２４年の時を経てスクリーンで再会した傑作にまたやられちゃいました！
飛び込んだバレエ界で十数年の鍛錬の末に立派に成長したビリー(世界的バレエダンサー:アダム·クーパー)を 舞台に向かう背中の一瞬のカットで的確に伝えきります！ これぞ舞台演出で数々の賞を受賞し本作品が映画監督デビューとなったスティーブン·ダルドリーの“真骨頂”でございます
1984年のイングランドの炭鉱の町で母親をなくした11歳のビリー(ジェイミー·ベル)は 炭鉱夫の父親の意向によりボクシング教室に通っていますが ある日練習場を共用したバレエ教室に惹かれ女の子に混ざりレッスンを受けることに・・・
時代背景・社会階級・生活環境と子供を取り巻く世界は千差万別だけれど親が子を想う気持ちはまったく持って同じでしたねー
ジェイミー·ベルが昨年のイギリス映画「異人たち」で主人公の父親を演じていてビックリするやら嬉しいやら

【羽ばたく】

ミュージカルとしては日本でもプラチナチケットと言われたこともある「ビリー・エリオット」のオリジナルだ。

日本語タイトルが「リトル・ダンサー」ってのは変更しても良いんじゃないかと思う。

鉄の女性宰相と称されたサッチャーが首相に就任した時、イギリスは不況の真っ只中で、その中でも炭鉱業は最たるものだったのだ。

ストライキ。
そして、父権主義的。

スポーツと芸術パフォーマンスに対する男女の偏見。

ゲイとの関連性。

子供には様々な選択肢があるはずだと示唆すると同時に、古い価値観に囚われて変わらないことに違和感を示そうとした作品のようにも思う。

両脇に赤い煉瓦の壁がある通りで、ビリーがクルクル回りながら道を進む場面は特に印象的だし、ビリーの父親が駆け抜ける場面も僕は好きだ。

最後、ビリーは羽ばたく。

子役時代の強烈な印象により、大人になってからも〝あの〇〇の◇◇だった少年（少女）〟という印象を持ってしまう役者が少なからずいる。

大人になったマコーレ・カルキンを見て、あの「ホーム・アローン」のケビン少年を思い浮かべないことはもはや不可能に近い😅

カルキンと比べれば、遥かに役者として成功しているジェイミー・ベルだが、私にとっては永遠に〝あの「リトル・ダンサー」のビリー・エリオットだった少年〟なのだ。

大人になってからの彼のファンからはカルキンと一緒にするな💢と叱られそうだが、お許し願いたい。何せ私にとってはこの〝ビリー・エリオット〟との出会いはそれほど衝撃的だったのだ。

以後、彼が〝ゲイの息子を持つ父親〟を演じようが〝全身タトゥーの白人至上主義者〟を演じようが、あのビリー・エリオットの影が頭を離れない😅

舞台は1984年サッチャー政権下のイングランド北部の小さな炭鉱町。母親を亡くしたばかりの11歳の少年ビリーは、炭鉱労働者の父の命令でボクシングを習っていたが、どうも馴染めないでいた。そんなある日ひょんなことからバレエ教室のレッスンに参加する。ビリーはバレエの先生ウィルキンソンによってバレエ・ダンサーとしての才能を見い出され、彼女の指導のもとでめきめきと上達していくが……。

主人公のビリーは2,000人を超えるオーディションから選ばれた新人子役のジェイミー・ベル。弾けるような躍動感と全身から湧き出る踊ることへの喜びが、当時のイギリスのヒットナンバーに乗せて描かれる。ビリーが偏見や環境に負けず、夢に向かって突き進む姿には観ているこちらも心が踊る😊

この映画、一見するとバレエの魅力に取り憑かれた少年が苦難の末に才能を開花させる明るい青春物語のようにも見えるが、決してそれだけじゃない。

根底にあるのは経済不況に喘ぐイギリスの中で、先細って行く炭鉱業にしがみつくしかない家族の呪縛がある。愛するが故のすれ違いから家族がどの様に脱出するのか。その過程こそが本作を名作たらしめている。

父・母・兄・祖母・バレエの先生そして親友。それぞれの登場人物の〝思い通りにいかない人生〟を丁寧に描写することで物語にぐっと厚みと重みが出てくる。

閉塞感に包まれ、時代に取り残されたさびれた田舎町でビリーは皆んなの希望の星となる。そして物語はここからいっきにクライマックスへと進んでいく。

そこに待ち受けていたのは23年振りの感動の涙だった😭


公開時に劇場鑑賞した映画をデジタルリマスター版にて23年振りの再鑑賞。


〈余談ですが〉
初見のインパクトが忘れられずに、いつまで経っても〝あの〇〇の◇◇〟という俳優は結構いる。

ダイアン・レインはいくつになっても〝あの「リトル・ロマンス」の美少女ローレン〟だし、池松壮亮は凄腕の殺し屋をやってもゲイのスケートコーチやっても〝あの「ラスト・サムライ」の少年剣士〟だし、レオナルド・ディカプリオはイケメンやってもラリっても〝あの「ギルバート・グレイプ」の弟アーニー〟だ😅

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