族の子女だったキアラは修道僧フランチェスコのもとへと逃げ、そこから彼の活動を中心的に手伝うようになる。キアラ~♪キアラ~♪という歌とともに(絶対にブリュノ・デュモン『ジャネット ジャンヌ・ダルクの幼年期』を参照していると思う)、彼女の清貧生活は貴賤老若問わず女性陣に広がっていき、シスターたちの数も膨れ上がる。しかし、フランチェスコが仲間たちとエルサレム旅行に行っているのに、自分は旅すら許されず、枢機卿を呼べば"女がいると男たちが惑うだろ?修道院から出ないでくれよ"とバカみたいな言葉を掛けてくる始末。遂には、あのフランチェスコですら、時代に沿った会則を書いてしまう、云々。ダイジェスト的な劇中において、様々な奇跡を起こすキアラだったが、"鼻の石取っただけでしょうが!"とブチギレるシーンが中々良かった。ある種の"天才"の孤独というか、彼女もまた人間だし、そもそも奇跡は私が起こすものじゃないという、信念と聖人伝説解体みたいなものである。結局、件の枢機卿が教皇に出世して、女性で初めて会則書きます!みたいになるのだが、そんな軽い描き方で良いのか?と少しだけ思うなどした。全体的に鈍重で、彼女が突飛と思う演出も凡庸なんだが、本国でキレられてるほど悪いとも思わず。それよりも、ジョナス・カルピニャーノ『キアラへ (A Chiara)』の影に隠れて検索視認性が悪い方が気になる。