METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」を配信している動画配信サービス

『METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」

METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」が配信されているサービス一覧

METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」』に投稿された感想・評価

いやぁ面白かった!

音楽的に「聴いて感涙」「大感動」という訳では正直なかったので、満点とはしないが、演出の秀逸さ、演劇的な面白さでは歴代随一ではなかろうか。

確か1980年だったか、ウィーン国立歌劇場来日公演でのブルーを基調としたカラフルな舞台が印象に残ったボレスラフ・バルロク演出版(*1 )をテレビ放送で観て以来、幾つかの演出で観て来たはずだが、今回ほどオスカー・ワイルドのテキストの演劇的な豊穣さをそのまま感じることができた上演はなかった。

*1
www.nbs.or.jp/stages/wien2012.jp/salome_about.html

いわゆる読み替え演出で、ト書き通りの舞台進行ではないのだが、ワイルドの戯曲とシュトラウスの音楽の読み込みが的確で、かなり強力な歌手陣が全て見事な俳優として、この楽劇が傑作であることを見せ付け、聴き入らせてくれた。

読み替えとは言っても難解さは少しもなく、本作がこれほどまでに喜劇的な要素に満ち満ちていることを初めて知ることができた。

なかでも殊勲賞は、妻の連れ子に欲情するヘロデ王を演じたゲルハルド・ジーゲル、さすが『指環』のミーメで演伎巧者ぶりを見せてくれただけのことはある。まさに名優。

クラウス・グード、彼の演出には初めて接したが天才と呼ばれるだけのことはある。

《公式サイト》
*2
www.shochiku.co.jp/met/program/6002/
van
4.0


初・オペラ体験!😍😍


◆ 事のあらまし ◆

聖者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)は投獄された。
王は実の兄を殺害し、兄の妻を妃とした。
この不義に対し、聖者は厳しく非難したのだ。

やがて、妃の娘サロメは聖者に恋をする。
聖者は彼女を拒絶、悲嘆にくれるサロメ。

彼女は王の前で舞を披露、彼女に褒美を設ける。
すると彼女は、王に聖者の生首を要求した――



◆ はじめに ◆

「オペラ」は、全く接点が無い。

幼少の頃、CMで歌を聴いた事があり。
なぜ、あんなにも甲高い声で歌うのか。
子供心ながらに、大変に不思議だった。

大人になっても、謎を払拭する機会に巡り合えず。
その不思議さは、ポジティブな興味へと変わらず。
現在に至っていた。


5月に「ビアズリー」の展示会に足を運んでいた。
O・ワイルド作戯曲「サロメ」の挿絵を担当した、
私も大好きな画家だ。

また、お世話になっているフォロワーさんが、
良くオペラを鑑賞している事もあり。
興味も少しづつ、高まりをみせた。


そのタイミングでの、今回の演目「サロメ」。
好きな演目なら、何とかついて行けるだろう。
様々な状況が折り重なり、機運も増して。
もう、この機を逃すわけには行かない。

とは言え、本当に楽しめるかどうか。
不安は沢山あったのだ――



◆ 総評 ◆

――これがオペラか!😍😍

なるほどなるほど!
この極みにまで、観客の情感を育たせるために。
限界を超えたソプラノの高音は、絶対に必要だ。
幼少の謎が解け、不思議が愉悦へ変わって行った。

演者の芝居や音楽も相まって、気づけば恍惚の淵へ。
背筋の震えを感じる、極上のカタルシス体験だった。


しかし、注意点もある。
映像は字幕が付くものの、
オペラの特性上、物語の説明は期待できない。

その為、事前の予習をするか。
いっそ、物語を理解することを最初から捨て。
全霊で、歌唱を浴びるという選択も良いかもしれない。

「歌声」によって揺さぶられた感情が落ち着いたころ、
今度は「空間」の演出が、私の心をかき立て始めてきた。



◆ 舞台装置 ◆

「サロメ」の舞台装置はシンプルだ。
「オペラと言えば」の想像を覆され、驚いた。
そのシンプルさが、空間的味わいを生んでいる。
想像を働く余地も生まれ、光と陰の演出も極まった。

舞台は「地上」と「地下」の二場面のみ。
サロメや人物が地下に降りると、
舞台がせり上がり、地下ステージが姿を現した。

この装置は意外性があり、大変に面白かった。
静けさの中で躍動感が生まれる演出に、潤いが満たされた。



◆ オペラの歌声 ◆

その装置の展開と状況で、
サロメがある種の極みに立つ。
例えば、拒まれながらも聖者に恋をして。
「ああ、ヨカナーン……!」
と、想いのたけを口にする場面。

この時、一言のセリフだけでは物足りない。
節を回して歌唱して、情念が増し独特の感情を生む。
そして極まった情感を、さらに昇華させるのが、
魂を絞り切った様な、高音ソプラノの咆哮――

――これだ! オペラの醍醐味!

理屈ではなく、感情そのものが声に化けている。
押し殺せない欲望、嘆き、喚き、収まらない叫び。
それが限界を超えた音域で噴出してくるから。
私はもうそれを、浴びるしかなかった。

その瞬間、オペラが「直接届く声」になった。
オペラの面白さのメカニズムが一つ、
私なりに解った様な気がした。



◆ さいごに ◆ 

物語は大変に満足に、幕を下ろした。
しかし、ライブビューイングの良さは終わらない。
そのままカーテンコールまで映像が続いていたのだ。

サロメ役:エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーさんの
歓喜に極まり涙する、満ち足りた表情が美しい。
作品とはまた別の感動が、押し寄せてきた。

カーテンコールは、
映画では行なえない、舞台特有のセレモニー。
観客が味わった思いのたけを、
生でお返しする姿を見て、更に感極まる。

そしてカメラは、舞台裏にも潜入。
皆の抱擁を交わす姿に、胸が熱くなる。

映像開始前は、作品解説も付いていた。
字幕の有無や、編集による寄りと引きのカメラ。
俳優の表情と、全景の対比なども、生には無い良さがある。


当然ながら、生は格別だろう。
だけど、舞台中継の利点も十分に強い。
何より、オペラの魅力をとくと感じてしまった!

――私は誓った。

また、味わいに行こう。
情感と官能のカタルシス、
狂気と恍惚の舞台装置で。

ふたたび魂を――
歌に、溶かしに行くのだ。


2025.07.06
実際に新約聖書の福音書等に記述があるサロメの逸話を、オスカー・ワイルドが戯曲化し、リヒャルト・シュトラウスが一幕のオペラとしたのが本作である。

聖者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)に恋してしまった少女サロメの狂気的を描く官能的なオペラ。禁断の恋が招いた衝撃的な内容に当時大スキャンダルを巻き起こし、初演から27年間は上演が禁止された。いま観てもなかなか刺激的な内容で、当時の人にとっては相当ショックだったのだろうと想像される。

本作は、新演出で、鬼才C・グートの演出により、時代をヴィクトリア朝時代に置き換えているので、服装がゴシック的だったり、演出は見どころ。エロティシズムは控えめに、聖者ヨカナーンの斬首後の描写のグロテスクさが際立っていたと思う。

好き嫌いは分かれると思うが、教養として観ておいて損はないように思う。愉快な作品ではないので、あくまで興味があれば。

『METライブビューイング2024-25 R・シュトラウス「サロメ」』に似ている作品

ジーザス・クライスト=スーパースター アリーナツアー

上映日:

2012年12月15日

製作国:

上映時間:

103分
4.0

王女メディア

上映日:

1970年07月17日

製作国:

上映時間:

112分

ジャンル:

3.6

あらすじ

イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ペリアスに王位返還を求める。叔父から未開の国コルキスにある〈金の羊皮〉を手に入れることを条件に出され旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘…

>>続きを読む