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黙視録
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目次

黙視録の作品紹介

黙視録のあらすじ

家族でのピクニックのビデオ映像をじっくりと見ている若い父親。すぐに彼の幼い娘が行方不明になっているということが分かる。このビデオは、若い両親が持っている娘の最新の映像のようだ。程なくして、行方不明の娘の映像が入ったDVDが家族の玄関先に届き始める。誰かがこの家族を長い間監視しており、おそらく娘を取り戻す鍵を握っていることが明らかになる……。ヨー・シュウホァの『幻土』に続く新作長編『黙視録』は、こうして犯罪スリラーとして幕を開ける。シンガポール警察が所有する膨大な数のCCTV映像が駆使され、比較的あっけなく事件は解決するのだが、すでにその頃にはこの作品はスリラーの枠組みをあっさりと超え、現代の孤立と監視文化についての、巧妙で、陰鬱で、瞑想的で、最終的には不可解さを含んだより多層的な物語へと変質を遂げ始めている。大量監視の時代に見る、見られるということはどういうことなのか。私たちの身近にあるこの大きな問いを考察することで、この作品は人間の孤独や脆さを見つめている。ベネチア映画祭コンペティション部門で上映。

黙視録の監督

ヨー・シュウホァ

原題
默视录/Stranger Eyes
製作年
2024年
製作国・地域
シンガポールフランス台湾アメリカ
上映時間
125分
ジャンル
スリラー

『黙視録』に投稿された感想・評価

Omizu
3.8
【第25回東京フィルメックス コンペティション部門出品】
『幻土』ヨー・シュウホァ監督の新作。ヴェネツィア映画祭コンペに出品された。

これはなかなか好みの作品だった。『幻土』同様に難解な物語が賛否分かれるあたりだと思うが、映像センスと静謐なストーリーテリングに魅了された。

正直物語自体はあんまりよく分からない。サスペンスかと思っていたら深遠な人間ドラマになっていくという不思議な展開。よく分からないというより分からせる気があまりない。

思うにこの監督は物語にはあまり興味がないのだろう。本作においては監視カメラ、スマホのカメラなどを用いて「見る/見られる」構造の再構築をしたいのだと思う。

我々が住むこの世界において常に何かを見て、そして見られている。自分が見る景色と見られる景色は違うのだ。それが何層にもわたってレイヤーが重なっていく。非常に面白い世界観だ。

見る側だと思っていた人物が次の瞬間には見られる側になっている。そこに見えてくる真実は全く別の意味を持ってくる。

群像劇的にそれを描いたのが本作だと言えるだろう。撮影が非常に素晴らしく、監督のビジョンを明確に映し出していた。いかにもヴェネツィア映画祭が好きそうな作品という感じ、つまり芸術性に優れた静謐で美しい作品だった。今のところ今回のコンペではベスト。
たむ
3.5
ヴェネツィア国際映画祭コンペティションにも選出され、フィルメックスのコンペティションにも入ったサスペンス映画です。
監視カメラを主題に展開する物語ですが、観ている間、混乱が続きます。
『ミッシング』的な子供が誘拐された事件を発端にしつつ、あの作品で描かれなかったような事やループしていくような構成です。
正直なところ、よくわからない点が多い一方で、新しい物語の語り方や構成、想像力で補完するあたりは良いと感じました。
あの人は自分の将来かもしれない、というある種の強迫観念のようなものですね。
[家のカーテンは絶対に閉めよう] 70点

2024年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ヨー・シュウホァ長編二作目。狭い国土にマンションが乱立する関係で隣近所との物理的距離が近くなるシンガポールでは、近所の人の生活が全部目に入ってくるらしい。深淵もまたお前を…ではないが、こちらから近所の人が見えているなら、近所の人からもこちらが見えているわけで、日常生活に見る/見られるの関係が図らずも成立しているらしい。それに加えて監視国家として大量の監視カメラがあるため、人々の見る/見られるを国家に見られているという構図が誕生する、とのこと。映画は幼い娘が行方不明になった若い夫婦の物語で幕を開ける。妻は娘の映る録画映像を何度も見つめる一方、夫は公園でのビラ配りを母親に丸投げし、ビラを断った女性をデパートでストーカーするという奇行を見せる。すると、自宅に若夫婦のこれまでの生活を録画したDVDが届けられるようになり云々。展開自体は非常に早く、見る/見られるとか追う/追われるという関係性はあまりにも簡単に反転し続けるのは面白い。ただ、その関係性に拘りすぎるあまり、不自然さが目立っていたし、掘り下げ不足なのであまり興味は持てなかった。あと、セックスするならカーテンは閉めろ。DVDお届け犯はすぐに見つかって、今度はこの男(リー・カンション)と夫婦の過去パートが始まるんだが、全員道徳未履修か?というくらい終わってた。妻が短髪なので途中から『恋する惑星』を思い出していたが、よくよく思い返してみると同作のフェイ・ウォン篇も道徳未履修民の窃視と監視の映画だったなあと思うなど。怪しげな男をリー・カンションが演じているのもあって、絶妙に怪しさと親しみやすさが混ざり、ともすれば気持ち悪いような人物像を妙な清潔感ある人物へと引き戻していたのはさすが(ただ個人的な理由で申し訳ないけど苦手な俳優の一人であることは変わらず…)。終盤からは夫とリー・カンションの行動が重なり始め、自らの行動で娘を失った背景まで重なっていく。或る意味でリー・カンションは夫の未来の姿のようでもあり、ここでようやく見る/見られるの関係性が容易に反転する意味が"鏡合わせ"という形で回収される。結構終盤までフラフラしていた気もするが、終わり方は好き。久々の一本締め映画です。

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