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博士の綺奏曲
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博士の綺奏曲の作品紹介

博士の綺奏曲のあらすじ

研究所に勤めながらも、オルタナティヴ・ロックバンド「ロス・ピジャミスタス」のボーカルを務めていたアンドレス(ジーザス・ヌネス)は、汚職にまみれた政権が主催する音楽祭にメンバーたちが無断で参加しようとしていたのを知り、脱退を決意する。バンドを離れ、ソロでの活動を開始したアンドレスのもとに現れた、顔なき奏者「ビースト」たち。混乱と貧困が日常を蝕んでいくベネズエラで、アンドレスはビーストたちとともに、孤高のアルバム制作を試みる……。

博士の綺奏曲の監督

ニコ・マンサーノ

原題
Yo y Las Bestias/Me and the Beasts
公式サイト
https://www.cine-mago.com/collection/hakasenokisoukyoku
製作年
2021年
製作国
ベネズエラ
上映時間
78分
配給会社
Cinemago

『博士の綺奏曲』に投稿された感想・評価

矢吹
4.1
彼はここで、別の道を選んだ。
今までそうしてきたかは、本人曰く、曲曰くで、映画に載ってないので、知らんが。
つまり、人生は続いていく。

最高のベーシストであると、ちゃんと褒めて、バンドからついに離れられて。
これがパートタイムドクターのバンドアパート。そんなベネズエラロックデパート。

また車に、黄色い彼らを乗せるチャンス。
彼らの正体は、創作の揺らぎ、みたいなものなのかなと思っていて。
降りてくる。なんていう風に使われがちな、
あの、人間の感覚の一つ。
見える時も見えない時も、
探す作業をやめなければ、いいんだけど、
意外と、何も関係ないところから結ばれたりもする、やつなんでしょう。
そんな、創造性の影。の可視化。
案外、こういう具現化は、見たことなかったので、ありがたかった。

その点、彼が言う、その黄色い影たちの、
「見たことあるな」という格好は、きっと、
君の知識。経験。作ってきた、もしくは、聞いてきた音楽の輪郭。の可能性が高い。
事実、あわやコピーとなりうる、
危ない橋は、そうして常にあるから。
それも創作でしょう。
パクってないのに、たまたま被ったみたいな偶然は世の中に大いに起きうるし、というかむしろ、人の創造力じみたものから出てくる、こうした一致は、ひとつたりとて偶然ではなく、全てが、二億年ぐらいの間ひと繋ぎになっている。というロマンの方が僕は好きなのです。そんなことは置いといて。
そして、
ミーアンドザビースツならば、
それは間違いなく、獣。飼い慣らしたい。

彼自身が、フィルムの中で、ずっと左側に配置されている。彼が、あらゆる、降りかかる、不安な、不幸な出来事に人生を支配されて、今にも画面から押し出されそうな頼りなさも感じる。
徹底した左側のバランスで、そうして動くのは、さながら、彼の車のようでもあり。
確実に自分、1人で、なんとか、なんとか、
創造力を、走らせる。行けるところまでもがいて、景色に溶かす。もしくは浮かす。

なんか、いつかの夜に、自分の夢の中でね、だだっ広い草原をさ、走っても走っても、なぜか上に上に浮かんでしまって、全く前に進まない、そんなくたびれた感じを思い出した。

逆に、彼が不自然なように歩いて画面の右にずれる、1人で映る電話のタイミングは、たしかに、人の上手い話に乗っかる話。だったから。
きっと、そこまでは、だいぶ関係ない。絶対にね。そんな根拠付きの妄想っすけど。
そして、ついに、奥にとらえた、ど真ん中。

仄めかされる、強盗。ベネズエラ。なんだかしっとりとした白い世界。復活しないデータ、警察に止められた車、マリファナの匂いのクレーム、騒音問題、高評価される元俺のバンド、
様々な怒りに対する、君の顔と態度。
不気味なほどに静かなんだけど、
やっと溜まりに溜まって見せてくれた、
YouTube、怒りの低評価。
とんでもなくささやかだからこそ、
あそこにだいぶ詰まってたねえ。
よかったですよ。
そしてあそこで、退いたら終わり、進んだ先にまた出会えた、黄色。
こうして、音をとにかく弾くしかないわけだ。
まずはいい生活から。良くなくていいけど。
ちゃんとね。ます、やってみること。

ベネズエラっぽさは、タンバリンにある?らしい、あとなんか知らん楽器。
出てくる曲はマジで全部めっちゃかっこいいけど。そこに個性を見るというよりは、異文化を見て楽しめる感じ。
どうしても、サンプルが少なくてすまんけど。
警察官が、軽く弾いた曲の雰囲気が、あまりにも地中海すぎて、こうして、文化が出るかそりゃとも、思ったけど。
あそこは、主人公からすると、そもそも、いや、お前うまいんかいになるわけなのかな。

インターネットの文化との親和性がめちゃくちゃ高かった。というか、パスワード入力や、メッセージアプリのやり取りが、画面の上に被せて演出されるのが、それはもう、定番であり、違和感もないもんですね。

あとは、あの具現化した創造性。とする、彼らと、一緒に踊った一月の歓びも、曲作りも、荷造りも。要するに、自分1人でやっていることを、映画というマジックの中で、時間と自分と感覚を、完成するはずの、まだ見ぬ世界最高の一曲に向かって進む。
これは、「現在完了進行形のモンタージュ」と言われている。俺にね。
お門違い、もしくは、別名があればすぐに訂正していただきたい。
まあ、その、
自分と自分と自分の同時進行の、時間感覚が。
さらにまた、
その素敵な日々の、
バックアップをとっていなかった。
という、凡ミスがあって、
あの全てに、収斂する素晴らしさがゆえに、
起こった悲劇。
あの美しい演出と瞬間の手法を、さらに、
自分で裏返して使ってきて、とんでもない奴だなと思いました。

でも、あの最高の曲たちは、確かになくなったけど、
そうすれば、なくなったという出来事が動き出したでしょう?

美しさは痛みの先にしかない。

こんなにも、音楽映画でライブシーンが静かで、盛り上げに行こうとしていないこともなかなかない。
なぜならば、きっと、
これは創作そのもののための話だから。

黄色とピンクの色合い。って、魔力に溢れるもんだね。それは黄桃とも言えなくもない。
言わないけど。
あと、海の、水平線の、ダッチアングル。
めちゃくちゃ圧倒されちった。
sonozy
3.5
ベネズエラのニコ・マンサーノ監督の長編デビュー作。

研究職をしながらオルタナティヴ・ロックバンド「ロス・ピジャミスタス」のボーカル&ギターを務めていたアンドレスが、汚職にまみれた政権が主催する音楽祭にメンバーたちが無断で参加しようとしていたのを知り、脱退。
新しい音楽プロジェクトに友人の女性シンガーを誘うが断られ、仕事を1ヶ月休み、海岸沿いの部屋を借りソロ・アルバムのレコーディングを始める。

原題/英題『Yo y Las Bestias/Me and the Beasts』≒ 私とビースト。このビーストというのは、アンドレスにだけ見えるイマジナリーな存在の2人のミュージシャンで、レコーディングをサポートします。
ビースト/獣とはほど遠い、黄色い修道服のような衣装で顔は白いすだれ状のもので見えない静かな2人です。
邦題は、博士(研究職であるアンドレス)が創り出す綺想曲(形式に縛られない音楽)かな?

経済危機・政治腐敗・抗議活動・大規模停電・国外亡命者続出といった混乱状態にあった2016〜2017年に製作されたとのことで、それを感じさせるシーンもあれこれ含まれてはいるものの、主人公のアンドレスが、実家で母と何不自由ない暮らしをしてるし、酒もタバコもマリファナもやらないし、職場も理解あるし、アルバムを作るのもビーストとスムーズに進むし、バンドを脱退する際に怒りの感情をあらわにする他は、やっかいな問題が起こっても穏やかに対応する性格だし...
監督はアートディレクター・作曲家でもあるということで、ペンタックス Kマウントのビンテージレンズで撮影されたというセンスいい色調や、すべて自ら制作したという劇中曲の心地よさもあって、そんな混乱した社会背景を感じさせない世界観なのがユニーク。(実際には完成まで5年もの年月がかかったそうです。)

小洒落たヨーロッパ映画を見たような読後感でした。
3.8
【不自由のリンボでは不自由と原始的をも掴もうとする】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=8gve9p2HhFA&t=909s

映画祭シーズンでなかなか今公開中の映画に対してキャッチアップができていないのだが、シアター・イメージフォーラムでベネズエラ映画をやっているらしいと仕事終わりに『博士の綺奏曲』を観てきた。本作は何年か前にベネズエラ映画祭で上映されていて気になってはいたものの逃した作品。ちょうど読んでいる「ばらばらとなりし花びらの欠片に捧ぐ」の著者・荻野洋一氏によるトークショー付きということもあり時間を作って観てきたのだ。これが想像以上に丁寧に「不自由」と「自由」の関係性について描かれた作品であった。

バンドマンの男が汚職政権主催のフェスに参加しようとするメンバーに嫌気がさして脱退。メンバーを募るも見つからず、孤独にアルバム制作をする。

いたってシンプルな青春映画であり、映画は音楽制作に集中し78分という短い時間を駆け抜ける。だが、その端々にベネズエラの抑圧された空気感の気配に気づかされる。一般的に「不自由」こそが「自由」である。「自由」を与えられた人の多くは、なんでもできるが故になにができるかが分からず、結果としてなにもできない。しかし、一定のフレームを同時に与えられることでその制約から自由に発想を膨らませることができる。つまり「自由」が「不自由」であり「不自由」こそが「自由」なのだ。実際に映画制作において、このフレームは型として確立されており、荻野洋一氏は『ミツバチのささやき』を挙げていたが、ヴェラ・ヒティロヴァ『ひなぎく』もその典型であろう。『博士の綺奏曲』も「不自由」だが「自由」なむき出しの創作を通じてベネズエラの政情不安を批判しているわけだが、この「自由論」を踏み込んだ領域で語っている。

アンドレスは新しい音楽を模索している。音楽家は誰しも膨大に存在する音の中から自分だけの音を探そうとする。音楽家の宿命を体現している。彼はベネズエラにおけるブルジョワ階級であり、女から「自由な存在」であることを突き付けられる。音を自由に探せる立場にいるのだが、彼は藁にもすがる想いで既成のコードやありふれたものや自分の肉体を使ったプリミティブな音を用いようとする。裕福な彼ですら「不自由の辺獄(リンボ)」にいるのである。映画では日常に潜む「不自由」が散りばめられている。停電が起きる、強制的に休暇を取らせられる、車にへばりついたシールが剝がれない。警察に賄賂を支払わないといけない。壊れたハードディスクからデータを取り出せないなど。

モヤモヤを抱える彼、孤独な彼は内なる他者を召喚する。それは「ビースト(=獣)」である。獣なら暴力的ベクトルへと転がっていくものだが、アンドレスの生み出すビーストは共に音を探す同志として機能し、平静を保つための存在となっている。不自由の中の自由の海を彷徨う中で、居心地の悪い世界からシェルターを見つけ出そうとする悲痛の運動に満ちた異色作であった。

P.S.それにしても、荻野洋一氏が創作の時に『博士の綺奏曲』みたいな獣出てくるみたいな話をされていて、「だよね、ジョジョのスタンドみたいになるよね」と共感しまくりだった。

自分は『アマデウス』を召喚して文章書いてます。

『博士の綺奏曲』に似ている作品

瞳をとじて

上映日:

2024年02月09日

製作国:

上映時間:

169分

ジャンル:

配給:

  • ギャガ
4.0

あらすじ

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ショーイング・アップ

上映日:

2023年12月22日

製作国:

上映時間:

106分

ジャンル:

3.8

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上映日:

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製作国:

上映時間:

110分
3.2

あらすじ

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