【第76回カンヌ映画祭　ある視点部門出品】
アルゼンチンのロドリゴ・モレノ監督作品。カンヌ映画祭ある視点部門に出品され、昨年の東京国際映画祭でも上映された。

うーん、センスは認めるしジャンル横断的な語り口は面白いと思うが、流石に3時間は長かった。予想外のところに転がっていく展開の面白さがある作品であるが、3時間かけるほどの話かというのが正直なところ。

「ニュー・アルゼンチン・シネマ」の作家として注目されるロドリゴ・モレノ監督だが、確かにその映像センスは注目すべきものがある。画的につまらないなと思った部分は皆無、非常に面白い撮り方をする。

そこにいくのかという展開の予測不能さも興味深い。クライムものかと思っていると社会風刺コメディになりラブストーリーになり。ジャンルを特定されない語り口は新鮮ではある。

テンポが悪いわけではないし脚本もよく練られている。しかし何故だか退屈してしまった。面白くないわけではないし映像的にも見応えがある。ただ個人的にモレノ監督のペースに着いていけなかったということだと思う。

• #第76回カンヌ国際映画祭

久しぶりのアルゼンチン映画🇦🇷
私はただただブエノスアイレスに懐かしさもあるけれど、189分が長く感じない、映像センスが溢れていてこの空気感をもっと味わっていたかったな〜🩵

（ジャケ写が最低で文句言いたい😤U-NEXTのNEWで見つけたんだけど、その写真はレトロな色味で良いのよ🧡Filmarks事務局、広める気あるのかな？）


誰もが毎日変わり映えのしない仕事を辞めてのんびり暮らしたいと夢想することあるよね？それを実現するために行動した男とそれに乗った男の2人が主人公のお話。

2部構成で、1部と2部はまるで別の映画のよう🫧

《第1部》
ブエノスアイレスの銀行勤務の冴えない中年男モランは、今後20年勤めて貰う退職金の倍額を計算し盗み出す。そして同僚のロマンを呼び出して顛末を話す。「自首して模範囚なら3年半で出所できる。その間、バッグを預かってくれ。出所後に２人で山分けしよう。これはプレゼントだ」とレコード盤を置いていなくなる。
銀行は防犯カメラで犯人は判るが、対面を保つため警察沙汰にせずに内部調査を始める。ロマンが共犯ではないか？と疑いがかけられ、ハラスメントもありストレスで苦しめられる。

《第2部》
ロマンは彼女と暮らしていたが、バッグの置き場に困り、コルドバの山奥の大きな岩の下に隠す。山を降りた川辺で、自然の中で自由に生きている夫婦と妻の妹の３人に出会い、妹とロマンスが始まる。
モランが気になりたまに面会に行く。いよいよ出所が近くなる頃、手紙をある女に渡して欲しいと頼まれる。その女は...


犯罪映画なんだけど、事件が主ではなくなっていき、男たちが人生を見つめ直す作品に変わっていく...

劇伴に「Adonde Está la Libertad（自由はどこにあるんだ？）」が流れる🎵
この作品のキーとなっているモノクロのジャケットのレコード盤が出てきたときからお洒落センスの香りがしましたよ😆

『PAPPO'S BLUES』というタイトルのアルバム（'71年デビュー盤）
アルゼンチンのヘヴィ•サイケ/ブルース•ハード•ロックを代表する名バンドだそうです🎶

チャカレーラ（アルゼンチンの民族舞踊で求愛ダンス）を踊る4人の男女が楽しそう☺️一緒に混ざって踊りたくなった🤍

ニュー•アルゼンチン•シネマの俊英、ロドリゴ•モレノ監督、今後要チェック✅

• #のんchanおすすめアルゼンチン映画

なかなかおもろい、タイトルそのものがミスリードを誘う。確かに犯罪で始まる映画ではあるが、この映画が敵視しているのはあくまで資本主義であり労働であり何より貨幣経済ないし紙幣そのもの（だからこその『ラルジャン』か）。犯罪を犯した男モランとそれに巻き込まれた男ロマン、モランの一生せせこましく働くよりはドカンと一発やらかしてムショで気楽に3年半、の野望には早々に暗雲が立ち込めるし、ロマンもロマンで他の職員が次々に職場を追われる中でなんとか生き残るものの強烈なパワハラに晒される事になる、その辺りも名前のアナグラムが活きている。2人の男は喫煙に始まり同じ女性を愛し捨てられ、遂には自由を手にした者として劇中を通して次第に接続されていく（を表現する見事なスプリットスクリーン）。田舎と都市とを対比させる事自体は若干陳腐だが、刑務所暮らしを「物語」が救い、田舎では金にならない映画が撮られ、この映画自体も本来商業作品であれば着地すべきところとはまるで違う地点を目指していく事になる。3時間はちと長い様にも思うが、労働から逃れる為の…と口実をつければ、それすらも許せてしまう様に思える。「聖書はSF」のサラッとdisに笑う、本当の意味での犯罪者とは誰かを問う、とまではいかなくともヴァカンス映画として充分傑作。