『ドライブ・マイ・ カー』 🚗 から
『悪は存在しない』へ ＿＿ 濱口竜介 監督
の 2分が本当に短い禅の世界『Walden』 🍵

作品的には 「松尾芭蕉」の世界観かも ＿＿
”閑さや岩にしみ入る蝉の声” みたいな 😉

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　ウィーン国際映画祭からのオファーで濱口監督には何やら2分間の新作映画のオファーがあり、『悪は存在しない』と『Gift』ですっかり疲れ切っていた濱口監督も2分であればということで了承したようで、監督の住まいの近所の水たまりを1時間近く眺めながら、最も鮮烈な2分間を長回しで切り取ったと監督自身が語る今作のビジュアルには水に自立するアメンボのフォルムや、水の流れを変えまいとする落葉の落下による様々な水の波紋が息衝いている。かつてツァイ・ミンリャンの歩く（WALK）シリーズにも水面を鏡に例えた強烈なビジュアル・イメージがあったが、正に今作にも「水鏡」のような水面のイメージが前景化する。フレーム越しには単なる長回しの中に起きる想像の中の偶然を不意に引っ張り出す為に監督は1時間という忍ぶ時間を要し、ようやく拾い上げた奇跡のような映像を前にして、やがてダグラス・サークの『天はすべて許し給う』のあまりにも美しい台詞を被せて行く濱口竜介の世界観が凄まじい。意訳で恐縮だが、絶望を内に秘めて暮らす僕たちは性急さの中に舵を切るのだろうかという登場人物たちの独白は異なる世界や年代、環境に生きる我々を勇気付けるかのように起立せんとする。またあらためて東北の地で今作の2分間を息を殺すようにスクリーンで体感した素晴らしさ。耳を澄ませば、悠久の声さえも聞こえて来るようだ。

ただ何も考えず、静かに観ていたらいい。
自然には、すべてのものが揃っている。
五感を研ぎ澄ましていないと、何も感じとることことは出来ない。